巨乳エロ漫画の表紙で、おっぱいがどのように描かれているかについて熱く語ってみる

tunderealrovski2010-04-17

 

 
エロ漫画単行本の表紙において、各収録作品のコンセプトやイメージを見る人に伝えるために、表紙のイラストは重要な要素です。
AVや官能小説のような他ジャンルのアダルトメディアがよく行うような、エロのコンセプトをタイトルでストレートに表現するという方法論は余りエロ漫画では余り目にする機会がありません*1し、表紙イラストによる購買層への視覚的・商業的な訴求力は非常に大きいと私は考えます。
 
エロ漫画の表紙イラストは、各作家さんの個性や、その中で描かれている各種の性的嗜好によって、様々な創意工夫が行われており、あるゆる視点から考察や言及が可能だと思うのですが、今回は自分の好きな「おっぱい」それも「巨乳」に特化したエロ漫画の表紙イラストについてアレやコレやと書いてみたいと思います。

 

■おっぱいの谷間を強調する

それでは、巨乳をテーマにしたエロ漫画の表紙において、おっぱいがどのように描かれ、セールスポイントとしてアピールがされているかについて、その手法や意匠を自分なりに分類・整理しながら考えてみます。
 
まず、おっぱいの大きさを読み手側にアピールする必要があるわけですが、最も有力で効果的なのが、大きな二つの乳房がくっ付いた時に出来るこの世で最も幸福な境界線…「胸の谷間」を強調するという方法でしょう。
 

<左:武田弘光「ツンデロ」(コアマガジン) 右:中山哲学「たぷラブ」(ティーアイネット)>
 
これは、巨乳のヒロインが数多く登場するエロ漫画の表紙では必ずと言っていいほど用いられている描き方ではあるのですが、ここでおもしろいのが構図やレイアウトをどのようにとって乳を描くかによって、そこに各作家さんの個性が出てくることです。
 
<左:オノメシン「おっぱいパ〜ティー〜」(コアマガジン) 右:吉村竜巻「モチハダ」(クロエ出版)>

<左:笹川ハヤシ「処女通信」(ティーアイネット) 右:柚木貴「幻想娘百科事典」(キルタイムコミュニケーション)>

 
煽りで描くのか、正面から描くのか、それともおっぱいを横から描くのか? 谷間を強調するためにヒロインは寝かせて描くのか、あるいは立たせて描くのか、バストショットにするか、身体全体を描くのか?
一口におっぱいを描く、胸の谷間を作るといっても、そこには無限のバリエーションがあり、「どう描くか?」というおっぱいへのアプローチの仕方、How Toの部分をそれぞれに見ていくとまた興味深い視点が次々に出てくるのが奥深くもおもしろいところだと思うのです。
 
 

■おっぱいの谷間に挿む

更に、この胸の谷間を強調した構図の数々に、実にエロ漫画らしいサムシングを加えた表紙イラストの方法論も存在します。
それが、胸の谷間に何かを「挿む」というポージングです。
 

<工藤洋「パイ×クラ」(ティーアイネット)>
 
当BLOGでも、私の大フェイヴァリットな作家さんとして度々名前を出させていただいている工藤洋先生の単行本「パイ×クラ」では、表紙に登場しているヒロインの美爆乳の間にできた谷間に、ハミガキ粉のチューブが挿入され、中身の白い液体が噴き出しているという実に扇情的なイラストが使用されています。
こうした胸の谷間に「挿む」という構図は、おっぱいの大きさをより強調すると共に、収録作品の中で存分に繰り広げられているであろう、ある性行為のメタファーとしても機能しており、見る者に強烈なフェティシズムを、その乳房と同様に大きく膨らませてくれます。
 

<左:BENNY'S「こいねえ」(晋遊舎) 右:睦茸「ちちこき」(G-WALK)>
 
何を挿むかというのも作家さんによって、これまたエロエロ否色々なのですが、バナナは特に定番のアイテムかな、と思います。男性器の暗喩としてバナナを使用するというのは、直情的で若干親父臭くもありますが、その分非常に明快で分かりやすく、求心力は非常に高いですよね。
睦茸先生の初単行本である「ちちこき」の表紙イラストに至っては、胸に挟んだバナナにわざわざ避妊具が被せてあり、エネルギッシュでパワフルなエロ描写を予感させてくれます。
 

