石膏なのに、やっぱり、テクノでEDMなアニメだった『石膏ボーイズ』






先日、大団円な最終回を迎えたアニメ『石膏ボーイズ』。今回のエントリでは、その音楽についてアレやコレやと書いてみたいと思います!




■音楽がEDMな『石膏ボーイズ




石膏像がアイドルグループを結成するというナンセンスなギャグアニメなのに、エンディング曲は凄まじくカッコ良いテクノ・ミュージックでお馴染みのアニメ『石膏ボーイズ』。


メディアファクトリー内で、音楽ディレクターを務め、ロック、クラブ系のサブレーベルを運営している寿福知之さんが音楽プロデューサーとして作品に参加していることもあってか、シュールなコメディドラマにも関わらず劇中では、本格派のテクノが使用されています。


しかも、そのサウンドは、現在"EDM"(=Electronic Dance Music)と呼ばれ、世界中で大流行を起こしている一連の音楽を思わせるアッパーで現代的なもの。


EDMと石膏という不条理な組み合わせが、更にコメディドラマとしての笑いの破壊力をパワーアップさせているわけですが、とはいえ、それらはあくまでアニメを形作る構成要素の一つであり、それらの先鋭的な音楽的試みに対して大きく言及されることはありませんでした。




■超有名EDMアーティストもパロディに!

しかし、第10話『泣く女』では、急激にそうした音楽面に対してのクローズアップが行われます。


このエピソードは、石膏ボーイズの音楽に新たなプロデューサーを招き入れ、更なる飛躍とサウンド面での充実を図るべく、マネージャーの石本美希さんが孤軍奮闘する(そして、最終的にキレる)……という内容なのですが、劇中には唐突にこんな人物も出てきます。





世界的な超売れっ子音楽プロデューサーのAbciiさんだそうです。


元ネタは、スウェーデンの音楽プロデューサー兼DJのAvicii(アヴィーチー)ですね。





Aviciiといえば、世界中で大ヒットしたモンスターアルバム『True』で知られ、EDMシーンで最も高い人気を誇るミュージシャン。度重なる来日ドタキャンのニュースなどで話題に事欠かず、ここ日本でも知名度の高いEDMクリエイターです。


<Avicii / Wake Me Up>



自分は80年代の"テクノポップ"が大好きで、正直、90年代移行の"テクノ"や、それこそ現在進行形の"EDM"には疎い(ポップスとしてのテクノには詳しくても、クラブ・ミュージックとしてのテクノは全然知らないタイプ)のですが、そんな自分でもAviciiの名前は知ってますからね。


そんなEDMシーンのトップどころをパロディキャラとして登場させた『石膏ボーイズ』。


このAbciiの登場以外にも、劇中の台詞でハッキリと「EDM」というキーワードが出てきたり、やはり、本作はEDMを意識して制作されていたことが、このエピソードではハッキリと強調されています。




■最後に

終盤にきて、その音楽面がフォーカスされた『石膏ボーイズ』。個人的には、電子音楽を"テクノ"ではなく、"EDM"と呼ぶアニメが出てきたことに時代の流れを感じます。


大流行中のクラブ・ミュージックのスタイルも取り込んだ『石膏ボーイズ』ですが、Aviciiのパロディなんて音楽ファンに的を絞ったギャグを繰り出してくる辺り、本気も本気なのでしょう。音楽的にも大変に意欲的な作品ですよね。


……ところで、Abciiさんのお名前は、どう発音すればよいのでしょう? "エビーチー"? "エビーシー"??