Motley Crueの"回転ドラマー"トミー・リーと『けいおん!』
先日、さいたまスーパーアリーナで行われたMotley Crueの日本公演を観てきました。
で、そこでアニメファン的にちょっと気になったトピックがあったので、本当にしょーもない話なんですが、アレやコレやと書いてみたいと思います!
■本当の本当に楽しかったモトリー解散ツアー
ヴィンス・ニール、ニッキー・シックス、トミー・リー、ミック・マーズ……稀代のロクデナシロッカー4人による超グラマラスでデンジャラスで下品で粗暴で、でも、ポップで優れたソングライティングのセンスを持ったグレートなヘヴィメタルバンド、Motley Crue。
そんなモトリーのラストツアーとなる解散ツアー、その日本公演が行われ、自分はさいたま公演2デイズの二日目を観てきました。
さいたまスーパーアリーナは超満員。観客も熱狂的にメンバーを迎え入れ、とにもかくにもエキサイティングな雰囲気。バンド側も"Wild Side"に"Too Fast For Love"、"Dr. Feelgood"に"Live Wire"と、超満員の観客の「この曲を聴きたい!」に見事に答える、名曲連発のベスト盤的なセットリストで大興奮。
ラストは、"Girls,Girls,Girls"からの"Kickstart My Heart"という、バッド・ボーイズ・ロックのアティチュードをどの楽曲よりも体現するアグレッシヴでワイルドなメタルナンバー二連発で締めて、アンコールはバラードの"Home Sweet Home"を。
<Motley Crue / Home Sweet Home>
楽し過ぎてあっという間に二時間が経過し、モトリーの最後の関東公演は終了。ヴィンスさんの甲高い声も、ニッキーさんのお化粧も、ミックさんの猫背も、トミーさんのサービス精神過剰なドラミングも、これで見納めかと思うと一抹の寂しさはあれど、本当に本当に楽しく大満足なコンサート。
アンコール前の本編の最後に、ドラムスティックをサッカーボールのように蹴り飛ばして観客席に投げ込んだトミーさんの姿を観て、「ロックスター!」と思う。
あと、おもしろかったのが、ニッキーさんが途中でMCを入れ、写真撮影をしてもOKだよと太っ腹な発言を。そして、それをtwitterにどんどんアップしてくれと、意外とハイテクなことを仰るニッキーさん。80年代バッドボーイロックの元祖も、今ではSNSを活用しているのだと思うと、物凄い隔世の感。
そんなニッキーさんは、わざわざ通訳の方を用意してまで、我々日本人に最後のメッセージを。曰く、「日本のことが大好きだ」「初めてこの国に来てからずっと暖かく迎え入れてくれて、本当に感謝をしている」と、嬉しいことを言ってくださる。
ニッキーさんは、続けて「これは最後のツアーだが、俺たちの曲は残り続けるし、皆の記憶に残る」「だから、これは終わりじゃないんだ! 俺たちの曲は永遠なんだ!!」と感動的なマイク。流石は、ドラッグ中毒になったりとか、鬱病になったりとか、でも、そこから立ち直ったりとか、人生の酸いも甘いも噛み分けたニッキーさん。ニッキーさんは、人間的にはハチャメチャな人だが、たまには良いことを言う。
が、「モトリーの曲は永遠だ!」と宣言した直後にバンドがやった曲は、Sex Pistolsのカヴァー"Anarchy In The UK"。それは、貴方たちの曲ではない。
ベスト盤に収録されている名カヴァーだが、あのMCの後には自分たちの曲をやるべきではないだろうか? そんなトコも含めて、最高のステージ。素晴らしかった。
■トミー・リーと律と回転ドラム
しかし、そのモトリーのライヴで、もう気になっちゃって気になっちゃって、気になっちゃって気になっちゃって仕方がないことが一つだけ。それは、トミーさんのドラムセットに背後にレイアウトされた銅鑼のような超巨大なゴングドラム(?)に、デカデカと書かれた「律」という漢字一文字。
帰宅後も、もう気になっちゃって気になっちゃって、気になっちゃって気になっちゃって仕方がなかったので調べてみたら、「律」という字は中国だと"リー"という読みになるらしく、トミーさんはこの漢字がお気に入りでタトゥーとして身体にも彫っているとかなんとか。
しかし、そうは言われても、アニメファン的にはドラムで「律」ときたら、完全に『けいおん!』の田井中律の熱狂的なファンにか見えず。
まさか、トミーさんを始めとするモトリーのメンバーが『けいおん!』ファンだなんてことはありえないだろうから、完全に偶然の一致、シンクロニシティなのだろうけれど、ドラムセットに「律」って、コレはアニメファンならば100%『けいおん!』を連想するハズ。
元プレイメイトのパメラ・アンダーソン(・リー)と結婚するも、彼女へのDV発覚からの逮捕、収監、離婚、そしてモトリー脱退と、トミーさんに「あんたが一番、自分の人生を律して生きれてねぇじゃねぇか!」とツッコミを入れたくなる程のミスマッチ感も味か。
そんな「律」の字で繋がるトミーさんと『けいおん!』。Motley Crueと放課後ティータイム。個人的におもしろかったのが、両者のドラミングが"回転"をキーワードに、これまた偶然にも繋がっていること。
アルバム『Girls,Girls,Girls』リリース後のツアーで開発され、その後、バンドの代名詞にもなったトミーさんの回転ドラム。椅子に固定されたトミーさんがドラムセットごと中に浮いて、そのまま縦回転でクルクル回りながらドラムを叩き続けるというド派手なパフォーマンス。
<Motley Crue / Wild Side>
"Wild Side"のPVでもフィーチャーされ、モトリーの人気が世界的なものとなり、バンドがモンスター化していくのに比例して、どんどん進化を遂げていった回転ドラムだけれど、そういえば、『けいおん!!』のオープニングでも、律っちゃんは回転するカメラの前でドラムを叩いていたじゃないかと。京都アニメーションお得意の"回転"の動きと"ドラム"という二つのキーワード、更に、今回の"律"で結び付けて語りたくなるモトリーと『けいおん!』。
まさか、かきふらい先生や京都アニメーションが律のドラミングを描くのにトミーさんの回転パフォーマンスを参考にしたなんてことは絶対にありえないでしょうが、なんとも味わい深いシンクロニシティ。
■最後に
モトリーのライヴを観た素晴らしい余韻に浸りつつ、駄文でしかない勝手な意見をアレやコレやと。いや〜しかし……インパクト大でした「律」……。
<Motley Crue / Kickstart My Heart>