改めて声を大にして言いたい! 『GUILTY GEAR』はヘヴィメタル!!






今、凄く気になっているゲームがコンシューマ版のGUILTY GEAR Xrd -SIGN-』だ。というのが、このコンシューマ版から追加をされるエルフェルトというキャラクターが大変に可愛い(くて、おっぱいが大きい)んである。





これは、個人的に非常に気になるニュース。可愛らしい外見に加えて、武器はライフルとショットガン。格闘ゲームでありながら、まるで、FPSで遊んでいるかの様な操作感を楽しめるキャラクター……なんだそうだ。


アーケード版の『GUILTY GEAR X』に"ハマり"、大ファンだった本シリーズ。ここしばらくは、チェックを怠っていたものの、この最新作の家庭用移植版は是非とも遊んでみたい。


ところで、格ゲー界の人気シリーズであるGUILTY GEAR(最新作まで、随分とリリースは開いてしまったが)だけれども、その革新的なゲーム性と並んで、自分に大きな衝撃を与えてくれたのが、ゲーム中に溢れまくるヘヴィメタル愛と、ゲーム内の至る所に詰め込まれたヘヴィメタル要素だ。そこで、今回のエントリでは、『GUILTY GEAR』とヘヴィメタルについてアレやコレやと書いてみたいと思う。




ヘヴィメタルからの引用とそこから生まれるカタログとしての魅力

GUILTY GEAR』はヘヴィメタル的なキーワードやアイテムに満ちたゲームである……いや、最早『GUILTY GEAR』そのものがヘヴィメタルであると言っても決して過言ではないだろう。例えば、キャラクターや劇中のアイテム、技名にヘヴィメタルバンドの名前をオマージュするセンス。


ヘヴィメタル保守本流の一つであるHelloweenの中心メンバーの名前を組み合わせたカイ=キスク。ヒロインであるミリア=レイジの名前は恐らくドツのヘヴィメタルバンド、RAGEから。彼女が使う必殺技はIron SaviorSilent ForcePretty MaidsWINGER、それから超王道のIron Maidenと、これまたヘヴィメタル尽くしだ。


<VENOM / Witching Hour>



こうしたメジャーどころのバンドだけではなく、『GUILTY GEAR』というゲームは、アンダーグラウンドでマニアックなバンドからも名前を度々引用している。スラッシュメタルの始祖の一つとも言われるイギリスのスピードメタルバンド、RAVEN、様々なエクストリームメタルバンドに影響を与え、アルバムタイトルが"ブラックメタル"というサブジャンルすら生み出した不世出(かつ不遇)の凶悪鋼鉄軍団、VENOMスラッシュメタルからはTESTAMENTSLAYER。こういったバンドが、そのままゲームに登場をするキャラクターの名前になっており、主人公であるソル=バッドガの超必殺技にはエクストリームメタルの帝王、Napalm Deathが御名がガツンとくる。


<TESTAMENT / More Than Meets The Eye>



Napalm Death / The Wolf I Feed>



NWOBHM、パワーメタル、スピードメタル、スラッシュメタルデスメタル、グラムメタル、グラインドコア……ありとあらゆるヘヴィメタルが揃い踏みをした『GUILTY GEAR』は、いわばゲーム界のメタル・ブレイド・レコーズだ。果たして、ベイエリアスラッシュのTESTAMENTからキャラクターの名前を借りてきたところで、一体どれだけのゲーマーがその趣旨を汲み取れるのだろうか? この辺の"万人に理解されなくとも、己を美学を貫くのだ"というアティチュードなんかも、如何にもヘヴィメタルっぽいなと思う。


貪欲に音楽的要素を取り込んでいく『GUITY GEAR』シリーズだから、蔵土縁紗夢とかアバが出てきて、「何故に、唐突にスウェディッシュ・ポップのCloudberry Jam……?」「何故、今、ABBA……。何故、"Dancing Queen"……?」と困惑することもあった(ちなみに、紗夢は持ちキャラの一人。烏龍茶の空き缶を使った髪留めは今観返しても斬新!)が、『GUITY GEAR』はヘヴィメタルを学んでいく上で教科書的な役割としても優秀だった。この辺は、『ジョジョの奇妙な冒険』なんかと同じで、劇中に引用されたバンド名がそのままカタログになるのだ。果たして、学生だった頃の自分は、『GUITY GEAR』からVENOMやDARK ANGELを知ったのだ。




ヘヴィメタルを体現する音楽たち

勿論、"『GUILTY GEAR』はヘヴィメタルである"という自分の言説は、こうしたトリビアルな元ネタ引用のみに端を発しているわけではない。何と言っても、先ずはそのBGM。メロディックスピードメタル……所謂"メロスピ"を中心にしたステージ音楽……"クサくて""速くて""激しい"音楽の数々は、ハイスパートバトルなゲームの戦闘システムと相まって、直情的に耳とハートにクル。こんな格ゲー、他にはない。


ちなみに、現在のところシリーズの最新作である『GUILTY GEAR Xrd -SIGN-』で主題歌を歌っているのは何とOUTRAGE橋本直樹氏。日本のスラッシュメタルバンドシーンでトップに君臨し続ける大御所バンドのヴォーカリストを起用するなんて、『GUILTY GEAR』でしか出来得ないだろう。


橋本直樹 / HEAVY DAY>



……まぁ、『GUILTY GEAR』はカッコ良い"燃え"と同じ位、"萌え"方面にも画期的な作品だったので、そんなゲームの主題歌を橋本直樹が歌っているのは、OUTRAGEファンである自分としては未だに驚きと違和感が永続的に続いているのではあるが、それはそれとして!




