田崎竜太の「仮面ライダー×仮面ライダー オーズ&ダブル feat.スカル MOVIE大戦CORE」を観たった!

 

 
今回は、最近観た映画についてアレやコレやと書いてみたいと思います!
 

仮面ライダーW」のヒロイン、鳴海亜樹子と"仮面ライダーアクセル"照井竜との結婚式当日。本来ならば幸せの絶頂にいるハズの亜樹子だったが、自身を取り巻く特殊な環境から、「仮面ライダー」に対して少々ナーバスになっていた。
そんな中、亜樹子は謎の怪人に襲われ、彼女の父である"仮面ライダースカル"鳴海荘吉の過去を知ることとなる。
一方、その頃、「仮面ライダーオーズ」の世界では、鴻上ファウンデーションが「日本一の欲望を持つ男」織田信長のミイラから彼のクローンを作り出すことに成功する。止まることを知らない欲望を武器に、現代社会でのし上がっていく信長。そして、その信長と一度は交わりながらも対峙することになる"仮面ライダーオーズ"火野映司。
二つの「仮面ライダー」の世界で起きた別々の事件は、時間や空間を複雑に行き来しながら、やがて一つな巨大な事件へと発展していくのだった。

 
お正月映画だった劇場版仮面ライダーを、ボチボチ上映が終わり始めた1月中旬に、ようやく錦糸町の「TOHOシネマズ」にて。公開から、かなり日が経っているということで、以下かなりのネタバレを含んだ感想文です。
 
クウガから始まった平成ライダーの新シリーズの中でも、自分が特に大好きなのが「仮面ライダーカブト」と、この「仮面ライダーW」。そして、現在進行形でハマっているのが「仮面ライダーオーズ」…というわけで、Wとオーズ、大好きな二人のスターの共演に胸をワクワクさせながら観に行ったのですが…。
 
いや、これが何だか色々な意味で凄い映画でした!
 
タイトルは、Wとオーズの二枚看板が中心になっていますが、映画の前半戦であるWのストーリーは実質、吉川晃司演じる「仮面ライダースカル」が主人公。鳴海荘吉の若き日の姿が物語の主軸に置かれ描かれています。
その雰囲気やストーリー展開は、テレビ版の「W」の世界観をそのまま踏襲したものです。つまり、仮面ライダーを使って描かれるハードボイルド・ストーリー。この「大人」な雰囲気に、吉川晃司というキャストが本当にマッチングしていて、コチラは相当に楽しめました。
 
テレビ版の「仮面ライダーW」も、主人公の周辺人物に、なだぎ武やなすび、怪人役に我修院達也ラーメンズ片桐仁モロ師岡…と独特かつこだわりの効いたキャストセンスが光っていましたが、そういった人選のおもしろさは本作でも健在です。
渋くてカッコいいアダルトな雰囲気の主人公に吉川晃司、脇を固めるのが山本太郎、セクシーな女怪人役に着エロアイドルの、かでなれおん(また、この娘が妖艶で本当に素晴らしい!)、そしてネタ的なサブキャラクターとして、つぶやきシロー…と、スクリーンに登場する役者さんを見ているだけでも、かなり楽しめてしまいます。
 
で、一方の「仮面ライダーオーズ」の劇場版なんですが…。正直、これが結構な問題作です。いや、あくまで個人的な感想なんですけど…。
先ず、敵役となるキャラクターが「織田信長ホムンクルス」という設定からしてトバシ過ぎです。そして、映司やアンクといった「オーズ」の登場人物たちの言動や立ち位置もテレビ版に比べると微妙に違和感があり、一言で言って何だか変。
あくまで本作の中で描かれる「オーズ」の世界は、テレビ版とは違うパラレルワールドという一応のエクスキューズはあるんですが…。ちょっと、デティールが違い過ぎるんですよね…。
 
テレビ版に先駆けての第二のライダー「バース」の登場や、新たなるグリードの存在を匂わす描写…といった、テレビでのオリジナルのストーリーのイントロダクションとなるギミックも沢山仕掛けてあり、そういうのは確かにワクワクさせてくれるんですが、肝心要のシナリオがどうにも不安定過ぎる印象だったので、今一こちらのハートも乗り切れない、ドライブし切れないというか…。
そんなモヤモヤを抱えながら観ていたのですが、エンディングのクレジットを観て、この胸のモヤモヤの原因が一気に氷解しました。
 
本作の脚本を手掛けているのが、井上敏樹さんなんですよ。ライダーファンだったら、すぐにピンとくるでしょうが、井上敏樹といえば、そのナンセンス感覚溢れるギャグ描写と、パワフルな…悪く言えば細かいデティールや整合性を気にしないシナリオが持ち味の脚本家さん。
「555」や「カブト」のコメディ色の強いエピソードや、ナンセンス美少女ギャグアニメの決定版「ギャラクシー・エンジェル」の初期なんかも、この方の仕事です。
それを知った上で観てみると、この劇場版のオーズは井上敏樹らしい展開や描写の連続で結構楽しめるんですが、…今のところ、テレビ版のオーズのシナリオには参加をしていないんですよね…井上敏樹さん…。
 
なので、自分が感じたテレビ版との違和感も、その辺りの脚本家さんの違い、作風の違いっていうのがモロに出た結果だったのかな、と。
 
W(スカル)とオーズの共演、いち早く新しいキャラクターを登場させる、テレビとは異なる色を持った脚本家の投入…とエンタメ精神を盛り込んだ結果、ややまとまりがなく、チグハグな雰囲気を感じる映画という印象を受けてしまったのですが、それでも、こういうハチャメチャなパワーとブッ飛んだストーリーを持つ「仮面ライダー」を劇場のスクリーンで観れて良かったなぁ〜と。
いや、これってフォローでも何でもなく、凄く楽しい映画であることは確かなんですよ。最後のWとオーズの共演とか、もうキッズ魂全開でドキドキしちゃいましたし。
 
映画としての整合性を考えるならば、スカルだけで90分やるか、オーズの脚本はオリジナル・ストーリーと同じく小林靖子さんのシナリオで観たかったなぁ〜とは思うんですが、二大ライダーの共演というお祭り感覚を考えるならば、この映画は大いにアリだと自分は思います!
何だか、「W」と「オーズ」は思い入れが強すぎて、好き勝手なことを書いてしまいましたが、少なくとも本作に対してネガティヴな感情は一切持っていないです。チケット料金の1,800円はキッチリと楽しませてもらいましたし、何より、劇場の大きなスクリーンで観る仮面ライダーはやっぱりカッコ良かったんだもの!