ラブドールのショウルームに見学に行ってきました!

tunderealrovski2009-05-20

 
うちのBlogでは、主に漫画やアニメの話題を中心に、エントリを書かせていただいているんですが、たまには美味しいものを食べた話とか、友だちと旅行に行った話とか、もっとこう如何にも若人らしい、活動的なエントリを書くべきではないかなと思うんですよ。
というわけで、今回は珍しく友だちと一緒に、外に遊びに出かけた話をしたいと思います。
 
この間、群馬在住の友人が東京に遊びに来てくれたんですよ。で、せっかく遠いところから来てくれたので、普段はなかなか行く機会がない都内のお洒落な観光スポットを巡ってみようということになりまして、男二人で行って参りました。
 
ラブドール(ダッチワイフ)のショウルームに。
 
 

 
…引かないでね。
 
いや、先日、ラブドールの製造で高名な某企業(一応、名前は伏せておきますね)のショウルームにお邪魔させていただいたんですよ。
 
ショウルームの場所調べや、予約は、その友人に任せていたため、私は当日になるまで、その全容を一切しらないまま待ち合わせの場所に向かったのですが、友人から話を聞くと、何でも雑居ビルの一室にそのショウルームはあり、そこの責任者はラブドール(娘)を預かっている義父という設定になっているそうです。う〜〜〜ん、怪しげな雰囲気がプンプンじゃないですか!
 
あたかも、週刊アスキー連載のレポ漫画「カオスだもんね!」。あるいは、「タモリ倶楽部」気分でノコノコ友人に付いていった自分だったのですが、いざ、目的地に付いてみたら、その迫力に圧倒されてしまいました。
 
ショウルームは、思っていたよりも、慎ましやかでコジンマリとしたものだったのですが、部屋に入った途端に、結構な数のラブドールが一斉に我々をお出迎えです。
中には、顔と髪型のサンプルとして、生首状態で展示されているドールもあり、なかなかに異様なインパクトとオーラを放っています。
 
友人と二人、とりあえず、呆然。
…と奥から、責任者らしき人が出てきました。…てっきり「義父」という響きから、小杉十郎太さん辺りが声を当ててそうな、ダンディーな紳士を想像していたのですが、そこにいたのは「これぞ、正しく、日本の『おじさん』!」とでも言いたくなるようなビジュアルの中年男性氏でした(←メチャクチャ失礼)。凄く良い人でしたが。
 
ちなみに、友人が写真撮影の許可について尋ねたのですが、ヤンワリと断られてしまいました。物珍しさや、話の種、Blogの更新ネタなんかに色んな人が来るのでしょうから、そこは線引きをしているんでしょうね。まぁ、我々がここに来た理由も、若干のスケベ心を含んだ知的好奇心以上でも以下でもないわけで…。
あくまで、ここは商品をプレゼンする「ショウルーム」なのですから、我々もルールに従い、ラブドールの解説などを聞かせてもらいました。
 
 

ラブドールを実際に触ってみよう!

先ずは、おじさんに勧められるままに、ラブドールを触ってみることに。
相手は物言わぬ人形とはいえ、かなり精巧にできているため、正直かなり照れます。
 
「あんまり触りすぎると、強制わいせつ罪で逮捕されたりするんじゃないかなぁ…」とか馬鹿なことを考えながら(いや、そのくらい生々しいのよ!)、意を決してドールの身体にタッチしてみると…。
 
その感触に、思わず「おぉっ…」と小さく声が漏れました。
 
ただ、「おぉっ…」の後には、「(あれっ? あ、でも、想像してよりは、ちょっと硬いかなぁ…)」っていう心の声が続く感じ。
 
シリコン製のボディーは、例えるならば、物凄く柔らかいゴムボールのような感触です。さすがに、生身の女性の身体のように、とはいきませんが、当然ながら、フィギュアなんかに比べると、相当な柔軟性と触り心地の良さを有していて、触ってみるとめっさ気持ち良いです。
また、店内を明るく照らす照明(あ、言い忘れましたが、所謂アダルト・グッズの展示場であるにも関わらず、店内に淫靡さや陰湿さはなくて、非常に明るい雰囲気でした)の熱のせいか、なんとなく温もりがあり、その辺りも「人形」が持つ硬質さや冷たさとは一線を画する要因になっていたように思います。
 
