2013年テレビシリーズアニメ話数単位10選 - 無駄に「めしばな刑事タチバナ」調

 

 
自分にとって毎年の恒例行事となってきた感のある今年を振り返っての話数単位で選ぶ2013年TVアニメ10選。今年も参加をしてみたいと思います。
 
そんなこんなで、私が選んだ10本はコチラ。今年は本当に凄いアニメ、おもしろいアニメ、素晴らしいアニメが沢山ありました。故に、話数毎に観ていっても強く印象に残るエピソードが数多くあったのですが、煩悶の末にピックアップをしたのがこの10本。
 

のんのんびより』第10話「初日の出を見た」
銀河機攻隊マジェスティックプリンス』第12話「シークレットミッション」
『ブラッドラッド』第2話「ただいまは言わない」
GJ部』第8話「シスターズ・アタック!」
ジュエルペット ハッピネス』第15話「お手紙とどける〜!」
プリティーリズム・レインボーライブ』第12話「はばたけ! 勇気の羽(フェザー)」
たまこまーけっと』第12話「今年もまた暮れてった」
波打際のむろみさん』第1話「瀬戸際のむろみさん」
世界でいちばん強くなりたい!』第6話「リベンジマッチ!」
みなみけ ただいま』第7話「残暑お見舞い申し上げます」
≪番外編≫
にゃんこい!』第9話「ガールズ・イン・ザ・ウォーター」
めしばな刑事タチバナ』第9話「中華チェーン緊急配備」

 
"ベスト10"というリミット、"一作品から一本"という縛りから、泣く泣く選から漏れたエピソードもあり、悩みに悩んだ末の私的ベスト+番外編2本。そんなこんなで、今回のエントリではこれらの作品についてアレやコレやと!
 
他の参加者様のベストについては、以下のリンク先をご参照いただければ幸いです。
 
■「話数単位で選ぶ、2013年TVアニメ10選」参加サイト一覧(新米小僧の見習日記)
 
 

■『のんのんびより

のんのんびより…これね、傑作ですよ。
 
田舎で暮らす少女達の日常を緩やかに綴った本作。こんなにおもしろく、そして素敵な日常アニメは「スケッチブック〜full color's〜」以来だというのが個人的な本作に対する鮮烈な印象。時にエモーショナルであり、何より女の娘が皆、チャーミングであり、そして、ギャグ、コメディーパートが抜群におもしろい! …エピソード毎に様々な色で魅せてくれる「のんのんびより」は、言うなれば正に…アニメ界の万華鏡…! のんのんびより」はスペクタクルだからね
 
過不足なし。どんなに観返しても、決して胃もたれをすることなく、「あぁ、この娘達の日常をもっと観続けたい…『のんのんびより』というアニメをずっと観ていたい…」と心の底から思わせてくれる全12話。アニメ作品が…特に深夜枠の1クールもののアニメが多数作られている昨今、この作品が持つ優しさは非常に貴重です。
 
そんな「のんのんびより」は…全エピソードがベスト! 全試合がMVP! これまた例えるならば…"絶対王者"としてGHCヘビー級のチャンピオンとして君臨をしていた頃の小橋建太の如し…!
 
そんな捨てエピソード一切無し、全12話の中から私が推したいのが、この第10話「初日の出を見た」。お話のエモさ加減ならば、第4話「夏休みがはじまった」、コメディー回ならば第5話の「水着を忘れたふりをした」か第7話の「せんべいがカレーになった」…といった具合に各エピソードがそれぞれに充実をしているが故に、物語のどの部分に重きを置くかでベストも大きく変わってくる本作ですが、ここはれんちょんと駄菓子屋をメインに据え、過去と現在を描き切った第10話。れんちょん、ほたるん、コマちゃん、なっつんという仲良し四人組を同じ画面に登場させることなく、エピソードを描いたその物語としての強さにも敬意を表して本エピソードを選びたい。
 
とにかく、駄菓子屋とれんちょんの関係性が素敵過ぎて、観ていて心温まる「初日の出を見た」。優しい駄菓子屋に比べて、ここぞとばかりにカズ姉がダメダメっぷりを発揮するコメディーシーンも堪りません。
 
 

