エロパロについて本気出して考えてみた。

tunderealrovski2008-07-08



以前から、気になっていたことなんだけど、どうしてアニメおたくはエロ同人誌を買うんだろうか?
少し前に、こんなエントリがあった。


結局、ヒロインに求めるのは処女性かよ。 - 何やってんだかアニメ日記


もし、らき☆すたのこなた達に彼氏がいて、「昨日、見たい深夜アニメがあったんだけど、彼氏とHしてる最中だったんだ。どうしても見たかったから、彼に言って騎乗位に変えてもらって、そのまま30分アニメ見ちゃった」、「へ〜それは大変でしたね」とみゆきさんが相槌して、かがみが「あたしは、昨日彼と神社の境内でしちゃった」などとげんしけん第十話みたいなことをいつもの調子でトークしていたら、リモコンをテレビに投げつけてしまうだろう。そんなこなた達だったら萌えない。というかそんなケータイ小説的なヤンキー化した萌えキャラに萌えることが果たしてできるのだろうか? げんしけんの咲に萌えられるかどうかと一緒だろう。処女性が満載のヒロインか、ヤンキー化したヒロインか、泉こなたか、春日部咲か、オタクたちはどっちを選ぶだろうか?まぁ、答えは出てるけどね。絶対にこなたを選ぶだろう。もし、全ヒロインが非処女でケータイ小説の主人公みたいなキャラの萌えアニメがあったら、一体世間のオタクかどんな反応をするのだろう。



結局は、ヒロインに処女性がなければ、深く惹かれない。



アニメおたくがアニメに出てくる美少女キャラに「清純さ」みたいなものを渇望する感覚は、僕もアニメ好きの端くれとして何となく分かる。
引用した文章は例として多少極端ではあるものの、書き手であるid:tokigawaさんの言いたいことは伝わってくる。


一方で、アニメの美少女に「清純さ」を求めているハズのおたくは、「とらのあな」や「メロンブックス」を始めとする専門店や即売会
で大量に「エロ同人誌」を消費している。
「エロ同人誌」は、アニメや漫画、ゲームのキャラクターにポルノグラフィックなイメージを結びつけた二次創作物である。
当然、その中ではキャラクターは犯され、穢され、凌辱される。


僕が、どうしても「おたく」の人達に対して理解と共感ができないのは、一方で「かがみん萌え〜」などと言っておきながら、一方では「らき☆すた」のエロ同人誌を買うことができる、その辺りのスイッチの切り替え方、嗜好のシフトチェンジの巧みさ(?)である。


僕はエロ同人誌を全て否定するわけではない。
嘘は良くないから正直に書くけど、僕自身そういうポルノグラフィックな二次創作物を購入することはある。
といっても、それは好きな漫画家(エロ漫画家)さんの描いたものに限る。描いてる人が好きだから買うわけだ。作品や、キャラクターに対してポルノとしてのイメージを求めるわけじゃない。作家で選ぶから、自分の知らないアニメやゲームが元ネタだったりする。


だけど、自分の好きな作品のエロ同人誌なんてみたくもない。


例えば僕は、「ひだまりスケッチ」が凄く好きなんだけど(原作もアニメ版も)、ゆのっちや宮子をセクシャルな視点で見ている人間がいるっていうのはハッキリ言ってかなりショックだし、嫌だな〜って思ってる。
好きな作品には、「性」のイメージを持ち込まれたくない。ひだまりスケッチの作者である青樹うめさんが、エロゲーの原画をやってたっていうのを知った時も、かなりショックを受けた位だからね。


なんで、おたくはエロ同人誌を買うんだろうか?自分の好きなアニメや漫画のキャラクターが犯されているのを見て「抜く」ことができるんだろうか?
その答えを探して、ネットをウロウロしていたらこんなのを見つけた。


http://news23vip.blog109.fc2.com/blog-entry-1211.html


作品とエロパロ(含、やおい)が異常に親和性が高いことが分かる。このスレッドを見ている人の反応も様々なのだが、

41.ARIAはたくさんあるよな
読みたくないけど・・・



って書き込みをした人の気持ちは割と僕に近いかもしれない。僕も、ARIAは好きだから、やっぱり灯里ちゃんやアテナ先輩が、セクシャルなイメージを押し付けられてるところなんか見たくないよ・・・。
じゃあ、同人誌の魅力とは?っていうのを考えると、id:makaronisanが非常に分かりやすく、その魅力をまとめてくれている。
たまごまごごはん」さんはいつ見ても、勉強になるな〜。


http://d.hatena.ne.jp/makaronisan/20080105/1199467729


しかし、同人誌の魅力について何となく理解できても、前述したように、好きな作品にポルノイメージを重ねて見ることができるおたくの嗜好は、僕にはどうしても理解できない。


斎藤環さんは、「おたく」に言及した著書の中でこう書いている。

戦闘美少女の精神分析 (ちくま文庫)

戦闘美少女の精神分析 (ちくま文庫)


「おたくはかならずしも、キャラクターを偶像視しない。コミケで売られる同人誌の主要ジャンルの一つとして、十八禁ものがある。つまり、著名なアニメ作品のキャラクターをパロディ化して、ポルノグラフィックな作品を仕立て上げるのだ。これがたいへんよく売れる。そして、おたくはおおむね、このようなジャンルに寛容である。」



すると、僕のように「好きな作品が穢されるのは許せない!」「大好きなキャラクターが、エロパロの対象にされているのは耐えられない!」と感じている人間は少数派なのだろうか?

「ときにはキャラクター偶像視がゆきすぎて、このような同人誌を許しがたいと叫ぶファンも居る(中略)彼らはむしろ、真性おたくたちから敬遠されがちな存在となる。おたくたるもの、キャラクターの偶像視は芸風の範囲内でスマートにこなすべきものなのだ。こういう虚実混同派のファンは、おたく共同体においては異端の存在、あえて言えば倒錯した存在とみなされるのである。」



この本の中で斎藤さんは、キャラクターと性欲とを結び付けている「濃いおたくの方」にメールでインタビューも行っている。その方のおたく論が非常に興味深い。

「極端な話、「〜ちゃん萌え」と言って「抜い」ておきながらも、その作品やキャラクターを完全に突き放した視点に立つことが同時にできなければ、おたくなんてやってられないわけです。つまり、すごく熱中して作品を楽しんだり語ったりする側面も当然あるわけですけど、同時にある別の側面では完全に醒めているような状態といいますか。自分の好きな作品をあれこれいじれてこそおたくなわけで、作品を神聖化して奉ってしまったら、それはたんなるマニアとかファンに堕落してしまうんでしょうね。」



おたくであることは、作品のポルノ化を容認すること。


もの凄く極端な気もするが、そう結論づけてしまえば、おたくが「かがみん萌え〜」ということと「らき☆すたのエロパロ」を買うことは何ら矛盾したことではないのかもしれない。












ん〜、でもやっぱり何か納得できないな〜。
お願いですから、誰かハッキリ納得できる理由を僕に教えてください。お願いします!