声優さんが出演する舞台の面白さついてアレやコレやと!

 

 
先日、銀座の博品館劇場に「FRONT LINE mission 3 : Alienという舞台を観に行ってきました。
 
「FRONT LINE」シリーズは、声優としても活躍をされている浅沼晋太郎さんが所属するbpmというアミューズメント集団が定期的に行っているコメディー作品。第三弾となる今回は、人気声優の井口裕香さんをゲストに迎えての公演。
 
浅沼晋太郎さんと井口裕香さんといえば、私の愛して止まないアニメにゃんこい!」の主人公&ヒロインコンビ! 更に、井口さんは何とこの「FRONT LINE」が演劇への初挑戦!! ということで、コレは「にゃんこい!」ファンとして絶対に観に行かなければ! というよく分からない妙な使命感と胸高鳴るドキドキワクワク感、そして、今回が初舞台となる井口さんへの「大丈夫かな〜、井口さん、不安になってないかな〜」という余計なお世話…などなどが入り混じった謎の高揚感で一杯になりながら一路銀座へ。「選ばれし者の恍惚と不安、二つ我にあり」ですよ、前田日明ですよ。
 
そんな無意味に高いテンションで初日の公演を観てきたわけなんですが…いや〜本当におもしろかったです!
 
一時間半という比較的コンパクトな尺でありながらも、そこに詰め込まれた人を楽しませようとする"表現"のエネルギーたるや凄まじく、笑って笑ってラストはジーンときて…という非常に贅沢なステージ。エンターテインメントとして過不足なしの90分。
 
舞台そのものが"作品"として素晴らしかったのは勿論のことなんですが、作、演出を浅沼さんが務める舞台に井口さんが出ているという個人的なプレミア感も非常に嬉しいポイントでした。このお二方の組み合わせは、自分の中でロード・ウォリアーズに勝るとも劣らない豪華なタッグ。確実に、スタイナー・ブラザーズ辺りは超えています。投げっ放しジャーマン&フランケンシュタイナー超え。
  
さて、そんな舞台で自分が一番注目をして観ていたのが、やっぱり井口裕香さん。演劇というアニメとはまた異なるステージに立たれた声優さん…というのを生で目撃した時に、個人的に色々とおもしろい発見があったので、ちょっと今回のエントリでは舞台の感想なんかも含めつつアレやコレやと書いてみたいと思います。
 
 

■やっぱり、声優さんって凄い!


 
アニメの世界で"声優"としては沢山の作品に出演をされている井口裕香さんですが、"舞台役者"として演劇の舞台に上がるのは今回が初めて。とはいえ、とても初舞台とは思えない存在感を発揮されていました。何と言っても、凄かったのはその声量です。アニメと舞台というステージは違えども、やっぱり、声優さんの"声"には抜群の輝きがある。アニメのキャラクターを演じられている時とは、また声の出し方や芝居のメソッドにも違いがあると思うんですが、その辺の差異というのを全く感じさせずに、舞台の上で役をこなす辺りには二次元、三次元関係なしの"女優"としての魅力を感じました。
 
そんな井口さんの姿を、この日の会場に集まった満員の観客も心から楽しみ、そして視線を釘づけにされていたように思います。銀座の博品館劇場での上演というシチュエーション故、この日の観客は年齢も客層もバラバラ。恐らく、井口さん、浅沼さん目当てで来たんだろうな〜という感じのアニメファンっぽい男の子たちもいれば、他の役者さんのファンであろうOL風の若い女性もいるし、この劇場の常連で如何にも演劇ファンらしいちょっとセレブな雰囲気のする壮年のご夫婦なんかもいらっしゃるという。
"アニメ声優"としての井口さんの熱心なファンがいる一方で、そうした前情報なしに完全に"イチ新人"と見ている人もいる。そんな多様な客層が集まった客席からのリアクションも良かったですし、終演後に共演者からこの舞台が井口さんの"デビュー作"であることが告げられると驚きの声も上がっていました。恐らく、"声優・井口裕香"をご存じないお客さんからの声だったんじゃないでしょうか? コレ、アニメファンとして何だか嬉しいトピックスでしたね。
 