ヘヴィメタルをカッコ良くアレンジしてみせたビジュアルと過剰さ

音楽面と同じく『GUILTY GEAR』をヘヴィメタルたらしめているのが、そのビジュアルだろう。それまでの空手、ムエタイ、中国拳法……といった実在の格闘技による"異種格闘技戦"的な格闘ゲームのコンセプトを脱し、独創的な武器の数々によるファンタジックな武器バトルという世界観、そして、斬新なビジュアルの登場人物達、その時々で2Dの限界に挑むかの様な高密度の背景画にド派手な技の演出……と、GUILTY GEAR』は常に過剰でボリューム感に溢れすぎた格ゲーだった。エンターテインメント溢れまくりの"過剰さ"。まさにヘヴィメタルの精神性そのものだ。


各キャラクターのビジュアルもイカしている。特に、Guns N' Rosesのハイパー我儘ヴォーカリストアクセル・ローズから名前とビジュアルを拝借した英国の鎖鎌使い、アクセル=ロウのカッコ良さといったらどうだろう? バンダナに袖をカットしたジージャン。まさに、"ヘヴィメタル"(というか、Guns N' Roses)のイメージそのものじゃないか!


<Guns N' Roses / Welcome To The Jungle



80年代の半ばから90年代の初頭にかけて、ヘヴィメタルは、ロックミュージック、音楽シーンを席巻するも、その華美で過剰なサウンドと世界観が後続のバンドの反発を招き、グランジムーヴメントを生み出した。それまでヘヴィメタルが有していた装飾性や過剰性を拒否するかの様なグランジ系バンドのサウンドと精神性は、それはそれで素晴らしいものだったが、その旗手であるNIRVANAの悲劇的な終焉と虚無的な世界観は、"ロック"という表現そのものを一度焼き尽くし、ヘヴィメタルに拭い切れない大きなマイナスイメージを与えたハズだ。


自分なんかは、"NIRVANA以降のロックファン"だから、若い頃は余りヘヴィメタルに良いイメージを抱いていなかった。ヘヴィメタルとは前近代的で、ハッキリといってしまえば"ダサい"、ファッションセンスなんかチョー最悪でイケてない……そんな音楽ジャンルだと思っていた。


そんな自分の中でのヘヴィメタルのイメージを大きく覆すのに、大きな転機となったのが『GUITY GEAR』シリーズとの出会いだ。キャラクターも世界観もゲームシステムもストーリーも音楽も、ひたすらに過剰で全力で大袈裟で、だけどどこかクールで、それは総括してしまえば……ただただ"カッコ良い"。このカッコ良さを"中二病"と評する人とは、自分は一生分かり合えないのではないかと思う。"中二病"ではない"ヘヴィメタル"だ!


自分が今、ヘヴィメタルのファンであり続けているのは、流石に『GUILTY GEAR』が全てだったとは言わないが、パーセンテージとしては非常に大きいと思う。自分にとって、やはり『GUILTY GEAR』はヘヴィメタルなのだ。




■まとめ

初めて触れた時、その斬新なコンセプトに大きな衝撃を受けた『GUILTY GEAR』。正直、マイナーチェンジを繰り返すシリーズ展開に疲れてしまい、長いこと離れてしまっていたのだけれど、エルフェルトちゃんが余りにも可愛い(のと、おっぱいがデカい)ので年末に出るコンシューマ版の『GUILTY GEAR Xrd -SIGN-』は購入をしようと今から決意をしている。


……しかし、ちょっと気になるのが最近のアークシステムワークスのネーミングセンス。『GUILTY GEAR』の後続であるBLAZBLUE以降、ストレートなヘヴィメタルの引用が減ってしまっている気がするのだ。


GUILTY GEAR Xrd -SIGN-』からの新キャラにしても、ベッドマンラムレザル=ヴァレンタイン、エルフェルトちゃん……と、こう以前のTESTAMENTとかVENOMからキャラの名前を持ってくる様なエキセントリックなエネルギーが減少傾向にある気がする(もしかしたら、いずれのキャラクターも自分が知らない様なマニアックなメタルから名前を取っているのかも……だが)。どうせなら、セルティック=フロストとかオビチュアリーとか、そういう名前にして欲しかった気もする。


……というわけで、エルフェルトちゃんの名前がこんなんだったら良かったのにな! というホーリーネームを自分なりに考えてみた。命名!!





ビル・スティアー子!


<CARCASS / 人間消費不適格>



CARCASS(と、初期Napalm DeathFirebird)最高!!






<関連エントリ>
■30歳前後のヘヴィメタルファンに影響を与えたであろうアニメ、漫画作品