アニメ「かんなぎ」でナギ様の蹴りが、あまりにも素晴らしかった件
前期の「夏目友人帳」と「鉄腕バーディーDECODE」がおもしろすぎて燃え尽きてしまったせいで、イマイチ今期からスタートしたアニメに乗り切れなかったんですけど、
「かんなぎ」を見て、アニメ好きの魂が再びメラメラと燃えてきました。
何、アレ!? ちょーおもしろいよ!
現在、地方にいるせいで、まだ第一話しか見れてないんですが、80'sリスペクトなオープニングとか、ダメ男なら共感必至の主人公の思春期っぷりとか、ナギ様の奔放さとか、めちゃくちゃツボを押されてます。
個人的に一番のお気に入りは、ナギ様の豪快過ぎる暴力描写です。
で、スタッフもその辺にこだわっているのか、ナギ様が放つ攻撃って格闘ファンの自分が見ても、イチイチ理にかなってるんですよ。
■ナギ様の蹴りはここが凄い!
以前、こんなエントリーを書いたんですけど、ホンワカした世界で展開される「ひだまりスケッチ」とは違って、「かんなぎ」は平凡な高校生が神様に振り回されるというスラップスティック・コメディーですので、暴力表現も「ギャグ」という形で包み隠さずにそのまま表現されます。
で、そのシーンが秀逸!
神木を切り倒されたという事実に逆上したナギ様が、仁に神罰(?)の蹴りを見舞うシーンです。
蹴りの威力を表現するために、このシーンでは劇画タッチの止め絵になります。
古典的な表現ですが、山本寛監督の辣腕の下、普段は流麗なアニメーションで動き続けるキャラクターとの強烈なギャップが笑いを誘いますね。
が、ここではナギ様のおみ足に注目。
ビックリするくらい、キレイな太モモ……じゃない! ミドルキックです。
しかも、ブーツを履いたまま。コレは痛い!
最初にパッと見た時は脊椎に蹴りを入れた(死んじゃうよ!)のかな? と思ったのですが、仁の口から嫌な色の液体が出ているので、恐らくは脇腹にジャストミートしたのでしょう。
戦慄のKOシーン。
さすが神様。女の子の身体とはいえ、男の子を一撃でノックアウトしてしまいました。
ていうか、ブーツ履いた足で人を蹴っちゃ駄目だって!
が、さらに凄まじいのが次のシーン。ナギ様には触れない「ケガレ」をあっさりと手で掴んで捨てた仁に、逆ギレしたナギ様の蹴りがまたもや炸裂します。
右のハイキックで。
もちろん、ブーツは履いたままです。ナギ様の足が、仁の頭よりも手前にあるように見えますので、恐らくはバックスピンキックの様な形でヒットしたのでしょう。
コレは完全に首に入ってますね…。(死んじゃうよ!)
ここで注目すべきは絶妙な位置に配置された落ち葉……じゃなくて、ナギ様がミドルキックと、ハイキックを打ち分けている点です。
ミドルでダメージを蓄積させて、或いは相手の注意を引きつけておいて、頭部へのハイキックの布石にするというのは、キックボクシングや空手といった、立ち技格闘技の基本テクニックであり、物凄く理にかなった攻撃法なのです。
劇中で「神様もトイレ行くんだ…」というセリフがありましたが、神様もK-1やPRIDEを見て研究とかしているんでしょうか…。
ミルコ・クロコップvsイゴール・ボブチャンチン戦とか見てるんでしょうか?
■こうした細かい描写、こだわりから生まれる「説得力」
僕が、格闘技、プロレスファンだからなのかもしれませんが、こういう細かいトコロに説得力を感じちゃうんですよね〜。アニメや漫画だと、女の子が屈強な男性を一撃で倒したりとか、あるいは「バキ」よろしく、荒唐無稽でハチャメチャな格闘シーンが描かれることが多いのですが、こうした場合、プロレスと同様、あり得ないことに説得力を持たすっていうのが、作り手側のセンスの見せ所だと思うんですね。
「不意打ちのミドル・キックで先ずはダメージを与え(&相手の注意を引きつけ)、次に上段への蹴りで仕留める。更に破壊力を増すために、ブーツを付けたまま蹴る」
ってコレかなり説得力に満ちたリアルな格闘シーンです。喧嘩屋かよ! そりゃ、仁も倒れるよ!
か細い女の子が、ベア・ナックル(素手)で男を殴って失神させたりする安易なバイオレンス*1が多い中、こういうトコロに「かんなぎ」スタッフの妙なこだわりを感じてしまうのは自分だけでしょうか?
やばいよ、ナギ様。ホント、カッコいい!
…と思ったら、ムカデ(ただの蟲じゃなくて、「ケガレ」とからしいが)が足についたくらいで、ローキックをもらいまくって、腿がパンパンに腫れたキックボクサーの如くヘタレこむナギ様。
このギャップが「萌え」なのか?(絶対違う)
とりあえず、今後も仁がナギ様のせいで、いかにヒドい目にあっていくのかに注目しながら、「かんなぎ」というアニメを楽しんでいこうと思います。