エロ漫画に出てくるアニメキャラのソックリさんについてのアレやコレや

tunderealrovski2011-03-10

 

 
今月の「COMIC HOT MiLK」に掲載された松本ドリル研究所先生のエロ漫画家で、魔法少女まどか☆マギカ」のパロディシーンが出てきたことが話題になっているみたいですね。
今回のパロディに限らず、「エロ漫画に出てくるアニメのソックリさんキャラ」については、以前から自分もちょっとエントリを書いてみたいと思っていたので、ちょっとアレやコレやと書き連ねてみようと思います!
 
 

■エロ漫画に出てくる「ソックリさん」について


<コアマガジン刊「COMIC HOT MiLK」 2011年4月号 P.226>
 
で、コレが件の松本ドリル研究所先生のエロ漫画ヒロインさん。う〜ん…コレは完全に「まどか☆マギカ」ってますね、というか、美樹さやかってますね(でも、名前は「まみ」姉)。松本先生は、これ以前にも「らき☆すた」っぽいキャラや、「プリキュア」っぽいキャラを自作に登場させている、こういうキャラクター造形が大好きなエロ漫画家さん。
 
エロ漫画には、こんな感じで某アニメキャラにソックリなヒロインが出てくることが結構あります。
まぁ、ただ単にキャラクターの見た目が「似てる」だけなら、他人の空似と言いますか、「赤いタイツ履いてて背の高いプロレスラーがいたので、ジャイアント馬場かと思ってよくよく見てみたら田上明だった」みたいなね。よく似ているけど、実は全然別人だったなんてことはママありますよ。先入観アリアリで一旦そう思い込んだ状態で見ちゃったら、春一番だってホンモノのアントニオ猪木に見えてくるっつうの!
 
ましてや、漫画の世界なんかだとキャラクターのビジュアルや性格付けに、いくつかの共通項的な記号表現(昔、よく言われていたトコロの「萌え記号」)が使われていたりするわけで、ちょっと似てたくらいで「このキャラクターは、あのアニメに出てくるあの娘のオマージュなんでは!?」なんて決めつけるのは早計というものだと思うのです。
 
ボマイェ*1…否、とはいえですよ! 中にはどーしたって、「この娘は、あの娘にしか見えんだろう!?」という作品、キャラクターもあるわけで…。
 

<ヒット出版社刊「COMIC阿口云」 2010年4月号 P.288>
 
例えば、「COMIC阿口云2010年4月号に掲載された山田ショウジ先生の「たべっこどうぶつ(猫編)」という読みきり作品。コレに出てくるヒロインの月子ちゃんというキャラクターがですね…もーどー見たって自分の大好きなアニメであるにゃんこい!」の最愛キャラクター、住吉加奈子さんにソックリなわけですよ!
気の強い性格…でも、根は純で幼馴染の男の子に惚れているツンデレキャラから、ツリ目で髪型はロング、巨乳という顔、体型のキャラクター造形、更にはちょっとヤンキー文化圏が入った話し方までソックリ。
 


 
更には、ネコミミとシッポまで生えて…って、ここまできたら完全に「にゃんこい!」で加奈子だよ! 流石の「逆転裁判」だって、この場面じゃ「意義アリ!」とは言い出せないよ!
 
こんな感じで、キャラクターのビジュアル、性格、エッチに至るまでのシチュエーション、作品内に登場するアイテムなどなど…ストーリーを構成するに当たって、明らかに元ネタとなる作品が存在し、その作品にオマージュが捧げられている漫画、というのがエロ漫画の世界には少なからず存在をしています。
勿論、他作品に影響を受けて、その作品にオマージュを捧げる、パロディを行うというクリエイティビティとイマジネーションは、エロ漫画に限らず様々な「漫画」の世界で目にすることができますし、決して特筆すべきものではないかもしれません。
 
ただ、エロ漫画って、必ず…と言い切ってしまうとエロ漫画の表現の可能性を狭めてしまうような語り口になってしまうので、ちょっと言い方を変えて、十中八九! キャラクターがエッチなことしちゃうんですよね。そうなると、やはりこういったエロ漫画に登場する「ソックリさん」に対する読み手の受け取り方と期待にも、独特のエモーションが生まれることになります。
 
 

■エロ漫画の「ソックリさん」。そんな彼女たちに対する男の子の「理想」と「本音」



 
エロ漫画で、「大好きなアニメの大好きなあの娘…のソックリさん」に出会った時…その楽しみ方にはいくつかのパターンがあると思います。
 
先ずは何はなくとも、単純にスケベ心。「大好きなあの娘のエッチな姿が拝める!」というハッピーかつアッパーな享受の仕方があるでしょう。
言うても、僕たち男の子なんで、好きな娘の裸とかはやっぱり見たい、知りたいわけですよ。「心のままに生きる」と書いて「性」なんでね。そこは、自然の摂理なんで自戒しつつも肯定して生きていこうよっていう。
また、いくらソックリと言っても、そこは結局は「似ている赤の他人」なもんで、元ネタになっているキャラクターのイメージを損なわない、汚さない…という、かなり苦しいエクスキューズも成り立ちます。
 
