エロ漫画雑誌のユニーク過ぎる読者プレゼントと廣田眞胤先生を考える
今回も、エロ漫画のお話です。
文中に、直接的な表現や画像はないのですが、何というか…話題が話題なので途中から収納しておきます。
光彩書房から今年創刊された成年漫画雑誌「美少女革命 極」。
誌名からして「革命」「極(きわめ)」と、昭和新日本プロレスにおける長州力ばりのヤル気と気合いに満ちた文字が躍っているわけですが、今月発売されたvol.3の読者アンケートのプレゼントが、革命どころか何というか非常に独創的でした。
■「美少女革命 極」のユニークなプレゼント
その独創的なプレゼントとは、何とコンドーム。いや、それ自体は何も特別なわけではないんです。
成年漫画雑誌の読者プレゼントというと、連載陣の単行本やサイン色紙、或いはパソコンの成人ゲーム(エロゲー)というのが定石なのですが、中には各種アダルトグッズや風俗店のサービス券(!)なんかを読者プレゼントに用意する雑誌もありますし、避妊具をプレゼントする雑誌があってもおかしくはないでしょう。
ただ、何が凄いって…。
<「美少女革命 極 vol.3」(光彩書房) P.208より>
連載作家の一人である廣田眞胤先生のサインが入った状態で贈られてくるんですよ。
え〜何ソレ!?
芸能人の「箸袋とかバナナとか変なモノにサインをさせられた話」は、トーク番組なんかの定番ネタとしてよく耳にしますが、廣田眞胤先生も漫画家としてデビューして、まさか避妊具のパッケージにサインをすることになるとは夢にも思わなかったでしょうね。
しかも、モノがモノですからね。説明文を読むと、「世界一高い」「世界最薄」の凄い高級なヤツらしいんですけど…。
もしも、私が女の子だったとして彼氏と「そういう雰囲気」になったとしましょうよ。
で、彼氏がそっと取り出したゴムの外箱に何だか分からないサインが書いてあったら、やっぱり「え! 何、それ!?」って言いますもん。
「大丈夫なん!? それ?」って。その場の「いいムード」に水を差すことになっても絶対言うと思います。
ん〜、サインは別にした方がいいんじゃないでしょうか? 何となくですけど(笑)。
そもそも、高級スキンを使用するくらい満ち足りた性生活を送っている人間は、こういうちょっとマニアックな成年漫画雑誌は読まないんじゃ…。
■廣田眞胤先生を考える
実は、今号に掲載された廣田眞胤先生の作品に該当商品が登場するんです。<「美少女革命 極 vol.3」(光彩書房) P.188より>
登場人物の台詞や枠外の注意書きなんかを上手いこと使い、この「サガミオリジナル」のセールスポイントを漫画の中で描いています。
<「美少女革命 極 vol.3」(光彩書房) P.192より>
コラボなのか、何かのキャンペーンやタイアップなのか、よく分からないのですが、エロ漫画とスキンの組み合わせって思い切りよすぎでしょう。
で、まぁエロ漫画なので、このコマに描かれている男女は当然「そういうこと」になるわけですが、そこまでの過程の作劇に上手いことこのスキンを絡めていて、漫画自体はとてもおもしろいです。ネタバレになってしまうんですけど、散々宣伝しておいて、結局このスキン使いませんしね。
(「え!? 使わねぇのかよ!」って読んでて思わずツッコンだ)
で、こういう企画(?)を行うのに、廣田眞胤先生を選んだセンスがもう素晴らしいと思うんですよ。
廣田先生、私大好きなんです。お目目パッチリで睫毛が長い女の子のデザインも好きなんですけど、やっぱりこの漫画家さんのおもしろいところは、漫画の中でお約束になっている「大輔」の存在ですよね。
<廣田眞胤 / 「Hで自分勝手でカワイイ娘」(いずみコミックス)>
一水社のいずみコミックスから出ている単行本「Hで自分勝手でカワイイ娘」に収録されている作品をまとめて読んでみると分かるのですが、シチュエーションや登場人物は作品毎に毎回異なるにも関わらず、主人公の男性の名前を全て「大輔」という名前で統一をしているんです。
で、「大輔」って誰やねん? という話なんですが、コレ廣田眞胤先生の本名なんですね。
要するに、自分自身の分身を漫画の中に登場させて、妄想の中で色んな娘にモテまくっちゃうぜイエーッ! というわけです。この辺に関しては、「たまごまごごはん」のたまごまご様のエントリがとっても分かりやすくまとめていらっしゃいますので、興味を持たれた方で未見の方は是非一読を。
■自分のための最高のエロ漫画を描く作家、それが廣田眞胤先生だ!(たまごまごごはん様)
どうです? 何だか、凄く好感が持てる、ユニークな漫画家さんじゃないですか?
その他にも、廣田先生はメタルやハードロックの大ファンであるようで、作品タイトルがメタルバンドの楽曲からとられていたり、登場人物がBLACK SABBATHの「血まみれの安息日」のTシャツを着て出てきたりします。
<「美少女革命 極 vol.2」(光彩書房) P.133より>
- アーティスト: ブラック・サバス
- 出版社/メーカー: ストレンジ・デイズ・レコード
- 発売日: 2008/12/24
- メディア: CD
- クリック: 3回
- この商品を含むブログ (1件) を見る
もう、メタルが好きで好きでしょうがないんでしょうけど、このちょっぴりナードな感じ!
とにかく廣田先生ってキャラが立ちまくっているんですよ。
もちろん、先生の漫画作品も大好きなんですけど、この先生に対する「好き」は自分の中で「作者萌え」の領域にまで到達しています。
で、話は読者プレゼントに戻るのですが、メタル好きで自分の描いたエロ漫画に自分の分身を登場させちゃうような、ちょっぴりナードな廣田先生が、女性経験が相当に豊富じゃないと手にすることもないであろうモテアイテムである高級スキンに絡んでくるっていうのが個人的に凄くツボだったんですよ。
コレが他の先生方だったりしたら、エロ漫画と避妊具という組み合わせが生々しすぎて、ちょっと引いちゃってたと思うんです。でも、コレが廣田先生なら! 廣田先生のキャラクターによって生々しさは中和され、最早「ギャグ」「笑い」のレベルにまで昇華してしまっています。凄いや! 廣田先生!!
とにかく、今号の「美少女革命 極」と廣田先生の試みは、個人的に非常におもしろく感じました。繰り返しますけど、「廣田眞胤」っていう人選が素晴らしい!
ちなみに、今回も掲載された廣田先生の漫画、主人公の名前はやっぱり「大輔」でした。徹底してますね(笑)。
<関連URL>
■廣田眞胤『エッチで自分勝手でカワイイ娘』(ヘドバンしながらエロ漫画!様)
メタルでエロ漫画といえば、このお方しかいないでしょ!な、へどばん様による「エッチで自分勝手でカワイイ娘」のレビューです。メタルネタの解説もあります。