「銀河機攻隊 マジェスティックプリンス」 - "凸凹コンビ"が織りなすコントラストと親密さの多幸感

 

 
銀河機攻隊 マジェスティックプリンス第11話「シークレットミッション」。クギミヤ・ケイイリエ・タマキ。二人の女の娘をメインにしたコメディー回。
 
毎回、緊張感と高揚感に溢れた戦闘シーンと丁寧なキャラクター描写、そして凝ったSF設定を盛り込んだストーリーがファンの心を掴んで離さない「マジェスティックプリンス」ではありますが、いわば"幕間"に挿入をされた日常回的な「シークレットミッション」も非常に魅力なエピソードでした。
 
そんなわけで、今回のエントリでは本エピソードの魅力についてアレやコレやと!
 
 

■"凸凹コンビ"が織りなすコントラストの楽しさ


 
この第11話の主役は、クギミヤ・ケイとイリエ・タマキ…ザンネン5の女性パイロットの二人。職業一日体験的な各種制服から、露出度の多いセクシーな水着、果てはコミカルな着ぐるみまで。数々のコスプレ衣装に身を包みながら、おケイさんとタマちゃんが広報活動に邁進する姿を追った「シークレットミッション」。
 
このエピソードのおもしろさというのは、この二人のコントラストのおもしろさですよね。インテリジェンスのおケイさんと天然のタマちゃん。超が付くほどの甘党のおケイさんと塩辛が大好きなタマちゃん。"凸凹コンビ"という言い方が正しいのかは分かりませんが、この2人が織りなすキャラクター性のコントラストとそこから生まれるやり取りが非常に観ていて楽しい。
 

 
凸凹といえば、二人の体型も正にそう。貧乳のおケイさんに爆乳のタマちゃん、おっぱいの大きさに関しても完全に凸と凹のそれで、貧乳のおケイさんは普段のクールな印象とは打って変わって幼児用のスモックを着させられたり、水着になるのを嫌がって怒り出したり…と、コミカルな一面も見せる。この辺りのキャラクターの崩し方とそこから生まれるギャップのおもしろさは、普段のSFロボットアニメとしてのドラマとは趣が違う日常コメディ回ならではの楽しさでしょう。
 
 

■皆、誰かのことを思っている、優しい世界観

そんな何かと対照的な二人がクライマックスで見せる仲の良さは、本エピソードの一番の見どころ。とにもかくにも、この二人が仲良くしているシーンの多幸感たるや…。
 
おケイさんとタマちゃん。性格も体型も好きな食べ物も全くことなる女の娘。そんな二人が相手のことを強く思っているということが分かる最後のじゃれ合いは、「マジェスティックプリンス」の中でも名場面の一つになりえる、本当に素敵で優しく、そして可愛らしいシーンでした。
 

 
"誰かを思う"という視点で観れば、おケイさんとタマちゃんの広報活動と並行して描かれた本エピソードの"準主役"たるアサギとアンナのお買い物シーンも印象に残るシークエンス。また、アサギとアンナのようなパイロットとクルーの良好な関係は、おケイさんの活躍をテレビで見つつ心配をするPURPLE TWOのクルーの描写なんかからも観て取れる。それは、今回は"サイレント"という手法で表現をされていたイズルとスルガの日常に関してもそう。
 
マジェスティックプリンス」は、登場するキャラクターの数が非常に多いアニメ作品だと思うんですが、そんな群像劇の中で、こういったキャラクター描写、或いは、登場人物たちのコミュニケーションを描くのが本当に巧いアニメ作品だなぁ、と唸らされます。
 
 

■コメディー回でもキチンと見せるキャラクラーの特性


 
最後に、「シークレットミッション」の中でも、感心をしたシーンについても。マネージャー役の山田ペコのハンドルで爆走する車の中で、グッタリしているおケイさんと元気いっぱいにはしゃぐタマちゃん。思えば、イリエ・タマキのパイロット特性は、常人を超えた重力耐性の持ち主であり、ハイスピードの機体を乗りこなせることだった。こういったコメディー回でも、キチンとキャラクターの特性が演出されているんですよね。
 
こうやって観てみると、「銀河機攻隊 マジェスティックプリンス」というアニメは、演出やシリーズ構成が凄くシッカリとしているというか、全体を観て凄く良い絵を描けるスタッフさんが揃っているんだなぁ、と思わされます。
 
こうした日常コメディ回でも、キャラクターを抜群に巧く描く、そして、何よりもおケイさんとタマちゃんという2人のヒロインのチャーミングさを存分に楽しませていただいた「シークレットミッション」。大変に素晴らしいコメディー回を観せていただきました。