その辺の男の子に対する女の娘への「理想」と「本音」のバランス感覚の上で成り立つ、副次的な性のイメージという点では、まんま「有名タレントにそっくりなAV女優」とかにも通じるものがあるのかなぁ…と。こう、松○亜弥における紋舞らん的なアレですよ。
余談ですが、ああいうソックリさん女優って、今でもAV業界において一定の需要があるものなんですかね? 今では、「元タレント」「元アイドル」が大挙してAVデビューする時代ですから…。
まさか、元女子プロレスラー風間ルミがAV女優としてデビューするなんて、全女で北斗晶と髪切りマッチをやっていたあの頃には全く想像もできませんでしたとも。ついでに言うと、あの試合から数年後に北斗が佐々木健介と結婚する(しかも、出会いの場は当時新日が特別興行に出向いていた北朝鮮!)なんて、それ以上に想像困難でしたとも!
 
閑話休題(しかも、北斗晶ノーザンライトボムばりに激しく急角度で)。そういった単純なスケベ心とは、また別の観点からこうした作品を楽しむ見方もあると思います。
 
 

■好きな作家さんが好きなアニメを知る、繋がる

それが、好きなエロ漫画家さんが、今現在ハマっているアニメ、愛しているアニメを「知る」こと。そのコミュニケーションの方法として、「エロ漫画」と「ソックリさん」の関係です。ファンである作家さんが、現在進行形で好きなアニメ、その幸せなリンクを手繰るという視点。
 

<ティーアイネット刊「COMIC MUJIN」 2009年12月号 P.39>
 
例えば、これは「COMIC MUJINの2009年12月号に掲載をされた赤月みゅうと先生の「ご主人様とメイドール」という作品なんですが、最後のコマのモブシーンに、完全に某軽音部員のふわふわな日常を描いた某四コマ作品で某バンドを組んでいる某キャラクター達を紛れ込ませて描いている。そう、ペンネームが"PRIDE男塾塾長"ドン・フライに似ている(あるいは、前田日明のRINGSにレギュラー出場をしていたオランダのディック・フライでも可!)漫画家さんが描かれているあの娘たちですよ。あの娘たち。
 
赤月みゅうと先生と言えば、その圧倒的な画力と緻密なストーリー構成が持ち味の漫画家さんなので、このシーンでの唐突なパロディって、ハッキリ言って物凄く浮いているんですよ。作家としてのイメージや漫画の作風とも乖離を起こしてしまっている。
でも、どうしてもこの娘たちを描きたかったっていうその気持ちですよね。で、そういうハートを持った漫画家さんの作品を読める喜びと、その漫画さんの作品を、そして、同じアニメを愛している自分というファン心理としての嬉しさ。
 
「エロ」というシチュエーションが前提にありきでも、この辺りは一般誌での漫画作品におけるパロディ、オマージュに自分の嗜好との共通点を見つけた時の嬉しさと、全く同じモノだと思います。
 
そういえば、今月の「COMIC HOT MiLK」ですが、冒頭で紹介した松本ドリル研究所先生の「まどか☆マギカ」以外にも、巻頭カラーのゆきみ先生の漫画に出てくる男の子が、どー見ても「HEROMAN」のジョーイにしか見えなかったり、
 

<「COMIC HOT MiLK」 2011年4月号 P.5>
 
ゆりかわ先生の漫画に出てくるヒロインのキャラ造詣に、やっぱり「HEROMAN」のリナがちょっと入ってたり(この見た目で、しかもチア・リーダー! コッチは、続きモノでの登場)で、「HEROMAN」ファンとしては嬉しくなったり。
 

<「COMIC HOT MiLK」 2010年12月号 P.225>
 
こんな感じで、エロ漫画に出てくる作家さん好きなモノ、愛している作品が伝わってくるトピックっていうのが、自分は大好きだったりするんです。
 
 

■まとめ

エロ漫画に出てくる「ソックリさん」について徒然なるままに、アレやコレやと。こういう作家さんのファン・アティチュード、自分はものっそいツボだし、個人的に今のアニメ作品のトレンドを計る指標になってたりするので、こんな感じのキャラがまた色々と出てきたりしたら嬉しいな、と思います。
 
 
 
<関連エントリ>
■「夕やけニャンニャン」 - 「にゃんこい!」における、夕やけのセンチメンタルな光と切ない恋心について
■「ストライクウィッチーズ」のキャラクターがエロ漫画に出てた
 

*1:新日本プロレス所属のプロレスラー"選ばれし神の子"中邑真輔の得意技である一撃必殺の膝蹴り。たまに、明らかにシャレにならないタイミングで、対戦相手の当てちゃダメなトコロ(後頭部とか)に全力でブチ当ててくるので、見ていて焦る。