おススメのエロ漫画雑誌を勧めてみる - 「Men's YOUNG SPECIAL雷」のお祭り感とエロ漫画雑誌のカラー

tunderealrovski2010-10-29

 


 
最近はテレビアニメのエントリが続いていましたが、今回は久しぶりにエロ漫画、成年漫画の話題をアレやコレやと。
で、今回ピックアップをしたい作家さんと作品が、私の大好きな工藤洋先生の商業誌最新作「Monotone Lover」。コレが自分的に物凄くツボだったので、この作品の感想を語りつつ、本作が掲載をされた双葉社「Men's YOUNG SPECIAL雷」のおススメ文なんかも書いてみたいと思います!
  
 

■「認める」ことの大切さ / 工藤洋「Monotone Lover」

いや、「Monotone Lover」、ものっそいイイんですよ!
 
オタクの男の子、ユタカくんに初めて出来た彼女であるマキさんは所謂ゴスロリ少女
彼女ができたのは嬉しいけどマキさんの特異なファッションは、やはり他人の目を引いてしまいます。デートで二人並んで町を歩けば周囲から奇異の視線を受け、それが原因で二人の間には毎回妙な空気が流れてしまう…。
 


 
で、ユタカくんは悩むわけです。彼女は自分のオタク趣味を受け入れてくれたのに、自分は彼女の服の趣味を、周囲の視線を気にしている。そんなことで、どうするんだ! と。
 


 
まぁ、エロ漫画なので当然ユタカくんとマキさんは、この後当然エロいことをするわけですが、彼女のゴスロリファッションを認めることがそのきっかけになるわけです。
「Monotone Lover」は短編作品ではありますが、「相手の趣味を認める」「許容する」という行為がテーマになっていて、それがそのまま心と身体の結びつきへと繋がっていきます。
以前、工藤先生が活躍の場にしていたティーアイネット系列での雑誌で発表をされた作品群に比べると、ページ数は少な目ではありますが、テーマの描写が非常に明確で多幸感溢れるハートフルな内容であるために、非常に読み応えを感じました。
 
ゴスロリ」というフェティッシュな衣装と、それを巡っての主人公カップルの心の交流、そして男女の仲の進展が見事に作品の中でミクスチャーされていて、自分はここ最近読んだエロ漫画の中でも特に気に入った作品でしたね〜。
 
 

■様々なエロ漫画家さんが集まる雑誌「Men's YOUNG SPECIAL雷」


 
まぁ、「Monotone Lover」おもしろかったよね、やっぱり工藤洋先生のエロ漫画が自分は大好きです! で、このエントリを終えてもいいのですが、ここでもうちょっと深く突っ込んで、本作が掲載をされた雑誌のおススメどころを。
  
「Monotone Lover」が掲載されている双葉社の成年漫画雑誌メンズヤングの増刊号「Men's YOUNG SPECIAL雷」のVol.16号(現在、絶賛発売中!)なのですが、この雑誌って結構おもしろくて、双葉社以外の出版社をメインに活動をされているエロ漫画家さんの作品が載ることが多いんですね。
 
例えば、今号を見てみてもBENNY'S先生や肉そうきゅー。先生のような晋遊舎〜マックスでのご活躍の印象が強い漫画家さんの作品が、チャーリーにしなか先生や三上キャノン先生といった「メンズヤング」本誌でお馴染みの作家さんに混ざって掲載をされている。
過去の執筆陣を振り返ってみれば、おおとりりゅうじ先生や久遠ミチヨシ先生、魚肉ん先生といった個性豊かなメンバーも参加をされていて、別冊号らしいお祭り感と共に、ちょっとした「エロ漫画界のオールスター誌」的な側面も感じられるおもしろい雑誌です。
 
で、工藤洋先生はこの「雷」に過去数回登場をしているのですが、その時点では未だティーアイネットの成年漫画雑誌であるMUJIN」「BUSTER COMIC」での活躍が中心で、特に連載を持たれていた「BUSTER COMICの作家さん」というイメージが強かったと思います。
 


