『俺、ツインテールになります。』エロゲー描写のこだわり具合とおもしろさと






俺、ツインテールになります。第四話<激烈ツインバトル!>を観ました。


第四話にして、ドラグギルディを撃破し、ストーリー的にも作画の気合の入り方的にも、最初のクライマックス……といった趣のエピソード。おふざけと誠実さ、バカと熱さ、ユーモアとシリアス、邪道と王道……というアンビバレンツな魅力が入り交じるストーリーで、それらを多少強引でも"王道のヒーローもの"へとまとめ上げる技量とパワーには感心。<激烈ツインバトル!>、素晴らしかったです。


ところで、このエピソードの中で気になったポイントが。今回のエントリで、ちょっとアレやコレやと書いてみたいと思います。




■劇中に登場をしたエロゲー作画監督は……

<激烈ツインバトル!>では、劇中にエロゲーが登場をするシーンがあります。"ナース服属性の申し子""神童"と呼ばれる程のナース服フェチであるスワンギルディが所有するPCにインストールされ、発売日に全攻略をしてハーレムエンドを開放していた……というエロゲー『イケないっ!! ナースエンジェル』





このエロゲー、エンディングのクレジットを観るとちゃんと作画監督がついているんです。この一連のエロゲーの場面、作監としてクレジットをされているのは、本作でキャラクターデザインやオープニングの作監を務める森田和明さん。わざわざ作監を設けて、エンディングに表記をする位、こだわって作っているんだな……という話なんですが、おもしろいのが、このナースもののエロゲーを森田さんがリーダーシップをとって作っているということ。




森田和明さんが作ったエロゲーといえば!

というのが、アニメのお仕事にも多数参加をされている森田さん。かつては、エロゲーのデザインや作画のお仕事も数多く手掛けられていました(というか、そちらが森田さんの原点)。そんな森田さんの代表作といえば、やっぱりコレ! 『夜勤病棟』シリーズですね。





ある特定の世代の人間ならば、例え、プレイはしたことは無くても、そのタイトルを一度は耳にしたことがあるであろう大ヒット作『夜勤病棟』。鬼畜医師が赴任先の病院で、看護師達に陵辱の限りを尽くす……というハードな内容で、PCゲームのシリーズ化だけでなく、OVA、官能小説、実写化AV、脱衣麻雀ゲー、更にはパチスロ……と、あらゆるアダルトジャンルで"メディアミックス"されて展開された名作です。


その『夜勤病棟』を生み出した森田さんが、『俺、ツインテールになります。』では、ナースもののエロゲー、劇中劇ならぬ"劇中エロゲー"の作監を手掛けているというおもしろさ。この辺は、原作小説との奇跡的なマッチングもあったのかもしれませんが、スタッフさんとしてもあの『夜勤病棟』の森田さんがいるのだから、ナースものエロゲーの絵は森田さんに任せてしまおう! ……という遊び心が生まれたのではないかと邪推をしてみたり。


いずれにせよ、森田さんの『夜勤病棟』でのお仕事を知っている人なら、思わずニヤリとしてしまったであろうワンシークエンスでした。山根まさひろさんを主要作画スタッフに招くセンスといい、高梨康治さんの音楽といい、製作者さんの持ち味があちこちに出ている『俺、ツインテールになります。』。色々なところに注目を出来るし、語り甲斐のある作品ではないかと思います。