<左:ヤスイリオスケエロマンガみたいな恋しよう」(晋遊舎) 右:和六里ハル「大妹」(コアマガジン)>
 
あるいは、ジュースなどの液体や流動型の物質を胸に挟むというのも、視覚的なエロティックさには非常に有効です。液体というのが、また様々に見るものの妄想を掻き立ててくれますし、「濡れる」という表現は数多くのエロ漫画の表紙で見られる定番のイメージでもあります。
トロピカルドリンクの入ったグラスをおっぱいで挿み、自身の作家性のトレードマークをイラストで表現したヤスイリオスケ先生のエロマンガみたいな恋しよう」のようなストレートな表現は勿論、胸の谷間に白い液体が溜まっているという和六里ハル先生の「大妹」なんかも、こうした「おっぱいに挿む系」とでも言うべき演出方法にグルーピング可能だと思います。
 

<山田ショウジ「Sweet TRAP」(ヒット出版)>
 
他にも、「おっぱいに挿む系」は細かく見ていくと様々なパターンが存在をしていておもしろいのですが、中でもウィットに富んだ技アリのデザインセンスが光るのが山田ショウジ先生の二冊目となる単行本「Sweet TRAP」です。
表紙イラストは一見すると、ふくよかで幸福な双球が強調されたヒロインのバストアップイラストが描かれているだけに見えますが、実は単行本の帯に書かれている「はさんでみる?」という挑発的なキャッチコピーが胸の谷間に挟まっているのです。
おっぱいを魅惑的に強調するために、メインとなるイラスト一枚だけでなく、その他のデザインや装丁にも意匠が凝らしてある。こうした作品に出会えるにも、おっぱいエロ漫画の魅力だと思います。
 
 

■おっぱいを変形させる

さて、ここまではおっぱいの大きさをどのように強調するか? 描くか? という部分にスポットを当ててエントリを進めてきたのですが、女の娘の胸の魅力を見る者に伝えるには大きさだけではなく、もう一つ重要なポイントがあります。
 
それは、おっぱいの質感です。
 
柔らかいおっぱい、弾力のあるおっぱい、ハリのあるおっぱい…その好みは人にとって千差万別でしょうが、一枚絵の中で質感を表現するのに有効なのが、おっぱいの形を変形させるという描き方だと思います。
そして、その際にもっとも有効で、多数の作家さんのエロ漫画表紙に使われているのが、「手」を使ったおっぱいの演出です。
 


<左:DISTANCE「美〜ちく」(コアマガジン) 右:吉川かば夫「発掘おっぱい大辞典」(晋遊舎)>
 
「おっぱいに手を添える」たったそれだけのことで、乳房にアクションが生まれ、エロ漫画表紙イラストに描かれたヒロインの乳は、見る者を官能の世界に誘う質感を湛えて実に魅惑的にその形を変化させます。
よく見てみると、これまでに紹介をしてきたエロ漫画の表紙イラストも「胸を寄せる」とか「掴む」とか様々な描き方で「手」がおっぱいとセットになって描かれています。
 

<いけださくら「むにちち」(コアマガジン)>
 
「ふにふに」とした如何にも柔らかそうなおっぱいを描かれる、いけださくら先生の「むにちち」の表紙イラストでも、手が乳房の質感を表現し非常に魅惑的なニュアンスをイラストに加えています。これなんて、巨乳エロ漫画に必須な「谷間」を描いていない、かなり珍しい一枚だと思うのですが手の描き方、おっぱいとの組み合わせ方が非常に素晴らしいですよね。
 

<左:若月「限界おっぱい」(ティーアイネット) 右:無望菜志「Tentacle Lovers」(コアマガジン)>
 
また、その手が自分の手であるか他人の手であるかというのも重要です。その違いだけで、作品コンセプトのイメージの伝わり方は全く異なったものとなってきます。また、エロ漫画特有の表現であり、オルタナティヴな「手」(あるいは男性器)として漫画の中で機能をする「触手」を使用した乳房の変形・強調というレパートリーもそこには存在します。
 