 
この「Monotone Lover」の前には、「メンズヤング」本誌で「In Ten Years」という短編も描いていて、今後は双葉社の雑誌をメインに作品を発表されるのかなぁ、という感じなのですが、「BUSTER COMIC」という雑誌の「色」を考えた場合に、この変遷ってなかなかに興味深いと思うんですよね。
 
 

■エロ漫画雑誌のカラーと、作家さんの色

「BUSTER COMIC」は、ティーアイネットから隔月刊で発行をされている成年漫画雑誌。SMや凌辱もの、スカトロといった世間一般では「アブノーマル」とされる性癖を描いた作品に意欲的に取り組み、エロ漫画雑誌界で独特の立ち位置を築いている雑誌です。
 
工藤洋先生は、この雑誌の中で主にラブコメや明るい和姦モノを中心に作品を発表していたのですが、後期になるとこの作家さんらしいポップなギャグやキュートでビザールなキャラクターを用いつつも凌辱的な描写を用いた漫画も描き始めます。
 

<上:BUSTER COMIC (ティーアイネット) 2010年3月号 P.179,右下:P.185,左下:2010年10月号 P.337>
 
決して厳密なモノではありませんが、成年漫画雑誌にはそれぞれのカラーが存在します。それは、読者の性癖と密接に結びついていて、そこから各雑誌毎の色が構築されていくものだと私は思うのです。
ですから、工藤洋先生が「BUSTER COMIC」の後期に描かれた作品と、現在双葉社で描かれている作品との間には、割とコントラストの効いた「差」が存在しているように思います。
メンズヤング」では凌辱描写を用いた作品は生まれえなかったし、そのまま「BUSTER COMIC」で連載を続けられていたら「Monotone Lover」のような作品は生まれえなかったのではないか…?
 
勿論、出版社の移籍や連載誌の変更には色々な事情が存在をしているのでしょうから、一概にどうこう言えることではありませんし、イチエロ漫画ファンが気軽に口を挟むべきことではないと重々承知をしているのですが、それでもこういった作家さんの作風の変遷や雑誌毎のカラーの変化を追掛け、ファンとして楽しむのも、様々な性癖が存在するエロ漫画の醍醐味・楽しみどころの一つではないかと思うのです。
 
で、自分なんかは「もしも、○○○○先生が××××で連載を持ったら…」とか「●●●●先生が、△△△△にやってきたら…」なんて考えるのが結構好きだったりします。
そして、そんな夢を叶えてくれる「Men's YOUNG SPECIAL雷」みたいなエロ漫画雑誌が大好きなのです。
 
 

■まとめ

大ファンである工藤先生の作品に加えて、掲載誌のおススメや、成年漫画雑誌の個人的な楽しみどころについて語らせていただきました。
自分はイチエロ漫画ファンなんで、色々なエロ漫画雑誌で色々なエロ漫画家さんの作品を読めるのが非常に楽しみだったりします。
「COMICメガストア新堂エル先生のお名前を、MUJINTYPE.90先生の作品を読めた今月なんて、「おぉっ!」って思っちゃいましたもん、やっぱり。
 
で、ラブコメに戻ってこられた工藤洋先生の新天地での活躍にも期待大! です。
あ、ちなみに「メンズヤング」系列の雑誌でも、工藤先生のパワフルな巨乳描写は健在なので、嬉しい限り。
  


 
「Monotone Lover」ではハートフルなストーリーと共に、お尻をおっぱいに例えるとかエロ描写もキレキレ(もう、おっぱいなんだかお尻なんだか!)で、エロ方面でも大変お世話になりました(笑)。
 
 
 
<関連エントリ>
■工藤洋先生の新刊「パイ×クラ」発売! 改めて、作品の魅力を自分なりに考えてみる
■エロ漫画で、極端な性の世界を覗いてみよう
 

<関連URL>
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