「たまこまーけっと」第8話に出てきた「栗もち」ってナンダ!?

 

 
たまこまーけっと」のお餅に関するアレやコレやでエントリを簡易更新。
 
お餅については、結構、勉強をしているつもりでしたが…まだまだ知らないこと、沢山あります。
 
 

■「栗もち」ってナンダ!?

以前、お菓子屋に勤務をしていた経験のある人間として、どうしても目がいってしまうのが「たまこまーけっと」に出てくるお餅の描写。
 
エピソード毎に季節が変遷をしていく「たまこまーけっと」。そのストーリーに併せて、劇中では季節を彩る様々なお餅が登場をする。ゲストキャラならぬゲスト餅。春といえば、やっぱり桜餅。夏になったら、宇治金時の中でキンキンに冷えた白玉…。「たまこまーけっと」を観ていると、和菓子屋勤めをしていた頃、店頭に並ぶお菓子やお餅が、月毎に移り変わっていくのを楽しみにしていのを思い出す。
 
と、そんな中で、目に飛び込んできた第8話の餅。
 

 
栗もち
 
…何、それ? そんなお餅知らない…。和菓子屋で働いていた時も、そんなお餅を目にしたことはただの一度もなかった。名前からして、恐らくは栗が入ったお餅なのは間違いないだろうが、果たして栗もちとは一体なんぞや…。
 
 

■「栗もち」について調べてみた!

調べてみると、おもしろいことが分かった。栗もちは、地域性の強いお餅というか、京都の秋の名物なのだ。
 

栗餅(くりもち)は、秋になると、京都で、よく食べられる栗入りのお餅です。やわらかい求肥の皮の中に、栗の甘露煮と、餡子が入っています。
 
どら焼きなどは粒アンが使われることが多いですが、 栗餅は、漉し餡であることが多いように思われます。
京都ならではの秋の味覚
 
栗は上品でシットリとした舌触り。お茶と共に、喉にごっくんと入る、 うまみある栗と優しい餡子(あんこ)の味。
 
「秋を食べてる〜!」という印象になります。
 
 
■栗餅(京都の和菓子☆ドットコム様)

 
成る程、東京で働いていた自分には、どうりで馴染みの薄いお餅だったわけだ。「たまこまーけっと」は、京都の商店街を舞台にした物語。そして、「たまこまーけっと」を制作しているのは、京都アニメーション。正に、京都づくしなアニメの中で、秋の古都を象徴する栗もちがストーリーに登場をしたのは、極々自然の成り行きだったと言えるだろう。
 
この栗もち。引用をさせていただいたエントリにもある通り、生地には求肥羽二重餅(餅粉に水と砂糖を加えて練り合わせた餅。優しい甘さと滑らかな触感が特徴)を使用し、その中に甘露煮の栗を丸々一粒、そして、栗を包む餡にはこし餡を使用するのがスタンダードなようだ。ホクホクした甘さと食感を持つ丸栗とこし餡の相性の良さは抜群。そこに、滑らかなお餅の口当たりが加わるのだから、これはもう相当に美味しいお餅に違いないと思わされる。豊かな甘味と栗と餅による食感のコントラスト。こうして文字にして、その味を想像するだけでも、口の中一杯に豊かな甘味が広がるようだ。思えば、京都は丹波栗の名産地。栗を使ったお餅が秋の銘菓となる文化的、地域的な背景にも納得である。
 
ちなみに、栗もちは、「たまこまーけっと」の「たまや」のモデルになっている京都の名店出町ふたばでも秋になると製造、販売をされているようだ。
 
■京都/出町ふたばの栗餅・・だけど?(近所の和菓子屋さんの豆大福、パン屋さんのあんぱん様)
 
なお、「出町ふたば」本店は餅の表面にきなこをまぶして販売をしているらしい。う〜む…調べれば調べるほど、深い餅だ。栗もち…。
 
こうした地域性に満ちた食文化に気づかせてくれるのも「たまこまーけっと」という作品の奥行きの一つ、そして、京都に根差した京都アニメーションという製作会社のおもしろいところなのだろう。地域愛とお餅愛。お餅に関しては、そこそこの知識のあった自分だけど、まだまだ、この世には知らないお餅が沢山あることに驚かされました。何というか、たまこのお餅愛に感服。
 
 

■おまけ


 
第8話は、このみどりちゃんとかんなちゃんがお餅を食べるカットが良かったですね。可愛い!