友人と二人、その触り心地の良さに感動しながら、ラブドール相手に、しばらくの間「お触り」を堪能。
 
非常におもしろい経験ができたのですが、唯一の心残りは、河本ひろし先生の漫画に出てきそうな、超爆乳ボディーのドールがあったにも関わらず、いざ目の前にすると恥ずかしさが先に立ってしまって、胸や下半身を一切触ることができなかったことです。
己の小物っぷりにガッカリしました。
や〜、でも、なんかね〜…。恥ずかしさを感じるくらいの生々しさが、確かにあの娘らにはあるのよ〜。
 
ところで、これだけリアルな外見と、心地よい感触を持つ精巧な人形。やはり、気になるのは、そのお値段です。
ひとしきり触りまくった後に、お値段を伺ってみると、一体辺りだいたい50万円〜60万円との由。
 
ん…んん〜〜〜。…この辺りを高いとみるか、妥当な値段と見るかは、その人の価値観次第でしょう。
ちなみに、個人的には、実際に見て触った後だと、それくらいのお値段はして当然かな〜という印象でした。
 
全身可動のシリコン製ラブドールの他に、ソフトビニール製のドールも販売しているのですが、それだと、もうちょっと値段も下がって20万円くらいだそうです。
ただ、やはりそのクラスになると、関節や可動部が、どうしてもマネキンっぽくなってしまい、触り心地のグレードも落ちる感じ。ちなみに、どちらも性交は可能です。
 
ちょっと興味深かったのが、ドールの頭部…というか顔です。
このメーカーでは、ドールを注文する際、生きている女性の顔に寄せて作ってあるリアルな顔と、所謂アニメ顔の二種類から選択ができるようになっています。
で、私は現物を見るまで、「人形なんだから、実在の女性よりは、アニメ顔の方が可愛いだろう」と思っていたのですが、これが実物を見てみるとリアルな顔の方が圧倒的に可愛いんですよ!
逆に、アニメ顔の方は、正直ちょっと不気味な印象。何で? 人形なのに!?
 

 
これが、全長20cmくらいのフィギュアサイズなら、その印象は逆転すると思うのですが、140cmもある等身大の人形ともなると、アニメフィギュアみたいな顔って、かなり浮いちゃうんですよ。
考えてみたら、アニメキャラのフィギュアだって、等身大の大きさになると、ちょっと不自然さを感じる時がありますもんね。
この辺の「リアル」と「アンリアル」、「可愛さ」と「不気味さ」のせめぎ合いのバランスがおもしろかったです。
 
リアルな値段を聞いて、ちょっとだけたじろいだ私と友人。触る前に値段を聞かなくて良かったです。
60万円もする代物と知っていたならば、あそこまで色々弄れなかったと思います。次に、触る時は必要以上に丁寧になっちゃいそうな感じ。
一体、この娘たちを購入する客層って、どんな人たちなんでしょうか? 気になったので、その辺りを、おじさんに聞いてみると…。
 
おじさん:「ご夫婦で買われていく方もいらっしゃいますよ」
 
え…。
 
え〜〜〜〜っ!!!
 
ヤバイ。こっちの想像以上におもしろいアンサーが返ってきた。
 
おじさん:「奥さんが、旦那さんの浮気防止にね、買っていくんですよ。風俗通いとかね。これなら、初期費用だけで、後はお金も掛からないし、変な病気をもらってくることもありませんから」
 
いや、それはそうかもしれませんが、ドールとセックスする夫と夫婦生活を送れる女性って、いくらなんでも許容範囲広すぎでしょう!
 