■『銀河機攻隊マジェスティックプリンス


 
2013年も「革命機ヴァルヴレイヴ」「翠星のガルガンティア」「ガンダムビルドファイターズ」…といった"ロボットアニメ"が作られましたが、そんなロボットアニメの中で、俺が敢えて一番を選ぶとすれば…ズバリ銀河機攻隊マジェスティックプリンス
 
リアルロボットに戦隊ヒーローもののエッセンスを組み込んだユニークな設定、濃密なSFストーリー、3DCGの大胆な導入によってスタイリッシュなデザインと高度なアクション性を併せ持つことに成功をしたメカの数々…ハッキリ言ってこの作品に関しては褒めるところしかありません! そんなグッドポイントの中から俺が最も素晴らしいと思ったのが…丁寧な脚本による魅力的キャラクター描写。
 
本作のシリーズ構成、脚本を務めていらっしゃるのは、これがロボットアニメ初挑戦となる吉田玲子さん。そう! 「のんのんびより」と同じ脚本家さんなんです! 個人的には、2013年は吉田玲子さんの脚本力、キャラクター描写の上手さを改めて感じた年でした。いわば! 「吉田玲子包囲網」!!
 
勿論、「マジェプリ」がここまでおもしろいアニメとなったのは、監督である元永慶太郎監督、演出で参加しそのエピソードにおける演出術と画面構成がファンに強い印象を残したウシロシンジさん、そして、SF、ミリタリー描写の多い話数で大活躍をされた志茂文彦さんの脚本…その集大成、才能の結晶と言えるでしょう。
 
そこで! 数ある名エピソードの中からベストを選べと言われたら! …俺は、"番外編"的な第12話「シークレット・ミッション」をチョイス! …それが俺のファイナルアンサーだ!!
 
脚本は、この回のみの特別登板となった小説家の伊藤ヒロさん。脚本のローテーションに入っていない、この回だけの飛び道具的な起用でありながら、このエピソードが…文句なしに素晴らしい。ヒロインであるおケイさんとタマちゃんにフォーカスしたコメディー回。しかしながら、「登場人物全員が他の誰かを見守っている」というシナリオは、本作の哲学、メッセージ性を強く体言していたと言えます。劇中で描かれたおケイさんが「人と話すことが苦手」というシークエンスが最終回でのあの感動的なヒューマニズムの伏線になっているのも見逃せません。
 
…あと、何と言っても…劇中のおケイさんのコスプレ姿が凄く可愛かった…(おっぱいはちっちゃいけど)。
 
■「銀河機攻隊 マジェスティックプリンス」 - ”凸凹コンビ”が織りなすコントラストと親密さの多幸感
 
 

■『ブラッドラッド』


 
2013年のテレビアニメ…大好きになった作品として真っ先に名前が挙がるのが上記の「のんのんびより」と「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」。そして、その二作品と同じ位の熱量で俺がその魅力を語りたくなる作品が! …この「ブラッドラッド」です。「のんのんびより」と「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」と「ブラッドラッド」。日常コメディーとSFロボットアニメと超常バトルもの…この決して食い合うことのない三強作品。世界で一番バランスの取れた三国志っぷり
 
「ブラッドラッド」は、全10話という話数に原作のエピソードを詰め込めるだけ詰め込んだ結果、ストーリーが駆け足気味になってしまったのがやや残念でしたが、特徴的な演出術の数々や声優さんの演技に台詞回し(特に、薄幸ヒロインの役どころが似合い過ぎる野水伊織さんと、それに対する斎藤千和さんのテンションの高さに感動)、何より可愛らしいキャラクター…は、本作の非常に魅力的なポイントだったと俺は思うわけです。
 
バトルあり、ギャグあり、ちょいエロあり…な本作は、言うなれば少年誌バトル漫画の王道的な作品です。願わくば、「うえきの法則」であるとか「SOUL EATER」といった同系列の漫画作品のアニメ化と同じく、テレ東の夕方枠で一年単位とかでやって欲しかった…という欲望を抑えることはできませんが、それでも「ブラッドラッド」は観ているだけで何だか楽しくなってしまう、そんな良いアニメだったと思います。
 
そして「ブラッドラッド」からは、斉藤良成さんの演出が冴え渡る第2話「ただいまは言わない」を。シャフト的な演出術は、シュールギャグやシニカルでシリアスなストーリーよりも、こういった勢いのある少年漫画原作アニメでこそ観てみたい。
 
■演出が観ていて気持が良くて、しかもカッコ良い! 「ブラッドラッド」!!
 
