「アニスパ!」で鷲崎健と浅野真澄が絶賛した、新谷良子のリアクション芸

tunderealrovski2009-08-15

 
文化放送で放送されている鷲崎健さんと浅野真澄さんのラジオ番組「A&G 超RADIO SHOW〜アニスパ!〜」が大好きで、毎週欠かさず聴いています。
 
本放送を録音したMDのコレクションも結構な数を持っているんですが、この間ちょっと昔の「アニスパ!」を聞き返していたら、声優の新谷良子さんの実力というか、ラジオ番組での立ち振る舞いや空気を読む上手さみたいなものが、非常によく出ていた回があって、個人的にとてつもなく感心をしたので、ちょっと文字起しをしてみたいと思います。
 
今回紹介をするのは、2007年の9月に放送された第181回。その中で流れた「第一回『アニスパ!』リアクション選手権」という企画です。
 
プライベートで浅野真澄さんが送った童話作品が、児童雑誌「月刊おひさま」の「おひさま絵本童話大賞」で最優秀賞を獲得したのを受けて、「スタッフが突然声優さんのもとを訪れ、そのニュースを伝えた時の相手のリアクション録音。それを鷲崎さんと浅野さんがスタジオでチャチャを入れながら楽しむ」という企画だったのですが、そこで見せた新谷良子さんのリアクションっていうのが本当に素晴らしかったんですよ。
 
 

■第一回『アニスパ!』リアクション選手権


 
この企画では新谷さんの他にも、色々な声優さんのリアクションを録りにいっているのですが、まぁ、当然といえば当然なんですが、大抵の場合皆さんキョトンとしてしまうんですね。
例えば、子役出身で声優としても立派なキャリアを持っていらっしゃる飯塚雅弓さんのような方でも、突然そんな場面に出くわしてしまったら思わず素になってしまうわけです。
 

スタッフ:こんばんは。アニスパスタッフの奈良です〜。あの、今日は…。
 
飯塚:(若干、怪訝な様子で)はい。
 
スタッフ:突然、すいません。
 
飯塚:はい。
 
スタッフ:実は、あの〜…飯塚さんにちょっと聞いてもらいたいお話があって…。
 
飯塚:はい。
 
スタッフ:来たんですけども…。
 
飯塚:はい。
 
スタッフ:実はですね〜。浅野さんが…。
 
飯塚:はい。
 
スタッフ:趣味で書いた童話が…。
 
飯塚:はい。
 
スタッフ:小学館の童話大賞で最優秀賞を取って…。
 
飯塚:うん。
 
スタッフ:童話作家デビューすることになったんですよ。
 
飯塚:…えぇ〜すごーい! おめでとうございます〜。作家デビューですか? え! しかも、童話? スゴイじゃないですか〜。へぇ〜…。
 
スタッフ:賞金50万円だったらしいです。
 
飯塚:え! …(50万円)取ったんですか? え〜、そりゃ、じゃあ…また貯金箱の方に入れないと…。ねぇ? ですよねぇ?

 
文字で伝わるかは微妙ですが、やたらに繰り返される相槌と、妙な間に飯塚さんの戸惑いが出ています。
あれだけファンへのサービス精神が旺盛で、キャリアもある飯塚さんのような声優さんですら突然の出来事に「素」になってしまうっていうのがここでの笑いどころになっていて、その時点で十二分に面白いんですけど、突然ラジオスタッフに押し掛けられて、しかも同業者である声優さんが童話雑誌で賞を獲った! なんてニュースをイキナリ聞かされても、普通は飯塚さんみたいに困惑して当然ですよね。
 
で、新谷良子さんの場合。もう、そのリアクションが流れる前から、
 

鷲崎:コレは期待できそうなラインですよ〜。この人はあの〜、リアクションにワリと定評がある…
 
浅野:おーそうだね。
 
鷲崎:わははははっ(笑)。あの〜色んなラジオスタッフがですね、ドッキリ企画とかね、引っ掛けがいがあるっていう…。
 
浅野:あ〜100求めたら、101返ってくるタイプですよね。
 
鷲崎:そうそうそうそう。「あ! マイク回ってるな!」っていう意識がある時は、ちゃんとプロのリアクションしてくれる人なんで(笑)。
 
浅野:はははっ(笑)。よし! 期待しましょう!

