声優さん目当てに、初めて演劇を生で観てきました! で、思ったことをアレやコレやと

 

 
拙BLOGでも、その名前を度々出してラブ(主に、ヒロインの一人である住吉加奈子さんに対して)とリスペクトを表明している、私の大好きなアニメにゃんこい!」。その「にゃんこい!」で、主人公の高坂潤平役を演じられている浅沼晋太郎さんの作・演出による舞台池田屋チェックイン」を先日、観てまいりました!
 
■舞台『池田屋チェッククイン』公式サイト
 
生で演劇を、お芝居を観るのは、この「池田屋チェックイン」が初めての体験だったのですが、コレが大変におもしろかった&楽しかったので、今回のエントリでは感想をアレやコレやと語りつつ、アニメと演劇について思ったことなんかをちょっくら書いてみたいと思います!
 
 

bpm公演「池田屋チェックイン」

浅沼晋太郎さんが所属しているbpmという劇団は、"ハイブリッド・アミューズメント・ショー"を謳い文句としていうエンターテインメント集団。私は、"声優"浅沼晋太郎さんのファンで、それ以前の…「セーガペイン」のソゴル=キョウ役で名前を知る前の舞台作家、脚本家としての浅沼さんの姿を恥ずかしながら知らなかったのですが、このbpmによる「池田屋チェックイン」という舞台…いや、本当にメチャクチャおもしろかったですね!
 
池田屋チェックイン」は、幕末を舞台にしたスラップスティックなコメディ作品。尊王攘夷派の武士による会合を新撰組の隊士が襲撃した「池田屋事件」をベースに、そこに幕末のヒーローである坂本竜馬を絡めて描く娯楽劇です。
新撰組尊皇攘夷の志に燃える武士たち、その騒動に巻き込まれた池田屋の人々、そして坂本竜馬…といった池田屋事件や幕末のキーパーソンの思惑や丁々発止の駆け引きが複雑に絡み合い、やがてドタバタ騒動へと発展する様をユーモアやギャグをタップリと盛り込んで描いています。この辺りの作劇には関しては、浅沼さんが敬愛して止まないという三谷幸喜氏がクリエイトする芝居や映画、ドラマにも通じるコメディ感覚とスマートな巧みさを感じました。
 
様々な登場人物の行動が同時間軸で展開し、やがてそれが一つの結末へと収束される…という所謂「グランド・ホテル形式」でストーリーが展開する「池田屋チェックイン」ですが、そういう舞台としての上手さや巧みさに加えて、とにかく観ている人を楽しませようというサービス精神、エンターテインメントとしての心意気が2時間15分という上演時間にタップリ盛り込まれていて、演劇初体験の自分みたいな人間でも上演中に一度も集中力が途切れることなく、心の底から楽しむことができました。
 
歌あり、踊りあり、アクロバティックなアクションあり、時代劇らしい殺陣もあれば、芝居ではとにもかくにも思いっきり笑えて、ラストではホロリとさせられる…。正に、"ハイブリッド・アミューズメント・ショー"という冠がシックリとくる、本当に素晴らしいエンターテインメント。
私は、"演劇"というものを、ちょっとこう難しく…例えば、映画や音楽やお笑いのライブなんかに比べると敷居の高い表現ジャンルだと思い込んでいたのですが、そういう自分の既成概念というか苦手意識みたいなのを見事に取り払って、凄くピュアな気持ちで楽しむことができた舞台でしたね。
 
そうそう、そう言えば、本作の公演が行われたのは天王洲の「天王洲 銀河劇場」という劇場だったのですが、ここの会場の雰囲気も抜群に良かったです! こういう機会でもなければ、なかなか足を入れることもなかったので、そういう劇場の空気感を味わえたのも美味しかったです。
 
 

■アニメを観て、演劇を観に行ってみよう!


 
そんな感じで思いっきりエンジョイさせてもらった舞台「池田屋チェックイン」だったんですが、これを観て強く感じたのは劇作家、演出家としての浅沼晋太郎さんの凄さ
ライターとして、或いはプロデューサーとして、そして役者として、この舞台を創り上げた浅沼さんの顔っていうのは、それまでアニメで目にしていた声優としての浅沼さんの姿とは、また違う魅力に溢れていて、私はますます浅沼晋太郎さんのファンになってしまいました。
 
元々、浅沼さんは劇作家とか演劇の役者さんからスタートして、声優というアニメの仕事にやってこられた方なわけですが、そんな風に演劇から声優の世界に入ってこられる方、或いは逆に声優から演劇の世界に入ってこられる方っていうのが、今では割と自由に行き来していて舞台とアニメの両方で様々な表現が行われているんだと思うんです。
 
で、そこでアニメをきっかけにして生の舞台を観に行く、演劇を体験するっていうのは全然アリだと思うんですね。全然アリというか、楽しいしおもしろい! 現に、自分みたいにこれまでアニメしか観てなくて、演劇未体験だった人間が"浅沼晋太郎"っていう声優さんであり舞台人を観る為に、初めて劇場に行って「池田屋チェックイン」という舞台を観て、物凄くおもしろかったし色々な発見があったので。
 
そう! 発見といえば、本作で浅沼晋太郎さんは新撰組沖田総司役を演じていらっしゃるんですが、それが劇中でその自由奔放な振る舞いで周囲を延々引っ掻き回すトリックスター的な役どころだったんですよ。
浅沼さんが主演をされているアニメ作品、「にゃんこい!」や「生徒会役員共」のようなコメディ作品では、浅沼さん演じる主人公って周囲に振り回されるツッコミ役が多かったじゃないですか。「四畳半神話体系」でも、こうボヤキツッコミというか、周囲にいる変人・奇人に対して、延々モノローグを続けるっていう役でしたし、ラジオとかに出ていらっしゃる時も、他の声優さんのツッコミに回ることが多かったので、自分の中で「浅沼晋太郎=ツッコミキャラ」っていうイメージだったんです、ずっと。
そんな浅沼さんが、舞台の上でずっとボケてツッコミを入れられている姿っていうのが、もう新鮮で新鮮で…。
 
こういうアニメを観て持っているイメージとはまた違う演技、キャラクターを観れたりするのも舞台の大きな魅力なんじゃないかなって思ったんです。すっごく。
 
お気に入りの声優さんが出来て…もしも、その方が出演されている舞台なんかがあった時には…劇場に足を運んでみると、その声優さんの違った一面が観れたりして、で、それを踏まえた上でアニメを見返してみると、また違った発見なんかがあったりして…。
こういうジャンルのクロスオーヴァーを含んだ楽しみ方、アニメの観方なんてのも、凄く素敵で楽しいんじゃないかな〜なんて私は思ったんですよね。
 
 

■まとめ

アニメもおもしろいけど、演劇もおもしろいものですね。今回、浅沼さんをきっかけにして観た「池田屋チェックイン」で、何かちょっとまた新しいアニメの楽しみ方を教えてもらった気がします。
しかし、浅沼さんの脚本は本当に素晴らしかった!
 
 
 
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