「たまこまーけっと」に出てきた桜餅について一言

 

 
たまこまーけっとに登場をしたお餅についてのアレやコレやでエントリを簡易更新!
 
 

■「たまこまーけっと」に出てきた桜餅は…

たまこまーけっと」の第3話。「クールなあの子にあっちっち」で、"クールなあの子"朝霧さんにたまこが出した桜餅。
 

 
かつて、和菓子屋に勤務をした経験がある人間として、ちょっと細かい部分に目がいってしまうのだけれど、この桜餅は道明寺粉を使った関西風のそれで、見た瞬間に「あぁ、やっぱりこのアニメの舞台は関西なんだな」なんて思ってしまった。
 
桜餅は、その作り方によって2種類に分けられる。小麦粉(餅粉が配合される場合もある)を水でのばして焼いた生地で餡を包んだ関東風と道明寺粉(蒸した餅米を粗く砕き、乾燥させたもの)を使用した関西風。塩漬けにした桜の葉で包むのは一緒でも、関東風と関西風では見た目や食感にも随分と開きがある。
 
和風クレープとでも言うべき関東風の桜餅に対して、素材も丸みを帯びたフォルムもより"餅"に近い関西圏の桜餅。桜の葉と一緒に、口に含むとツプツプもちもちした食感と共に、餡の甘みと葉っぱの塩気が口いっぱいに広がる。本編の台詞を引用させていただけるならば、まさしく「春の味」を楽しめるお菓子である。
 
 

■桜餅で意識させられる京都という街

そして、「たまこまーけっと」で出てきた桜餅は道明寺粉を使った関西風の桜餅だ。東京都下で、春が訪れる度に関東風の桜餅を製造、販売していた人間からすると、あのシークエンスというのは、やっぱり舞台のモデルになっている京都という街と食文化を意識させられた。
 
ひいては、それは「たまこまーけっと」を作っている京都アニメーションという制作会社が持つ地域性でもある。「たまこまーけっと」には、関西を意識させられるような言葉やアイテムは特別出てこないけれど、桜餅の形状をみれば一目瞭然。アレは、やっぱり西の文化の中で作られたアニメであり、京都で作られた作品なんですよね。
 
お餅を始めとする和菓子は季節ごと、地域によっても津々浦々。数多の甘味はあれども、「たまこまーけっと」の桜餅は、季節感、イベント性と共に、アニメの舞台の地域性、更には制作会社のある場所にまで思いを馳せさせる秀逸なチョイス。
 
「あの娘はかわいいもち屋の娘」。そんなかわいい娘さんであるたまこが作るお餅そのものへの愛情も伝わってくる、そんな「たまこまーけっと」のいち場面でした。
 
<在日ファンク / 京都>

 
京都、京都と書いていたら、思わずこのPVを貼りたくなってしまった…。