 

■『GJ部


 
GJ部…この作品を挙げる人の多くが、この物語のあの美しいエンディング、最終回をベストとしてチョイスをすることでしょう!
 
ならば、俺は…敢えての「定番チョイずらし」! ここで、敢えて水着回である第8話「シスターズ・アタック!」を選びます。理由は単純です。女の娘とそれを演じていらっしゃる声優さんが皆、可愛いからです! そして、水着姿が拝めるからです!
 
こう描くと、俺が所謂"キャラ萌え"のみで、このエピソードを選出したのではないかと、眉をひそめられる方もいらっしゃるでしょう。しかしながら、俺は、最終回に至るまでのあのドラマティックなストーリーを消化した上で、尚且つこのエピソードを選んでいる。…この「チョイずらし」感をご理解いただきたい…!
 
GJ部」というアニメを語る際に、その特徴的な声優さんのキャスティングを無視して語ることはできないでしょう。ティーンエイジャーの女性声優さんにアイドルグループ、乙女新党のメンバーを起用。若手声優さんである三森すずこさんですら、その収録現場ではベテラン、年上になってしまうという凄まじく"ヤング"なアニメ、それが「GJ部」なのです!
 
ガタガタガタッ!(膝から崩れ落ちながら)
 
…いや、ス…スマン、「GJ部」の出演声優さんと自分の年齢差を考えたら、思わず眩暈がしてしまってな…。
 
とにかく、そんな若手声優さんが集まり、そのフレッシュで若い感性が炸裂しまくったエピソードがこの第8話だと思うのです。中でもジル役の乙女新党リーダー、葵わかなさんと恵ちゃん役の宮本侑芽さん…彼女達は素晴らしかった…! 俺は、このアニメを通して一発でお二人のファンになってしまった程です。お前さん…やるじゃない!!
 
故に俺は! 自信を持っての「定番チョイずらし」で、この第8話に一票!!
 
■天使恵…恐ろしい子! - 「グッジョぶの音楽祭」で宮本侑芽さんの凄さにビビる
 
 

■『ジュエルペット ハッピネス

桜井弘明監督による「ジュエルペット」シリーズの最新作ジュエルペット ハッピネス。桜井さん…あんた、本当に…"ギャグアニメ者"だねぇ…。
 
桜井弘明監督による「ジュエルペット」は、実に同監督の作品らしいハイテンションとナンセンスギャグが全編に渡って楽しめる出来に。あの第1話を観た瞬間…驚いたね…。「ジュエルペット」という物語が…キャラクターが…完全に、桜井監督のものになっている。どんな原作漫画をアニメ化しても、どんなキャラクターもののアニメをやろうと、キッチリと原作の持ち味を活かしつつ、自分の色に染め上げてみせる。それが桜井監督の真骨頂…!
 
いうなれば、ご飯にかけても、スパゲッティーにかけても、パンに入れても、うどんやソバに入れようとも…元の食材の旨味を引き立てながら、決して己の持ち味を損なうことなく、シッカリと自己主張をしてくるカレーの如し! 桜井弘明=カレー論!!
 
そんな桜井版「ジュエルペット」。これまた、大好きなエピソードが多過ぎて、ナンバーワンを選び難い作品です。しかし、これまた敢えて…! 敢えて、一番を決めるとするならば…のばら回の第15話「お手紙とどける〜!」を。
 
確かに、コメディーとしてのおもしろさならば、桜井監督自身が脚本を手掛けた第9話「 うらないプリン〜!」や第24話の「ヒグマの学校なのです!」。「サンシャイン」イズム溢れるアナーキーなギャグがラストで炸裂する運動会回の第11話「うんどうかいだよ〜!」、或いは、高密度な作画の中でひたすらに馬鹿馬鹿しいコメディーシーンが続く第27話「世界チャピオすごいパカ〜!」…などなど、本エピソードの上を行く話数は多数存在をするでしょう。
 
