テレビアニメ「せんせいのお時間」から10年






最近感じたよしなし事な情感でエントリを簡易更新。




■「せんせいのお時間」から早10年…

最近、心の底からビックリしたことがある。テレビアニメせんせいのお時間の放送から10年の歳月が経っているという事実に気が付いてしまったのだ。嘘だろ? まるで冗談みたいな話である。


せんせいのお時間」がテレビ東京系列で放映をされていたのが2004年の4月から6月までの間だから、まさに放送期間現在の10年前。本作はちょうど"10周年"にあたり、「サムライチャンプルー」「ニニンがシノブ伝」「砂ぼうず」「BECK」「美鳥の日々」なんかが"同級生"。「ふたりはプリキュア」や「ケロロ軍曹」といった現在も放送中、続編が制作されている人気作品が放送をスタートしたのもこの年だ。


「十年一昔」なんて言うけれど、まったく実感がない。「せんせいのお時間」をやっていたのなんて、5年前とかそこらの気がしていたのだけれど、実際はその体感時間の倍以上の時間が過ぎていたわけだ。一方で、やはり"10年"というのは長い時の経過を感じさせるのに調度良い時間なのだろう。自分にとっては、それが昨日でも、半月前でも一ヶ月前でも、或いは半年、1年…という期間であっても、過去は過去であり、等しく価値のあるものだと思っている。ただ、5年、10年、15年、20年、25年で四半世紀…5年という単位で一つの区切りを感じるのは、極めて人間的な情感でもあるなとも思う。


それにしても、「せんせいのお時間」から既に10年…という事実には、本当に愕然とする。そして、自分の中で同じく2004年に放映をされたアニメ作品群の中でも、群を抜いて本作に長い時の流れを感じてしまうのは、やはり個人的な思い入れがひとしおだからなのだろう。




■「せんせいのお時間」への思い入れ

個人的にも「せんせいのお時間」は好きな作品だ。所謂"萌え四コマ"を原作にしたアニメ作品で、原作のネタを羅列したショートコント的な構成や季節や月を話数事に分けて、学校生活での定番行事をエピソードに盛り込む手法は現在の「きらら」系列の作品に通じるスタンダードのプロトタイプ的な感じもするし、原作(特に連載初期)のストレートなシモネタを抑え気味にし、のんびりとリラックスして見ることが出来る日常系コメディに仕上がっているのも良い。本作を手掛けた監督は岩崎良明氏。何気に多作な監督さんだけれども、個人的にはこの「せんせいのお時間」と「我が家のお稲荷さま。」が、最も好みで監督の作風を感じられる岩崎作品だ。





それから、何といっても本作に対してはOPとEDの思い入れが何よりも大きい。can/gooが歌う「教えてあげる」はバンドサウンドのアニメ主題歌として今もフェイバリットな名曲だし、2000年代初頭のアニメソングは打ち込みによる作曲、演奏の楽曲が多かったから、「教えてあげる」のパンキッシュなビート感は非常に新鮮だったと記憶をしている。今でこそ、アニソンをメインに歌う"アニソンバンド"は沢山存在しているけれど、この頃はメンバーにキチンとドラムとベースがいる、"バンド然"としたアニソングループの存在はまだまだ珍しかったように思う。





OPも素晴らしいが、EDも良い。80年代のテクノポップバンド、TOM★CATのヒット曲「ふられ気分でRock'n' Roll」のカヴァーで、歌うはスターチャイルド声優アイドルユニット、DROPS。自分が大ファンである白石涼子さんが在籍をしていたユニットで、DROPSへの思い入れというのもこれまた尽きない。


■2012年の恋のアメリカン・フットボール - 声優アイドルユニットDROPSを再考してみる


当時は"若手"だったメンバーも声優としてのキャリアをそれぞれに積まれ、結婚も経験し…と、DROPSメンバーの"その後"にも、10年という時の流れを感じる。ちなみに、「せんせいのお時間」と同じ2004年にDROPSは実質上の活動停止に。2014年は、DROPSの一先ずの最終回からの10年でもあるのだ。


can/gooも一度活動停止をするも、後に活動再開。昨年からは、白石涼子さんとのユニット、"かんぐぅりょっち"としての活動もスタートさせ、今年も何本かのライヴが既に決定をしている。この辺りも、一つの区切り…「せんせいのお時間」というアニメからの10年という流れを感じさせるトピックで、何だか自分なんかは妙な感慨に耽ってしまうのだ。