新房作品における音楽の明快さ

 

 
上で書いたように、若干分かりにくさがある「そらのおとしもの」の選曲センスに比べると、新房作品におけるポップ・ミュージックの引用は明快で分かりやすいですよね。
夏のあらし!」で、細野晴臣によるYMOセルフパロディユニット「イモ欽トリオ」の引用を行ったりとか、とにかく新房監督の80年代リスペクト、テクノポップ愛(というかYMO愛)が全面に出ていて、各作品における一つ一つのピースが通しで見てみてもシックリくる感じ。
 
<イモ欽トリオ / ハイスクールララバイ>

 
そんな新房監督、新作の「ダンス イン ザ ヴァンパイアバンド」の主題歌ではレベッカのカヴァーを起用するようで、この辺のセンスにも「らしさ」が出ていていいなぁ〜っと。80年代のバンドサウンドで敢えて「レベッカ」。ラフィン・ノーズブルーハーツじゃなくて、レベッカっていうところに音楽嗜好やポップ・ミュージックに対する美意識が滲み出ているように感じます。
 
…どうでもいいけど、イモ欽ジャケパロの「悪い子=八坂」「普通の子=上賀茂」は何となく分かるけど、何故に「良い子」役が杉田智和さん声の客(毎回、「塩ください、塩」って言う人)なんだろ?