しかし! 敢えて、ここで俺はのばらの優しさが垣間見える第15話をベストに推します。とにかく、のばらって娘は優しいんですよ。まりえちゃんに対するあの全肯定っぷりとか、何気にちありやルビー達に協力を惜しまない姿とか(この辺の"良い娘"っぷりは、まりえちゃんも然り)。同じく、のばら回で、彼女とジュエルペットのイオの友情を描いた第31話「まりえちゃんにはヒミツでしゅ!」もハートフルで素晴らしかったです。最近の平野綾さんの活動を知らない人は、是非とも「ジュエルペット」での平野さんの活躍とハマりっぷりを観ていただきたい。やるじゃないの、お前さん!
 
 

■『プリティーリズム・レインボーライブ


 
女児向けのカードゲーム販促アニメであるハズなのに、やっているストーリーは「昼ドラ」…その意外性がプリティーリズム・レインボーライブの魅力です。
 
やもすれば、そのショッキングかつセンセーショナルなシークエンスにばかり注目が集まってしまうのも仕方がないといえば仕方がない。例えるならば、牛丼チェーン店のすき家」が繰り広げてくる斬新過ぎる新メニューの数々と同じ。ぶっ飛んだ創作メニューのインパクトが注目を集めるのは、これは自然の摂理。
 
とはいえ、「プリティーリズム・レインボーライブ」という作品を語る際に我々が決して忘れてはいけないのが、このアニメが物凄く真っ直ぐに"スポ根"をしているという…そのベースの部分、ベーシックな作劇のポイントなんです!
 
お好み焼き牛丼に代表される「すき屋」の創作牛丼をおもしろがりつつも、その基本となるシンプルな牛丼の"味"を我々は大事にしなければなりません。決して、基本を蔑ろにしてはいけないわけです。
 
そんな視点で「プリティーリズム・レインボーライブ」という物語を観た時に、"スポ根"ドラマとしての哲学がハッキリと出たこの第12話「はばたけ! 勇気の羽(フェザー)」。自分で自分に限界を設けていたからこそ、自身の能力にリミットを作ってしまい、故に大きな挫折を経験した福原あん。でも、その挫折を味わったからこそ、より高みを目指すことができるのだ…ということを、シビアな勝負論を交えつつこのエピソードは描いている。
 
「私は私に負けたんだ!」は本作における名言の一つ。
 
■「プリティーリズム・レインボーライブ」勝負論のシビアさと真摯さ
 
 

■『たまこまーけっと

出た! 「吉田玲子包囲網」! またもや、吉田玲子さんシリーズ構成のアニメ作品がランクイン! まさに、前門の吉田、後門の玲子! 進むも吉田、戻るも玲子…!!
 
稀代の餅アニメ「たまこまーけっと」。個人的に以前、和菓子屋さんに勤務をしていた経験があり、本作には非常に強いシンパシーを感じながら視聴をしていました。先ずは、出てくるお餅の数々が本当に素晴らしい。お餅で表現をする季節感や京都という舞台のロケーション。…お餅をここまでアニメの演出に効果的に使用をした作品は後にも先にも本作だけでしょう。そういう意味では、「たまこまーけっと」はオンリーワンでありナンバーワンな作品なんです。
 
また、"渋谷系"サウンド、クリエイターを起用した音楽も素晴らしく、これまた独特のポップな世界感を劇中で構築。こうした演出的な部分だけではなく、そのストーリーも温かみのある本当に素晴らしいものでした。ベストには、商店街で育ったたまこが、自分が生まれ育った場所の大切さを…そして、周囲も彼女の存在が自分達にとって如何に大切だったかを再確認した上で、ハッピーエンドが訪れる大団円の最終話「今年もまた暮れてった」を。
 
のんのんびより」や「マジェプリ」にも通じる吉田玲子さんの優しい視点が秀逸なエピソードでした。…「たまこまーけっと」は、吉田玲子さん脚本による京都アニメーション作品の最高傑作だ!
 
ガタガタッ!(PCデスクの机の下に隠れながら)
 

 
いや、スマン。迂闊にこんなことを書くと、けいおん!」ファンに狙撃をされるんじゃないかと思ってな…(意外と小心者)。
 
■「たまこまーけっと」は人生(俺の)
 
 

■『波打際のむろみさん

ギャグアニメの尺は! なきゃないでいい!!
 