 
と、煽りに煽っていて、お二人の新谷さんに対する期待値が非常に高いのが伝わってくるんですが、そんな中で登場をした新谷さんは、その高いハードルを難なく飛び越えていくんです。
 
 

新谷良子さんの100点満点のリアクション

スタッフ:こんばんは。
 
新谷:こんばんは〜。
 
スタッフ:アニスパスタッフの奈良です。
 
新谷:あ、新谷です。
 
スタッフ:すいません。今日、突然すいません。
 
新谷:いえいえ、とんでもないです。
 
スタッフ:今日ですね、新谷さんに聞いていただきたいお話がありまして、やって来たんですけども…。
 
新谷:はい、何ですか?
 
スタッフ:実は、うちのパーソナリティーの浅野さんに大変なことが起こってるんですよ。
 
新谷:大変なこと?
 
スタッフ:大変なことです。何だと思います?
 
新谷:え〜…還したと思った奨学金の利子があった…。
 
スタッフ:違うんですよ。もうちょっと、おめでたいことなんですよ。
 
新谷:おめでたいこと? え〜何だろう? 欲しかったお洋服がGETできた。
 
スタッフ:実はですね。
 
新谷:はい。
 
スタッフ:浅野さんが、趣味で書いた童話が小学館の童話大賞で最優秀賞を取って…童話作家デビューすることになりました!
 
新谷:え!? …え、嘘だ嘘だ。
 
鷲崎:((拍手をしながら)素晴らしい、素晴らしい。)
 
浅野:(プロだ、プロ。)
 
新谷:童話? 童話なんか書いてたんですか? (資料を手渡されて)え!? …何コレー! どこ? どこ? 何? どれ? うわー写真が載ってるー!
 
鷲崎:(新谷さん、スゲエ! 新谷さん、スゴイ!)
 
浅野:(プロのリアクション!)
 
新谷:わはははっ、スゲエ! …(執筆時のペンネームは)あさのますみ」って平仮名なんだ。え!? ホントに〜?
 
鷲崎:(ちゃんと文字情報を入れた!)
 
新谷:え〜すっご〜〜い!
 
スタッフ:しかも…賞金…。
 
新谷:はい。
 
スタッフ:50万円です。
 
新谷:まーじー! 何買ってもらおうかな〜。コレ、ホントに〜? 嘘、「作り」じゃないのコレ? ホントに〜〜? スゴイね、ますみん

 
ラジオ番組的なノリで大袈裟に騒ぎつつ、要所要所で軽く面白いことを挟み込み、更に文字や写真の有無といった掲載誌の情報を織り込みつつも、浅野真澄さんの貧乏キャライジリと受賞の祝福までをもやってのける、新谷さんのこのリアクション!
短い時間ながらも、濃密なこの新谷さんのリアクション芸を鷲崎さんと浅野さんは、
 

 

鷲崎:さぁ、聞いていただけましたか?
 
浅野:わははははっ(笑)。
 
鷲崎:皆さん、コレね。浅野真澄を使った企画なんですけども、新谷さんがどれだけ良くできているかっていうののプロモーションになってます!
 
浅野:はははっ(笑)。もう、良子ちゃんのコメント、作家が付いてるよね。
 
鷲崎:ねぇ。先ず、「どんなことがあったと思います?」って聞かれた時に、「奨学金の利子が」って。ここでボケですよね。軽いボケを言うてます。
 
浅野:はい。
 
鷲崎:「そうじゃなくて、もうちょっと良いことです」と。「もうちょっと良いことがありました」って言った時に、あの〜ホンマにあったエエことよりも、もっと上のことを自分が言うてしまったらアンマリ構成上悪いから…。
 
浅野:そうだね。
 
鷲崎:何でもないこととして…。
 
浅野:「欲しかったお洋服を買った」!
 
鷲崎:そんなわけないのにやで!? で、そこで「実は…」と、「童話作家デビューすることになりました」。「え〜〜〜っ! スゴイ! 童話なんか書いてたんだ!」。
 
浅野:それをちゃんとオンマイクでですよ!? 絶対にマイクがオフらない位置で、「え〜っ!」って。
 
鷲崎:そう! で、本の資料を渡された時に、ちゃんと文字情報として、あ、あさのますみ』っていうのは、コレは平仮名なんだね、みたいな見た時のリアクションも含め。
 
浅野:ソツがない!
 
鷲崎:で、賞金50万って言った時に、もう一回「じゃあ、何買ってもらおうかなー?」って軽いのをポーンって一回入れておいて。あのーコレ、お気づきかどうか分かりませんけども、何が素晴らしいか? コレ、聞いてもろたら分かるんですけども、編集点が一個もないんです!
 
浅野:はあ〜〜っ。
 
鷲崎:だから全部が使えてるってことなんです! 無駄な部分がなかった!
 
浅野:素晴らしい! コメントに無駄がない!
 
(二人で拍手)

 
と正に絶賛!
 
