オタクとヤンキーのイマジネーションは似ている! …という話

 

 
今回のエントリでは、最近、身の周りで起きた出来事をアレやコレやと思うがままに書いてみたいと思います!
 
うわっ! 今回、凄くBLOGっぽい!!
 
 

■職場に、オタクな新入社員さんがやって来た!

自分が働いている職場っていうのがですね、これがもう見事な位、超体育会系の職場なんですよ。えぇ。所謂"営業会社"ってヤツでして、しかも、動かしている商材がそこそこ高価なものな上にお給料が歩合制なもんで、つまりは営業さんは売れば売るほど自身の生活も潤うと。そういう訳で、自然とやる気に溢れたというか、根性やガッツがある人が集まってくるんです。ホントに小さな会社なんですけどね。
 
で、そういう職場に集う人って、やっぱり体育会系出身とか元ヤンキーとか、そういう人たちが多いんですよ。飲みの場では徹底的に飲むし、食べる量も違うし、その後の遊び方とかも文系出身の自分みたいな人間とは全然違う。朝、出社するじゃないですか。そしたら、徹夜で飲んで、そのまま会社に来た社員さんが椅子に座ったまま眠りこけていたり、朝から延々キャバクラの話をしてたりする。
 
何ていうか、そういう分かりやす過ぎる位、分かりやすい"体育会系"な職場なんですよ。僕から見たら、皆、プロレスラーみたい。
 
でも、皆さん優しいし、明るいし、これが結構楽しい職場なんです。昔から、プロレスとかパンクロックとか大好きで、そういう体育会系のノリに憧れがあった文系の自分からすると、凄い居心地が良くて。
 
そんな我が職場にですね。新しい社員さんが最近になって入ってきたんです。で、その人っていうのが、もう見た目からしてウチの職場にいる人たちとは雰囲気が違う…明らかに、"コッチ側"の人間なんですよ。こういうアニメとか漫画とかのBLOGをやっているようなね、そんな人間がシンパシーを感じるタイプの"コッチ側"の人間。
 
もう、そういうのって見た瞬間から通じ合うじゃないですか。「機動戦士ガンダム」でニュータイプ同士が近づいた瞬間みたいな、「ジョジョの奇妙な冒険」でスタンド使い同士が出会った瞬間みたいな。"キュピーン!"っていうか"ゴゴゴゴゴゴ…"みたいな、「お前もか!」っていう。
 
で、その人とは出会って5秒で親近感を覚えて、10分後には打ち解けて、お昼を一緒に食べる頃にはその人が「ギャラクシーエンジェル」の大ファンであることを聞き出すところまでいったんですけどね。「やっぱ、そうか!」ですよ。ちなみに、ミント派らしいです、その人。ええ。僕は、フォルテさん派なんですけどね、「GA」だと。
 
 

■オタクものが話す酒の席での武勇伝

そんな感じで一気に打ち解けたんで、その夜に仕事が終わった後に飲みに行くことになったんですね。まぁ、酒でも飲みながら親睦を深めるか、と。あと、「ラブひな」だったらどの女の娘が一番好きだったか話そうや、とかそんな感じで。
 
酒もいい感じに入ってきて、オタク話に花が咲きね。楽しい時間ですよ。でもね、相手がどんどんどんどん酒が入ってきたら、何かトンデモない方向に話が行き始めて…。
 
要約するとね…「俺は、ナイフで人を殺したことがある」とか、そんな話を始めたんですね。「その昔、海外で、ナイフで人を刺した」と「まぁ、アレは正当防衛ですけどね(笑)」みたいな。で、どうやったら簡単に人を殺せるかみたいな話を延々する訳ですよ。
 
でも、その話の中身っていうのが如何にも漫画っぽいというか、そのナイフで人を刺した話にしても、その話に出てくるキーワードだとかシチュエーションだとかが、物凄い「ひぐらしのなく頃に」とかその辺のセンスなんですよ。サンプリングの具合が。「アレ、俺、『ブラック・ラグーン』の二次創作を聞かされている?」って思う位、漫画っぽいわけ。とてつもなくオタク臭いバイオレンスなんですよ、その人の口から出てくるエピソードっていうのが。
 