<左:けいじえい「ももかんプライマル」(コアマガジン) 右:TANA「君の瞳に欲情している」(茜新社)>
 
勿論、手だけではなく机であるとかの小道具を使った乳の変形というパターンもあるわけですが、その中でもとりわけフェティッシュで定番のアイテムになっているのが、縄や紐を使った胸の変形・調教強調でしょう。TANA先生の漫画では、「奴隷願望を持つヒロインが主人公と恋に落ち、恋愛の幸福の中で自己を介抱していく」という作品のプロット、シナリオが縄による胸のフォーカスと同時に見事に表現をされています。
また、本作で見られるように、制服のリボンやネクタイを胸の谷間で挿んで乳房の大きさを強調するというのも、テクニックの一つとして非常に沢山の単行本で採用をされていますので、注意をして見てみるのもおもしろいと思います。
 
 

■女の娘同士のおっぱい

このように、おっぱいを変形させ、柔らかさやハリといった質感をアピールする方法も様々であり、各種の小道具が演出に使用されていたりするわけですが、そうした中でもとりわけ贅沢でエロチックな最上級の表現方法が、複数のヒロインを表紙に登場させ、おっぱいを女の娘の身体を使って変形させるというスタイルでしょう。
 

<シャチカマボコ月と太陽」(茜新社)>
 
シャチカマボコ先生の「月の太陽」の表紙イラストです。表題作である長編作「月と太陽」のヒロインさん二人が身体を寄せ合っている構図が用いられていますが、ここでおっぱいが二つ重なることによって生まれる煽情性と、質感のリアリズムというのは、おっぱい好きには堪らないものがあります。
また、ここではこの構図がおっぱいのアピールになっていると同時に「突然、家に押し掛けてきたメイドと職場の上司が、主人公を奪い合う」という作品のプロットのイントロダクションになっており、ヒロイン二人のキャラ立てにもなっています。非常に完成度の高い表紙イラストと言えるのではないでしょうか?
 

<左:黒龍眼「おっぱい〜な」(コアマガジン) 右:あべもりおか「めがもりみるき〜ぱい」(ヒット出版)>

<左:ヤスイリオスケ「BUST TO BUST -ちちはちちに-」(マックス) 右:鰻丸「ダブルリップ」(コアマガジン)>
 
複数のヒロインのおっぱいを重ね合わせて表現するという方法論を持ちいたイラストは、巨乳もののエロ漫画においてある種のスタンダードになっている感すらあるのですが、前述したような胸の質感のアピールと同時に、乳房を用いた「比較」が行われることで、おっぱいの大きさやキャラクター性の違いがクローズアップされ、それぞれの「キャラ立て」が行われるという効果もあり、また、ヒロインの構図をどのように用いるかによって、物語でのヒロイン同士の関係性や立ち位置が描かれることもあります。
 
このように、おっぱいの大きさや質感がどのように強調され、そしてそこに加えて何が表現されているのか? という部分にも気を配ってこうしたイラストの数々を見ていくと、またエロ漫画を読むのがおもしろくなってくるのではないかと思います。
 
 

■まとめ

非常に個人的な主観でのグルーピングによる考察であり、余り意味は成さないかもしれませんが、ひたすら大好きな巨乳エロ漫画について熱く語らせていただきました。
「巨乳」というフェティシズム性的嗜好は分かり易すぎるが故に、余り考察系の記事でも扱われる機会が少ないように思うのですが、表紙イラストを一枚とってもそこには様々な意匠やテクニックが施されており、非常に語り甲斐のあるテーマだと思いましたので、拙文ながらも今回このようなエントリを書かせていただいた次第です。
 
勿論、この他にも様々な素晴らしいおっぱいエロ漫画がこの世界には存在をしていますので、もしも興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、色々と見比べてみていただけるとイチ巨乳エロ漫画ファンとして至上の喜びでございます。おっぱい最高!
 
 
…あ、あと、ちっちゃいおっぱいも素敵だと思いますよ!
 
 
 
<関連エントリ>
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<関連URL>
■エロマンガ単行本、表紙の悩みあれこれ。(たまごまごごはん)
■エロいエロ漫画の表紙 コンドームをくわえる少女の良さを語る(karimikarimi)
 

*1:中には、コレとかコレみたいにストレートなタイトルの単行本もありますが、エロ漫画の世界においては割と少数派なような気がします。