瞬時に自身の置かれた状況と企画の趣旨を理解し、番組の構成なんかも踏まえた上で繰り広げられる、声優・新谷良子さんのリアクション。
これが先天的なものなのか、それとも声優としての仕事を始めて色々な経験をしていく中で身につけた能力なのかは分かりませんが、効果的な言葉のチョイスとか笑いのセンスなんかも含めて、私自身コレを初めて聞いた時は本当にビックリして、鳥肌が立ちましたね。
 
勿論、各声優さんのキャラクターとかもありますし、この回の新谷さんのように、的確なリアクションが取れる、無駄のないコメントが瞬時に言えるっていうのがイコール、声優として素晴らしい、スゴイっていうわけではないのですが、新谷さんのこの瞬時に空気を読む能力や頭の回転の早さっていうのは、やっぱりアニラジなんかでは人を惹きつける強い魅力になりえるよな〜なんて思った次第です。
 
私は、新谷さんのCDを集めているし、部屋には新谷さんのポスターが貼ってあるし、Zeppにワンマンライブを観に行ったことがあるくらい新谷さんのことが好きなんですが、ホントに計り知れないトコロがあるというか、未だに彼女に感心させられることばっかりです。スゴイよな〜新谷さん。
 
 
 

■おまけ

ついでに、金田朋子さんさんの同企画におけるリアクションもご紹介。
 

スタッフ:こんばんは。
 
金田:ふぇえっ!(何故か、イキナリ驚くカネトモさん)
 
スタッフ:アニスパスタッフの奈良です〜。
 
金田:あははははっ(笑)。こんばんは〜〜あははっ(笑)。(当然、ハイテンション!)
 
スタッフ:あの、突然すいません。
 
金田:トンデモないです!
 
スタッフ:実は今日、金田さんに聞いていただきたい話があって来たんですけども。
 
金田:ほい。
 
スタッフ:実はうちのパーソナリティーの浅野さんに、大変なことが起こってるんですよ。
 
金田:すごい…。キャハハハハッ(笑)。「すごい」とか他人事になっちった(笑)! え? どんなんですか? どんなんですか?
 
スタッフ:何だと思います?
 
金田:分かんない。…え? ますみん、お誕生日おめでと〜〜! あははははははははっ(笑)!
 
鷲崎:(ぎゃはははははははっ(笑))
 
スタッフ:三週間ぐらい前なんですけども…。
 
金田:そうだよね〜。(会話が完全に噛み合っていない)
 
スタッフ:何か、起こってるんですけども。
 
金田:えっと〜。えっ? それは、あの〜「人生から墓場まで」っていう感じですか(?)。わははははっ(笑)。
 
鷲崎:(何、言うとんねんっ!)
 
金田:あははっいひひっ(笑)。そういうなんか…そういうことですか?
 
スタッフ:そういうことで…。あの、コレを見てください。「月刊おひさま」という雑誌なんですけども…。
 
浅野:(文字読めるかな? 金田さん…。)
 
鷲崎:(ははははははっ(笑))
 
金田:「小さなボタンチップ」…。あ、違った「ポッチ」だ(笑)。あははははっ(笑)。え!? 何コレ、何? 童話? 童話部門? 「おひさま大賞発表」…「あさのますみ」…ますみん…ごぢうまんえんってことぉ!
 
鷲崎:(あははははははははっ(笑))
 
金田:ごぢうまんっ…ゲホッガホッゴホッ(興奮し過ぎて咽る)。え〜〜っ、50万円! キャハハハハハハッ(笑)。え〜…ますみん! お寿司食べたいよぉ〜。…50万円?
 
スタッフ:そうですそうです。実は浅野さんが趣味で書いた童話が小学館の童話大賞で最優秀賞を取って…。
 
金田:はい。
 
スタッフ:浅野さんが、童話作家デビューすることになったんです。
 
金田:…えぇ〜〜〜っ!
 
鷲崎&浅野:(ふははははははっ(笑))
 
金田:あははははっきゃははははっあははははっ(何故か、ツボに入る)。ふ〜っ…え? 50万円? すごーい、50万円…。そうですか〜おめでとうございます〜…そうですかぁ…。どんな「ぷっち」なんですかね? そうですか、あの、ちょっと…ホントおめでとうございます〜。今度、読ませてください。

 
自分が言ったことに対して、自分で勝手に笑い転げる、笑いの自作自演を行うカネトモさん。
リアクション云々どころか、そもそもスタッフとの会話が噛み合わないカネトモさん。
「50万円」という大金のせいで、頭がイッパイイッパイになるカネトモさん。
 
…やっぱ、スゴイや(笑)。