…などと、昨今のショートギャグアニメの好調も相まって、そんな極論を展開したくなる程、笑いとショートアニメの相性は良い。尺が短ければ、その分、ギャグは濃密になり、テンポも速くなり、そして笑いのドライブ感は更に加速をする。
 
この「波打際のむろみさん」も15分という枠の中に、そのスピード感とコメディー感を詰め込んだアニメ作品です。何はなくとも、田村ゆかりさんの存在感が素晴らしい。そして、中原麻衣さんや野中藍さんという物語の舞台となる福岡県出身の声優さんで固めたキャスティングにも強いこだわりが感じられ、福岡出身者である自分なんかは強く心惹かれるわけです。
 
そして、この15分という絶妙な放送時間…! 5分アニメでは短か過ぎ、10分でもまだまだ物足りない。そこで、1話15分! この絶妙な15分というスケール。まさに、痒いところに手が届く、抜群の時間のレイアウト。そして、上坂すみれさんが歌う主題歌が流れてきた時のあの多幸感ときたら…!
 
ベストエピソードは、物語のスタートとなった第1話「瀬戸際のむろみさん」を。このエピソード、テレビ放映前に福岡の映画館で行われた先行上映会で目撃をしており、映画館の大画面であのかしましいコメディーが流れてきた時のエクスタシーは決して忘れられない…。「波打際のむろみさん」はね、福岡出身者にはまさに郷土を思い出せてくれる…ソウルフードみたいなアニメだからね。
 
■アニメ版「波打際のむろみさん」は、舞台となっている福岡への愛が凄い!
 
 

■『世界でいちばん強くなりたい!


 
新日本プロレスが大躍進を遂げ、再び、プロレス熱が戻ってきている昨今。そんな中で放送をスタートした女子プロレスアニメ、「せかつよ」こと世界でいちばん強くなりたい!
 
プロレスの試合におけるドラマ性とダイナミズムよりはお色気を重視したその描写の数々は賛否両論あるかと思いますが、練習風景や試合会場の様子などをアニメの中で再現しようとするディティールの部分には、プロレスファンである自分が観ても満足感のある、非常に楽しめる作劇になっていたと思います。
 
何より、若手レスラーが連戦連敗の末に、それでも努力を重ね、厳しい鍛錬を乗り越え、そして強さを手にし、遂に初勝利を掴む…という序盤〜中盤のストーリーが素晴らしい。これまた、「プリリズ」と同じく、突拍子もない設定や刺激の強い描写を用いつつも、キチンと"スポ根"を描いてみせた作品だと思います。
 
また、"プロレス"というちょっと特殊な競技をモチーフに据えたことで「アイドル出身で連戦連敗をしていた新人レスラーに初白星を献上することになる」という風間理緒というレスラーの悲哀、或いはプロ根性にプロレスファンならばイマジネーションを刺激されざるをえないストーリーも良かったです。ベストは、その風間さんがさくらに敗北を喫した第6話「リベンジマッチ!」を。
 
■風間璃緒のサイコロジカル・ボディ・ブルース - プロレスファンから観た「せかつよ」論
 
 

■『みなみけ ただいま


 
そして、やはりベスト10の最後は…川口敬一郎監督の作品から一本、チョイスをして締めたい。…俺みたいな可愛い女の娘が大好きなアニメファンにとってはね、川口敬一郎監督作品っていうのは、観ていてホッと安らげる…そんな馴染みの喫茶店のような…何よりも落ち着ける場所なんだよ。
 
確かに、斬新な作品、刺激的な作品、尖っている作品…。そんなアニメ作品を我々は日々、求めて止みません。しかしながら、可愛い女の娘が出てきて、底抜けに明るくて、何よりも楽しい…そんなエンターテインメント感覚に満ちたアニメ、疲れた時にふと気楽に観ることが出来るアニメ…そういったアニメ作品も必要だと思います。そして、川口敬一郎監督のアニメは、俺にとってそんな理想的なアニメの一つなんです。
 