今回の舞台では、「エキセントリックなキャラクターのアイドル」という役を演じられていた井口さん。現在も上演中で、今後はDVDのリリースも控えているので、ネタバレ的な舞台上の詳細は余り書けないのですが、井口さんのファンならば会場に足を運んで、是非とも生で観ていただきたい作品です。劇中で、"アイドル"としての井口さんのキュートさを堪能できる素晴らしいシークエンスがありますので。舞台作品としての完成度と構成の巧みさ、コメディー作品としての楽しさに加えて、アニメ、声優ファンの皆さんにはコチラもオススメしたいところ。自分なんかは、アレで完全にノックアウトされてしまいました。圧倒的な多幸感に包まれて、倒れたまんまで10カウント。幸せでした…。
 
声で演技で、あるいはそのチャーミングな魅力で、お客さんを楽しませる…。やっぱり、声優さんって凄いな〜と思いましたね
 
 

■"舞台役者"として、ステージの声優さんを見る面白さ


 
それから、コレは今回の舞台を観て、個人的に凄く面白く感じたポイントなんですが…。演劇のステージに上がっている声優さんを観る時って、普段、声優さんを生で観るシチュエーション…例えば、音楽ライブであるとか、アニメ関係のイベントでのトークショーであるとか、ラジオの公録であるとか…等とは、かなり趣や楽しみ方が違います。
 
まぁ、ホントのホントに当たり前のことなんですが…演劇の場合、観客は圧倒的に受け身なんですよ。
 
例えば、ライブやトークショーなんかの声優さんを観ることができるイベントだと、かなり能動的な楽しみ方ができます。そして、やってる側も、そういうノリを求めているところがあると思うんです。例えば、サイリウムを振ったりだとか、コールをしたりだとか…私も、ちょいちょいそういった場にお出掛けをする機会があるので、そのノリや雰囲気というものを体験したことがあるんですが、舞台だと絶対にそういうことはやっちゃ駄目ですからね。
 
笑い声や拍手はあっても、基本は"演劇"という世界に入ってらっしゃる声優さんを静かに観るという。コレは、普通のイベントで声優さんを観る時とお芝居の舞台に上がっている声優さんを観る時の楽しみ方の一番大きな違いだと思います。こうしてテキストに書き起こしてみると、いやいや、そんなの当たり前じゃないかとお思いになるでしょうが、実際に劇場で体験をしてみると、これが何とも新鮮で、その場にいて非常におもしろく感じました。
 
他の役者さん達も、今回の舞台に井口さんが出演をされるということで、普段の演劇ファンの客層とは異なるアニメファンがお客さんとして来てくれることを分かっていたんでしょう。舞台って開演前に、観劇の際の注意事項を説明することが多いんですが、その時にファンサービスというか客イジリというか、「上演中は飲食はご遠慮ください」とか「携帯電話は電源をお切りください」とかの普段のマナーに交じって、「今回、舞台を初めてご覧になる方もいらっしゃると思うんですが…あの〜間違って、サイリウムであるとかペンライトを持ってきちゃった方はいらっしゃいませんよね?」なんてフックを入れて客席から笑いを取り、開演前の場内を温めてましたから。
 
やっぱり、演劇には演劇特有の楽しみ方と雰囲気があって、その醍醐味に気付いたのも今回の観劇での大きな発見でした。ライブやステージイベントでワーワー言いながら声優さんを応援するのも良いですが、客席に座り舞台上の声優さんの芝居を集中してみるのも良いものです。どちらにもそれぞれの楽しさと魅力がある。アニメ、声優ファンの皆さん、時には劇場に足を運んでみるのも新しい視点が生まれて楽しいと思いますよ。
 
 

■まとめ

今回は、アニメ、声優にフォーカスを絞って観劇の感想を書かせていただきましたが、今回の「FRONT LINE mission 3 : Alien」。本当にお芝居としても楽しく、素晴らしかったです。
7月1日まで公演は行われていますので、ご興味のある方は是非、劇場へ! いや〜それにしても…井口裕香さん、可愛かったです…。
 

 
あと、コレは完全に余談なんですが、生まれて初めて博品館劇場に足を踏み入れられたのも嬉しい体験だったり。銀座の一等地にある洒落ていて高級感のある玩具店。その最上階にある劇場。名だたるコメディアンやら劇団やらが出演をされていて、田舎から東京に出てきてからずっと行ってみたかった場所だったんですよね。でも、何だか敷居が高い気がしていて…。そんな念願の博品館劇場で、ようやくお芝居を観ることができました! それもこれも、大好きな声優さんが出演をされていたから。本当に、アニメって自分に色んなきっかけを与えてくれるな〜と思います。ただただ、感謝!
 
 
 
<関連エントリ>
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<関連URL>
■bpm official website