おじさん:「女の人はね。浮気とか風俗とか一番嫌いですから」
 
う〜〜〜ん。そんなもんなんでしょうか?
人形とセックスする旦那さんと一つ屋根の下で暮らす女性。…まるで、江戸川乱歩の小説みたいな話です。
 
おじさん:「髪型とか体型もね、旦那さんの理想通りに作っていくんですよ」
 
ラブドールの容姿も様々なら、現実の男女の愛の形も様々と言ったところでしょうか?
 
 

ラブドールの「ナニ」の感触にビビる

続いて、ラブドールの性器を体感させてもらえることに(ここから更に、表現がえげつなくなってくるので、ご注意ください)。
 

 
この会社で作っているラブドールは、性器の部分が取り外して使えるようになっていて、お願いすれば、そのアタッチメント(まぁ、早い話がオ○ホールだよね)に実際に触らせてもらえるのです。
そのアタッチメントも、形状がそれぞれ異なっていて、全部で4種類もあるという拘りようなのですが、おじさんはかなり手馴れた様子で、潤滑油を指につけると、それぞれのホールに塗りたくり、あっという間に挿入(指で)の準備が完了。
 
…4つのナニを一瞬にして潤してしまうとは…。きっと、加藤鷹ですら、あの手際の良さを真似ることは不可能でしょう。
 
先ずは、友人が中に指を挿れて試すことに。と、ここで友人がおじさんに一言。
 
友人:「あ、コレ。指二本挿れても大丈夫っすか?」
 
オ○ホール相手にも、気遣いを見せれる友人。…コイツ、男前やなって思いました。
と、ホールに指を挿れた瞬間、友人の口から「とぉっと!」という声が漏れました。え、何!? そんなに気持ちいいの!?
ドキドキしながら、自分も指を突っ込んでみると…。
 
「はつっ!」
 
…思わず、ちっちゃく声が出ました。コレは…確かに…。
 
未体験の悦楽を指先に感じつつ、次々にモノを試していく私と友人(この間、お互いに何故か無言)。また、おじさんと友人が指を挿れた後だから、中が微妙に温もって、生々しいのよ。
いや、正直、アレは…。下手したら、ホンモノよりも気持ちいいかもしれない…。
 
おじさん:「どうです? スゴイでしょ?」
 
ハイ。すごいです。
 
おじさん:「本当にね、コレに指を挿れただけで、余りの気持ちよさに、思わず前かがみになっちゃうお客さんもいますから。…お兄さんたちは大丈夫?」
 
……おじさん、面白い(笑)。
 
ちなみに、性器の部分はお一つ¥12,000〜14,000。その気持ちよさに、これだけ購入していく人もいるそうです。
 
 

ラブドールを目の前に、思わず男性性について考える


 
お触り、(指での)挿入と、ひとしきりラブドールを「体感」した後は、おじさんの話をじっくり聞かせてもらいました。
 
会社が、創業当時から、ラブドールについて如何に真摯に取り組んできたかや、高級志向を追及してきたが故の進化の過程、そのクオリティー支える素材の特徴などなど。
ラブドールの技術は未だに進化をしていて、その身体も更に人間の肉体の柔らかさに近づけることも可能なんだとか。ただ、そうすると、どうしても耐久性の面で問題が出てきてしまうので、現時点ではある一定のトコロで妥協点を作っているそうです。
先ほど、私はドールの感触を「物凄く柔らかいゴムボール」と書きましたが、アレこそ試行錯誤の結果から生まれた、「生身の身体への接近」と「アダルトグッズとしての実用性」の中間なのでしょう。そう考えると、あの柔らかい触感が、何だか有難いものに思えてきます。
 
もう一つ面白かったのが、技術が進んで、容姿はより人間に近づき、動かせる範囲はどんどん広がっていっても、骨や筋肉が存在しないために、「バンザイ」のポーズだけは取らせることができない、という話。
ASIMOを始めとする、ロボット研究もそうですが、どんなに技術が発達しても追いつけないくらい、人間の身体って複雑にできてるんですよね〜。普段、意識なんてしませんけど。
 
