「ハピネスチャージプリキュア!」のナマケルダさんに感情移入を出来過ぎてヤバい

 

 
今月から放送をスタートしたプリキュア新シリーズハピネスチャージプリキュア!がおもしろいです。
 
最初は、「正直ちょっと癖が強いかなぁ…」と思っていたキャラクターデザインも、第二話を観終わる頃にはすっかり慣れて非常に可愛らしく思えてきましたし、主役を務める中島愛さんと潘めぐみさんの"Wめぐみ"によるキャラクターと演技も素晴らしい。本シリーズの10周年というメモリアルを飾る記念碑的な作品ということで、毎回OPの歴代プリキュア達による挨拶も楽しいですしね。
 
そんな「ハピネスチャージプリキュア!」。基本的には、「人間的にも未熟で、プリキュアとしてダメダメながらもちょっとずつ成長をしていく」というキュアプリンセスこと白雪ひめに感情移入をして、「ひめちゃん頑張れ!」という割と正しい態度で物語を楽しんでいるのですが、そういうメインの部分とは別に気になってしょうがないのが敵役のナマケルダさんの存在。もう、この人が気になって気になって仕方がない! ということで、今回のエントリではその辺りについてアレやコレやと書いてみたいと思います!
 
 

■ナマケルダさんが気になって仕方がない!

プリキュアの敵である悪の組織、幻影帝国。その幹部が一人、ナマケルダ。この人(ま、人かどうかも現時点では未だよく分かりませんが…)が敵ながらどうにもこうにも良い味を出している。というのが、このナマケルダ。どうしょうもない怠け者というキャラクターなんです。
 

 
その怠け者っぷりたるや、悪の幹部でありながら仕事(つまりは、社会に対する破壊、侵略行為)の真っ最中に堂々とサボるは、上司の命令は無視するは、怠惰な精神をジックリと濃厚に煮詰めたかの如き徹底したもの。「帰ってきたウルトラマン」に登場をしたなまけ怪獣ヤメタランスも裸足で逃げ出すレベルです。もう、ここまで怠けられると逆に潔さと清々しさすら感じます。
 
確かに、「怠ける」とか「サボる」という行為、精神は、現代社会では悪しき行為と見做されることが多いものです。逆に「努力」や「頑張り」は美徳とされる。だから、怠け者のナマケルダさんが正義のヒロインであるプリキュアの前に立ちはだかる敵役として登場するというのは、これは子ども達が観るアニメとして凄くフィットしていると思います。
自分だって、「プリキュア」シリーズのメインのファン層である子ども達には、ナマケルダよりはプリキュアみたいに育って欲しいなと思いますもの。大きくなると、努力とか頑張りではどうしょうもない現実と対峙することも多くなります(というか、真剣にそんなんばっか!)が、その日が来るまではせめて真っ直ぐな気持ちで毎日を送って欲しいな、と。
 
そうは、思いつつも、一方で実社会に出て毎日働きながらこんなBLOGを書いたりしている"大きなお友達"としては、ナマケルダさんに対してどうしょうもない共感というか、感情移入をしてしまう部分もあります。だって、怠けるのってメチャクチャ楽だし楽しいじゃないですか!
 
 

■"大きなお友達"なら思わず感情移入をしてしまうナマケルダさん

大人になると色々と大変な事もあるわけで、そういう毎日を送っているとそれこそナマケルダさんみたいな生活を送りたくなること、働いている人なら少なからず誰しもがあると思います。
 
そりゃ、出来ることなら仕事もしないで昼間からビールとか飲んでいたいし、ず〜っと布団の中で寝ていたい。何で、それをやらないかといったら"生活"があるからに他ならないわけで、自分なんて人間の中でも特に努力とか頑張るっていうのが苦手で嫌いなものですから、ナマケルダさんのあの怠け者としての精神を初志貫徹した生き様っていうのがちょっと羨ましくもある
 

 
で、また、ナマケルダさんの言い分っていうのが敵ながらも割りと正当性があるというか、納得できる部分もあるんですよ、純粋な眼差しでプリキュアを応援している子ども達と違って、薄汚れて疲れきった大人の自分には。「人付き合いなんて面倒くさいだけ」とか「やるべき仕事をサボって怠けるのは最高の贅沢」とか、あと「立派な人間がいるから怠け者が白い目で見られる」とかね。…若干、「この人の人生、一体何があったんだ…?」とナマケルダさんの仄暗い心の闇と哀しいバックボーンを感じさせる部分もありますが、極論とはいえど「…確かに、そうだな…」と思わせてくれる所もあるんですよね。こう、ダメ人間の言い分というか。
 
何かですね、そういう意味でも自分みたいな人間なんかは物凄い感情移入出来る敵役なんです、ナマケルダさんって。冒頭にも書いたように、「ハピネスチャージプリキュア!」は、ひめが凄い好きなキャラクターなんですが、ナマケルダさんも今のところ同じくらいに好き。敵なのに。ダメ人間なのに。
 

 
あと、ナマケルダさんってキャラクターデザインも秀逸だと思います。触覚の付いたシルクハットに、緑色のコート…ということで、恐らくデザインやカラーリングのモチーフは「アリとキリギリス」のキリギリスじゃないかと思うんですが、その辺のアイデアもおもしろいし、顔は整っていてそんなに年食っている様にも見えないのに「〜ですぞ」とか達観した物言いで喋るところとかも良い。特に、あのある種の諦念みたいなものを感じさせてくれるセリフ回しは素晴らしいですね。「何か、この人の人生、色々と辛いこととかあったんだろうな〜」とか「色々と諦めなきゃいけないこともあったんだろうなぁ…」とか勝手なイマジネーションを刺激されて、益々ナマケルダさんのことが好きになってきています。
 
 

■まとめ

そんなこんなで、何だか気になってしょうがないし、これまた何だか好きなキャラクターであるナマケルダさん。主人公であるプリキュアだけでなく、敵役もどこか愛嬌のある、愛せるキャラクターの多いプリキュアシリーズではありますが、そこにまた一人良いキャラが加わったな〜と思います。「フレッシュプリキュア!」のウェスターとかも大好きだったなぁ〜。