正直、「はぁ…」って思いつつもね、でも、向こうもお酒が入ってるし、気持ち良さそうに喋っているし、変にツッコミを入れるのは、こういう場合は"粋"じゃないな、と。「は〜凄い体験してますね」とか、一応、相手が年上なのも考慮して、話を合わせて…。本当は、そういう話を聞くのはアンマリ気持ちの良いもんじゃないんだけど、「凄いっすね!」とか言うわけ。
 
でね、その人の話を聞きながら、どんどん酔いが醒めていって、冷静になっていく自分っていうのがあって…東中野の居酒屋で。「アレ、俺、こういう話をいっつもどこかで聞いてるな〜」とか思って、相手の話に「うん、うん」って相槌を打ちながら、ず〜っと考えていたんですね。で、思ったのがね、この手の"武勇伝"って職場の元ヤンキーだとか元チーマー出身の諸先輩方がいつも酒の席で話しているエピソードとかと一緒じゃないか! と思い当って。
 
 

■ヤンキーものが話す酒の席での武勇伝

冒頭に書いた通りですね、ウチの職場は元ヤンキーとか元チーマーが凄い多いんですよ。それでですね、そういう人達が酒の席で話す武勇伝ってのがあって、それっていうのは例えば「根城にしていた道玄坂のクラブに、ジャニーズタレントの○○○○がやって来て、調子の乗っていたからヤキを入れてやった」とか、まぁ、そういう類の話で…で、僕も「え〜!? それは流石に嘘でしょ!」って内心思いつつも、「え〜マジですか! 超カッコいいっすね!!」みたいな合いの手を入れちゃうんですよね。「いや〜僕、そんなんヤンキー漫画の中でしか見たことないですよ〜!!」とか。そしたら向こうも喜んでくれるし、コッチもそういう話を聞くのは嫌いじゃないし、まぁ、体育会系に憧れる文系ボンクラ男子としては。「『クローズ』みたいな話、本当にあるんスね!?」とか言っちゃって。
 
そしたら、向こうもね、「付き合ってた女が、敵対していたチームに拉致られて達磨(所謂、四肢切断。「実話マッドマックス」的な都市伝説の極みであります)にされそうになった」とかね、平気で言うんですよ。「幾ら何でも、それは嘘!!」って思うんですけど…。
 
で、前述したオタクものが話す武勇伝とヤンキーものが話す武勇伝。結局は、向いている方向がほとんど同じなんですよね。それって、つまりは"エログロ"っていう言葉に集約をされてしまうのかもしれないんですけど、イマジネーションが凄い近しいんですよ。それこそ、根底にあるのが「実話マッドマックス」か「ブラック・ラグーン」かっていうセンスとチョイスの違いだけで。
 
 

■オタクとヤンキーのセンスの距離感

オタクとヤンキーって、全然違うようで、やっぱり凄く近い存在なんだな〜って、こういう場面に出くわすと身を以て強く実感ですわけですよ。アレって何なんですかね?
 
酒の席とかで、自分を大きく見せようとして、本当は有りもしない"偽史"を語っちゃうことって、人間だったら誰しも多かれ少なかれあると思うんです。で、その中でオタクものとヤンキーものは、その"偽史"のスケールがメチャクチャにデカい! そして、そのセンスが物凄く相通じるものがあるというか、エログロとバイオレンスで向いている方向が一緒なんですよね。一見すると違うシーンにいる人種なんですけど、でも結局は一緒じゃん! っていう。あと、そこで、その"嘘"でコッチを騙そうとか何かを奪い取ってやろうとか、そういう悪意の無さも両者、同じなんですよね。
 
オタクとヤンキーのイマジネーションって凄く似てますよね。ホントに。何か、そういうのを非常に強く感じたので、諸々の雑感を込めて、ちょっと日記的に書き残してみました。
 
あ、あと、これは個人的な感想なんですけど、そういう"偽史"的な武勇伝の語り口って、オタクのそれよりもヤンキーのそれの方が圧倒的に上手いし、おもしろいと思った。何度も書いているように、自分がそういうヤンキー的、体育会系的なシーンに憧れているからかもしれないんですが、ヤンキーが話す武勇伝って、やっぱり聞いてておもしろいんですよ。アレも何なんだろうな〜。漫画とかアニメとかのフィクションに触れている時間が長いオタクものよりも、ヤンキーの語り口の方が文法的に優れているという…。