「プリティーリズム・レインボーライブ」での川口敬一郎監督と音楽の巡り合わせ

 

 
自分みたいなおっちゃんが観てもおもしろいし、心揺さぶられるアニメプリティーリズム・レインボーライブ。そして、本作のOP映像を手掛けるのは、私が大好きなアニメ監督である川口敬一郎さん!
 
そんなこんなで、今回のエントリでは、「プリティーリズム」と川口敬一郎監督についてアレやコレやと!
 
 

■「プリティーリズム・レインボーライブ」とtrf

物語の一つの節目となる"ドリーミングセッション"篇を終え、オープニング曲も変わった「プリティーリズム・レインボーライブ」。trfの「BOY MEETS GIRL」から「EZ DO DANCE」へと。「BOY MEETS GIRL」が、主人公たちが自分達にとっての大切な人やライバル達に出会うまでを描いた物語を象徴していたとするならば、「EZ DO DANCE」は、その出会いを通して踊ることの喜びや難しさを知った…ダンスに対して真の意味で向かい合うことになった彼女たちからのメッセージということになるのでしょうか? 単純に過去の曲のカヴァー、タイアップというだけでなく、曲のタイトルが物語の内容とシンクロしているのは非常にグッときてしまうところ。
 
また、曲とアニメーションのマッチ感も素晴らしい。特に、サビの部分での本来はバンクシーンであるハズの3Dアニメーションによるダンスシーンとメロディーのシンクロ具合の高さ…それらがもたらす高揚感ときたら…。trfの楽曲が、ああいうポップでアッパーなダンスにフィットするというのもあるのでしょうが、20年の時を経て90年代のヒット曲が、2010年台のキッズ・アニメと強く結びつくというのは、これはもうちょっとした奇跡。巡り合わせのおもしろさということになるのではないでしょうか?
 
さて、そんな"巡り合わせ"のおもしろさを自分に感じさせてくれるポイントが、「プリティーリズム・レインボーライブ」のOPにはもう一点。それは、このアニメーションの絵コンテと演出を担当されているのが、川口敬一郎監督であること。監督作でも、数々のポップな映像を…特に、オープニングに関しては素晴らしい"作品"を数多くクリエイトしてきた川口監督。そんな川口監督が手掛けてきたアニメーションと音楽にまつわるアレコレを振り返ってみると、これがまた興味深いものが見えてきます。
 
 

川口敬一郎監督と音楽の巡り合わせ

オタク向けのギャグやパロディー、そして可愛い女の娘が沢山出てきて、ちょっとエッチなコメディーが得意…な川口敬一郎監督。そんな監督ではありますが、何気に監督作で、或いは、コンテや演出で参加をしたアニメ作品で、様々な"音楽"とコラボレーションをしているのがおもしろいところ。
 

 
例えば、「月面兎兵器ミーナ」のOPではHALCALIと、そしてEDでは井上麻里奈さんのプロデュースワークという形で、中田ヤスタカさんと"共演"。更に、「SKET DANCE」ではあのthe pillowsと遭遇し、「プリティーリズム・レインボーライブ」ではtrfと邂逅…と、何気にエッジの効いた音楽が作品内で使われているんです。
 
恐らく、監督の作風と相性の良い音楽というのは「ハヤテのごとく!」や「にゃんこい!」「まよチキ!」「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ」といった作品で聴くことができた声優ソング、美少女ゲームの歌い手さん達によるそれではないかと思うのですが、時に、川口監督の周りにはそういった音楽とは趣をやや異にし、ポップ、ロック・ミュージックが顔を出すことがある。
 
これが、鶴巻和哉監督や小林治監督のような自身の作品にロック・ミュージックのエッセンスを持ち込むことの多い、"ロック魂"みたいなものを持ったアニメ監督ならばそんなに意外性は感じないところなんですが、川口監督の場合はそうじゃない。良い意味で"オタク"に親和性の高いアニメを作り続けられている同監督の作品が、時にHALCALI中田ヤスタカピロウズtrfとクロス・オーヴァーをするところがギャップがあって凄くおもしろく自分には感じられるんです。
 
で、そこでどんな音楽がこようと、素晴らしい映像を作ってしまうことができる川口監督の凄さですよね。私は、監督のそういうところも大変に大好きで…。前述の通り、今年に入ってからの「プリティーリズム・レインボーライブ」でのOPでも、いたく感動をさせていただいております。音楽とアニメの出会いのおもしろさ…そういったエモーションを与えてくれる監督でもありますね、自分にとっての川口敬一郎というクリエイターさんは。