そんな川口監督が手掛けた日常コメディー「みなみけ」の新シリーズ。「みなみけ ただいま」。本作と川口監督の作風の相性は抜群。イメージBGの多用など、今までのシリーズにはなかった新しい試みも作品のポップなイメージに大きく貢献をし、大成功を収めていたように思います。ベストには、女の娘だけのお泊り回のかしましさや回転寿司のシーンでの浅沼晋太郎さんのツッコミが冴え渡っていた第7話「残暑お見舞い申し上げます」を。
 
今年の川口監督といえば、一昨年、昨年に比べるとテレビシリーズの監督業は減ってしまいファンとしてはちょっぴり寂しく感じたりもしたのですが、他の作品での演出、コンテワークが素晴らしかったですね。特に、「プリティーリズム・レインボーライブ」での一連のOP。アレで自分はtrfのファンになりました。
 
■【みなみけ ただいま】「みなみけ」の速水先輩は、保坂のお嫁さん可愛い【第7話】
 
 

■≪番外編≫『にゃんこい!』


 
上記の2013年に放送をされた10作品のアニメ…に加えて、俺が今年のベストとして語っておきたい作品がズバリ…にゃんこい!」
 
今年に入ってBD BOXのリリース、そして、それを受けてのニコニコ動画での一挙配信…といったファン歓喜&感涙のニュースがあった「にゃんこい!」。まぁ、やっぱり最高におもしろいアニメ、素敵な作品だな、と。
 
本作も個人的な2013年を象徴する作品として、リアルタイムで放送をされた作品と一緒に本作も挙げておきたい…! そして、やはりこのアニメの中でベストの話数をピックアップするとするならば…第9話の「ガールズ・イン・ザ・ウォーター」! コレで勝負ですよ!!
 
加奈子さんというヒロインの切なくていじらしい恋心を描いた本エピソードは、ブコメにおける金字塔的なエピソード。「にゃんこい!」は…素晴らしい…(恍惚)。
 
■「夕やけニャンニャン」 - 「にゃんこい!」における、夕やけのセンチメンタルな光と切ない恋心について
 
 

■≪番外編≫『めしばな刑事タチバナ

更に、アニメのベストと一緒に、こちらも番外編としてドラマからめしばな刑事タチバナを。本作は、2013年に放送をされたドラマで、俺が一番ハマった作品です。原作漫画の持ち味に敬意を払いつつ、"刑事ドラマ"として物語を再構成。主人公のタチバナを漫画よりも仕事ができるキレモノの刑事として描いたチャレンジは個人的には大肯定。原作ファンとしては勿論、ドラマとしても新たな息吹が加わり、非常におもしろかった!
 
ハマり過ぎて、今回のエントリも無駄にアチコチがタチバナ調。そんなベストドラマから一本選ぶとすれば…第9話の…「中華チェーン緊急配備」…!(佐藤二朗さんの表情で)
 
ドラマのキーワードにもなっていた"ソウル"をテーマに"食"にまつわる人々の情熱溢れる姿を描いたドラマが非常に良かった。BLOGとかを書いている人にとっては非常に身につまされるというか、考えさせられる話。観てない方は是非!
 
■ドラマ版「めしばな刑事タチバナ」がおもしろかった! - 実写化に感じた”ソウル”
 
 

■まとめ

そんなこんなで、コレが俺の2013年の話数単位で見たベストアニメ10本+番外編2本。ソウルが溢れ過ぎて、無駄に長くなってしまいました(しかも、文字ばっか!)が、本当にどれも素晴らしく印象に残るエピソードでした。
 
これの他にも「帰宅部活動記録」のしりとり回とかランクインをさせたいエピソードもあったんですが…本当に今年はおもしろい作品が沢山あったなぁ、と。来年も色んなアニメを観て、エモーションと感性をビシビシ刺激されたいと思います。
 
来年もね…俺がやりたいのはただのアニメの話(アニバナ)だよ(最後まで無駄にタチバナ調)。
 
 
 
<関連エントリ>
■2012年テレビシリーズアニメ話数単位10選 - または、2012年のジョン・シナ
 
<関連URL>
■2013年アニメ+特撮・話数単位10選&マンガ単行本単位10選!(ゲームばっかりやってきました)