ラブドール、ダッチワイフと聞くと、思わず反射的に一昔前のコントやギャグ漫画に出てきた安っぽいビニール製のモノを連想してしまいがちですが、この会社では当初から、そういったものとは一線を画した商品開発を進めてきたとの由。時折、シモネタを交えつつ、単純に性欲処理の道具だけではなく、「癒し」をお客様にお届けするのが開発側の理念だと、おじさんは我々に語ってくれました。
 
これだけの拘りと熱意を持って生み出された(作られた)娘さんたち。確かに、ただ単に「アダルトグッズ」という言葉で括るには、余りにもその存在感は大きいのかもしれないです。一昔前の流行語ですが、確かに「癒し」を購入者に与えてくれそうな気がします。
 
しかし、う〜ん…。ただ単に性処理だけでは飽き足らず、そこまでの進化と快感を求めてしまう男の性って一体…。
 
残念ながら私の生活レベルでは、ドールの購入は現実的ではないのですが、せっかく面白い話を聞かせてもらい、体験もさせてもらえたので、多少なりともお金を落としていこうと、帰り際に二人とも有料のカタログを購入することに。
 
ラブドール...50万〜60万円。
最高級オ○ホール...1万2千〜1万4千円。
有料カタログ...300円。
おっさんのエロトーク...Priceless
 
入ってくる時は、正直、少しばかり不気味に思えたドールたちも、帰る頃にはスッカリ可愛く見えるようになってしまい、我々の後姿を見送るその目線が、何だか寂しげに見えた…気がしました。
 
 

■まとめみたいなもの…ラブドールを考える

今回、ショウルームを見学させていただいて思ったのが、ラブドールは、所謂アダルト産業、アダルトグッズといった文化圏に属しているにも関わらず、同時にそうしたカテゴリーから大きくはみ出した存在でもあるのだな、ということです。
言ってしまえば、ラブドールの根幹は「性欲処理のための人形」なわけですが、ウィッグやコスチュームを着せてビジュアルを形作っていくのと同様に、接する人の思い入れや感情を身にまとって、単なる「人形」に止まらない、「何か」にすらなりえるんじゃないかな、なんて。
 
それから、ラブドールって、二次元でもなくて、かといって生身の人間でもない、っていう非常に微妙な境界線に存在しているものだと思うんですよ。
アニメ顔の頭部が付いていることに対して、自分が覚えた違和感っていうのも、もしかしたら、その辺りに起因しているのかもしれないです。
アニメファンや漫画ファンが二次元の女の子に愛情を注ぐっていうのが、当たり前の光景になってきている中でも、未だにラブドールっていうのが、かなり特異な位置にあるのが個人的には面白いな、と。
 
自分も、あの短い時間の中で、あちこち触ってみたり、作り手の話を聞いてるうちに、何となくあの娘たちの物言わぬ瞳の奥に、何ともいえない魅力を色気を感じたんですよね。
 
その辺のラブドールの不思議な質感を上手いこと物語に絡めて描いた映画もあるんですよ。
昨年末〜今年頭にかけて劇場公開をされた「ラースと、その彼女」は、
心優しく善良だが、人とのコミュニケーションを上手くとることができない青年ラースが、ラブドール(劇中での呼称は、リアルドール)との出会いを通じて、周りの人たちに少しずつ心を開いていき、傷ついていた自身の心を再生していくというストーリーの映画です。ラブドール」と聞くとコメディーチックな映画を想像されるかもしれませんが、派手な物語の起伏こそないものの、穏やかで胸に沁みる本当に良い映画です。
 
で、実際のラブドールを見てみると、映画の中で描かれたような、人間の感傷的な気分とか、エモーションを受け入れることができる存在なんじゃないかな、と思えてくるんですよ。
 
や〜、本当に…ラブドールって不思議なものだとつくづく思いました。実際に購入してみて、一緒に住んでみたら、また見えてくるものがあるのかしらん?