アニメの背景の中で生き続ける渋谷のランドマークとしてのHMV

 

 
ここ数日で、革命機ヴァルヴレイヴ既存放映分を一気に観返していたんですが、個人的にちょっとおもしろい描写があったので、アレやコレやとエントリを簡易更新!
 
 

■「ヴァルヴレイヴ」に描かれた渋谷の街には…

「革命期ヴァルヴレイヴ」第5話「歌う咲森学園」で、主人公たちが通う学園が独立を果たしたことを描写するシーン。大人たちがいなくなった学校で、街頭で、或いはポルノ映画館で、それぞれの自由を謳歌する学生達の姿が描かれていましたが、その背景にセレクトをされていたのが渋谷のスクランブル交差点。
 
宇宙都市とはいえ、街中にSF的なガジェット、アイテムは余り登場せず、スーパーマーケットがあり、学校があり、映画館があり…と、我々が暮らす社会とほとんど変わらない描き方をされているのが、「ヴァルヴレイヴ」の都市描写。宇宙都市の背景を描く際に、その参考資料として実在の街…渋谷という大都会がチョイスされたのは個人的におもしろく感じたポイントでもあるんですが、ここではそこに描かれた一つの看板に注目をしてみたい。
 

 
かつて、渋谷のランドマークの一つ、象徴的なアイテムであったHMVの看板。著作権的な観点から、そのロゴは「HWV」とアニメ放送用にアジャストをされていますが、かつて、この街でタワーレコードと共に、音楽のメガストアとして君臨をしていた外資系レコードショップの雄、HMV渋谷店は「革命機ヴァルヴレイヴ」の世界で描かれた渋谷の街に依然として残っていた。
 
近年の音楽メディアにまつわる環境の変化、多様化から、HMVが経営規模の縮小を行い渋谷店がクローズドをされたのが2010年のこと。既に、渋谷の街からHMVの看板が消えて3年が経過しています。それでも、こうしてアニメの中でこの看板が描かれるというのは、やはり多くの人々にとって、この黒色で蛍光ピンクでカラーリングをされた巨大な看板が…渋谷という街の象徴としてイメージの中で残り続けているからではないかな、と思います。
 
 

■アニメの中で生き続けるHMV渋谷店


 
「革命期ヴァルヴレイヴ」と同じく、2010年以降のアニメ作品の中だと「K」も渋谷の街を劇中でフィーチャーしていたんですが、やはりその背景にHMVの看板を登場させていました。
 
■「K」のクラブ・フィーリングに満ちた音楽と渋谷の風景描写について
 
個人的にも、HMV渋谷店は田舎から出てきて初めて足を運んだ東京のレコードショップで、非常に思い出深いお店でした。ビルが丸々一つレコードショップで、延々、上まで続いていくエレベーター。各フロアで音楽ジャンルが分かれているという贅沢な作り。巨大な液晶モニターからは、常に最新の音楽情報やイベント情報が流れていて、その規模の巨大さは九州の田舎から出てきた音楽ファンである自分みたいな人間にとって本当にインパクトがありました。
 
そんなHMVが、渋谷のランドマークとして、実際の街からはその姿を消した後も、アニメの中で生き続けていること、皆のイメージの中でこの街の象徴として今も共有され続けていること…を非常に嬉しく思います。