トッド・フィリップスの「デュー・デート 〜出産まであと5日!史上最悪のアメリカ横断〜」を観てきたんだって!

 

 

妻の出産に立ち会うためアトランタからロスに向かおうとしたピーターは、空港で風変りな自称俳優の男、イーサンと出会う。
イーサンの下品で無神経な行動のせいで空港から搭乗拒否をくらい、更には財布を失くし…と散々な目に会うピーター。それでも、5日後に産まれる自分の子どもの為に、ピーターは渋々イーサンが運転する車に同乗し、男二人と犬一匹でアメリカ大陸を横断することにするのだった。
こうして、映画史上最悪のロード・ムーヴィー、最低のバディ・ムーヴィーが始まる…。

 
ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」の監督であるトッド・フィリップスの最新作。コチラも新宿武蔵野館で。本当におもしろい! 笑えるコメディ映画でした!
 
映画の内容を簡単に言うと、ロバート・ダウニー・Jrが大馬鹿野郎と出会ってしまったがために悲惨な目に会う映画です。
 
もうちょっと詳しく言うと、ロバート・ダウニー・Jrがトンデモない大馬鹿野郎と出会ってしまったがためにトンデモなく悲惨な目に会う映画です。
 
下品で馬鹿で最低で変なパーマを掛けているイーサン。「トリック・スター」と呼ぶには、その馬鹿さが加減が余りにも突き抜け過ぎているこの男が、スマートで知性派のピーターをひたすら振り回す…ただ、それだけの映画なのだけど、抜群過ぎるギャグのセンスとイーサンのキャラクターに、観ている間は何度も声を上げて笑ってしまいました。
ピーターとイーサンという二人の主役二人のキャラクター性の対比に加えて、ストーリーが進むごとに(勿論、全てイーサンのせいで!)ボロボロになっていくピーターと、ほとんど無傷のイーサンというビジュアルの対比も凄く良かった。最初は、パリッとスーツで決めていたロバート・ダウニー・Jrが、やがてストレスとダメージで心も身体もズタボロになっていく様は…悲惨だけど、抜群におもしろくて笑えます。そして、そんなピーターを、更に不幸のどん底へ引き込んでいくイーサン。しかも、全く悪意がないのが本当にタチが悪い! このコンビ、最高です!
 
もう、難しいことは何も考えずに、劇中でのイーサンの馬鹿っぷりとピーターの不幸っぷりだけで、90分間笑いっぱなしになれる映画。とはいえ、笑いだけではなく、もうすぐ父親になるピーターと父親を亡くしたイーサン…という対比を劇中に持ってくることで胸にグッとくる人情劇的な部分があったり、オフビートなコメディ感覚とは相反するド派手なカーアクションを見せ場に持って来たりと、とにかく観客を楽しませるエンターテイメント精神に満ち満ちた非常に贅沢な映画になっていたなぁ〜と。「デュー・デート」オススメの映画です!
 
ちなみに、この映画の監督であるトッド・フィリップスなんですが…アメリカの超過激ハードコアパンク・ミュージシャンGGアリンを追ったドキュメンタリー「全身ハードコア GGアリン」を撮った監督さんだったんですね。この感想エントリを書くために、webで調べて初めて知ったんですが、GGアリンから始まって、ロバート・ダウニー・Jrを主役にしてメジャーシーンでコメディを撮ってるって…ギャップがあり過ぎて、私、この監督さんに今興津々です。一体、どういうことなの?