学生プロレスサミット2013の試合レポートがエヴァ最終回並にカオティック

 

 
Webでプロレスの記事を色々と見てまわっていたら、ちょっと面白いネタを見つけたのでエントリを簡易更新。
 
 

■学生によるアマチュア・プロレス…"学プロ"とは何か?

大学のプロレス研究会で行われている学生たちによるアマチュアのプロレス…"学生プロレス"。まぁ、冷静に考えたら"アマ"の"プロ"レスって何なんだろう…という話ではあるのですが、近年ではここから各プロレス団体でプロデビューを果たす選手も多数登場をしており、プロレスファンからの注目度も高い存在となっています。学プロをテーマにした佐藤隆太さん主演の「ガチ☆ボーイ」なんて映画もありましたね。ちなみに、本作の脚本家さんは後にタイガー&バニー」を手掛ける西田征史さんだったりします。
 
かつては、プロの世界からは白眼視をされていた学生プロレスも、団体の増加やプロレスのスタイルの多様化から昔に比べると随分とオープンなものに。現在では、プロレスの"聖地"後楽園ホールを貸し切っての大型の興行も行われています。
 
■学プロサミットのメインで、2・3年生コンビが4年生コンビに勝利し世代交代!熱戦の末にベッシンがアスカに勝利!(バトル・ニュース)
 
そんな学生プロレスラーにとっての夢の祭典、学プロの後楽園ホール興業学生プロレスサミット2013」の試合リポートを読んだのですが…これが想像以上にカオティックな内容だったので、ちょっとご紹介をしたいと思います。
 
 

■「ジョジョの奇妙な冒険」が唐突に登場

個人的にツボに入ったのがセミファイナルで行われたという、この一戦。
 

セミファイナルでは草プロレスなど、他団体にも積極的に参戦している帝京3年のタイガーベッドシーンが、潮吹の代わりに立命館4年の挿入アスカ乱プレーシングルマッチ

 
学プロをご存知ない方からすると、もうこの時点で意味不明かと思いますが、学プロの世界では有名プロレスラーや芸能人の名前を下ネタ方面にパロディーにしてリングネームにするという"伝統"のようなものがあります。
 
今では、某団体のチャンピオンクラスの選手としてプロレス界で確固たる地位を築いた某レスラーも、学プロ時代のリングネームは馳浩をもじった"ハメ浩"でしたし、こちらも学プロ出身者として知られるお笑い芸人のレイザーラモンRGは大学生の頃に、新崎人生をパロディーにした"チン先真性"のリングネームで関西学プロ界の実力派として君臨、チャンピオンにもなっています。
 
"タイガーベッドシーン"は、往年の名ヒール・レスラーである"タイガー・ジェット・シン"。そして、"挿入アスカ乱プレー"は新世紀エヴァンゲリオン"惣流・アスカ・ラングレー"をお下劣方向に亜流解釈したことによって生まれたリングネームなのでしょう。そして、この二人、ここからが凄い!
 

ジョジョの奇妙な冒険』のジョセフ・ジョースターをスタイルに組み込んでいるベッシンが、DIOの『世界〜ザ・ワールド〜』を技に組み込んでいるアスカと戦うというある種呼び合ったかと思われるカード。

 
…ゴメンなさい。全く意味が分かりません。
 
何故、プロレスの試合でいきなり「ジョジョの奇妙な冒険」の話が出てくるのか? 「ジョセフ・ジョースターをスタイルに組み込んでいる」とは何なのか? ジョナサン・ジョースターとか空条承太郎じゃダメなのか? 「DIOの『世界〜ザ・ワールド〜』を技に組み込んでいる」というのも謎です。やっぱり、パワーボムで投げられた後にナイフが飛んできたり、ラリアットの後にロードローラーで轢かれたりするのか? そんな謎だらけの二人の対戦を「ある種呼び合ったかと思われるカード」と表現する記者のセンスも凄まじいです。
 
 

■「瞬間、心、重ねて」「アスカ、来日」とは何か!?

そんな試合前から意味不明な対戦カード。試合内容は、更にカオティックです。
 

ベッシンの後頭部にエルボーを落としていったアスカは『瞬間、心、重ねて』を狙うが、抜け出たベッシンにアスカはスリーパーホールド。今度こそと『瞬間、心、重ねて』を狙ったがベッシンがそれを丸め込み連続で丸め込んでいくが全て2。ベッシンは再度スクールボーイで丸め込むが2。だが力づくでとめたアスカが『瞬間、心、重ねて』を決めるが2。
ここでコーナーに登ったアスカが『アスカ、来日』を投下するが、これを避けたベッシンが顔面ドロップキック。さらに火の鳥スプラッシュを放つが、ここで時を止めたアスカが『アスカ、来日』を投下。しかしベッシンは剣山で迎撃。そこから両者張り手合戦を展開。さらにアスカがバズソーキックから『アスカ、来日』を狙ったが、顔面にドロップキックを叩き込んだベッシンは雪崩式のフライングメイヤーで投げていく。続く火の鳥スプラッシュはかわされたが、すぐさまカサドーラで丸め込んで3カウント。下馬評を覆してベッシンが勝利した。

 
…私、結構長いことプロレスファンを続けていて、観戦歴も20年近くあるんですよ。今も、「週刊プロレス」を毎週購入していますし、プロレス関係の書籍も沢山読みました。"活字プロレス"なる文化も存在をしている程、活字、テキスト関係の文化圏との相性が良いプロレスというジャンルではありますが、ここまで試合の内容をイメージ出来ないリポートは初めてです!
 
先ず「瞬間、心、重ねて」とは一体どういう技なのか? その後に、続く「アスカ、来日」も意味不明。後者に至っては「コーナーに登った」「投下する」という言い回しから、恐らく飛び技であることが伝わりますが、技の全容が全く掴めない! やっぱり、モロに食らったらそのまま失神して医務室で「見知らぬ、天井」を見ることになるのでしょうか? あと、アスカ選手、「アスカ、来日」に固執し過ぎ!
 
終盤の試合展開も凄いですね。「ここで時を止めたアスカが『アスカ、来日』を投下。しかしベッシンは剣山で迎撃。」って、挿入アスカ乱プレー選手、時を止めれてねぇじゃん
 
学生プロレスって、私も何となくしかそのスタイルを知らなくて、「お笑い要素の強いインディー系のプロレスでしょ?」なんてタカをくくっていたのですが、どうやら私の想像以上にディープでマニアックな世界のようです。学プロ…深いぜ…。