「帰宅部活動記録」のポップ・フィーリング

 

 
帰宅部活動記録」を観ていて感じたアレやコレやでエントリを更新! こういうカラフルでポップなアニメ、やっぱり良いですね!!
 
 

■「帰宅部活動記録」に見る川口敬一郎監督的なポップ感

今夏から放送をスタートした「帰宅部活動記録」。放送前には、日テレの深夜枠で、謎の部活動の日常を描いたアニメ作品で、更にOPには乙女新党を起用…という事前情報を聞き、GJ部のファンとしては同作品で感じた笑いと感動を今一度! なんて息巻いていたのですが、いざ放送がスタートしてみれば本作はハイテンションかつアッパーな笑いが持ち味のコメディー作品で、「GJ部」よりはもっと"グッ"とギャグ寄りのアニメ作品という印象を受けました。
 
とはいえ、可愛らしい女の娘がかしましく画面を彩る様子や劇伴、主題歌から溢れるポップ感には、「GJ部」やにゃんこい!」「みなみけ ただいま」「お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっといった明るく、楽しいコメディー作品に相通じるものが。
 
…と、「GJ部」以外は全部、意図的に川口敬一郎監督のアニメ作品を並べてみたんですが、そうなんです! この「帰宅部活動記録」。私、本作に物凄く川口敬一郎監督がクリエイトをするアニメ作品に近しいポップ感、コメディー感を感じていまして…。
 

 
例えば、このカラフルなイメージBGの使い方。この明るくビビッドな色使いであるとかデザインなんかは、川口監督が近作で頻繁に使用をされているそれに凄く感覚が近い。
 

 
特に「みなみけ ただいま」のあの明るい色彩感覚に似たフィーリングを受けますよね。私、第一話を観た時に、「これは間違いなく川口監督が絵コンテや演出で関わられているに違いない!」と確信をしまして、エンドクレジットを追いかけてみたんですが、そこに川口監督のお名前はなく…アレは、結構な驚きでした。故に、第二話の絵コンテに川口監督が参加をされているのを見た時には、「やっぱり!」とも思ったんですが。
 

 
そんな川口監督のコンテが入った第二話。太ももとか、女の娘の身体に対するフェティッシュな…もっとストレートな言い方をしてしまえば"エロ"な描写が目を引きましたが、この辺は如何にも川口監督らしいシークエンスというか…。本作の脚本家、シリーズ構成が雑破業さんというのも凄い。脚本、雑破業、コンテ、川口敬一郎という破壊力。可愛い女の娘のお尻とかおっぱいとか観れたらいいやないか! ウルフルズばりに"とにかく笑えれば"それでええやないか!! と言わんばかりの圧倒的な説得力。
 
<ウルフルズ / 笑えれば>

 
パロディーてんこ盛りのギャグ描写とか、エフェクトなんかも川口監督っぽいし、川口敬一郎監督の大ファンである自分なんかは、もう画面を観ているだけで楽しめる「帰宅部活動記録」。そういえば、本作のツッコミ役である安藤夏希役の木戸衣吹さんは、川口監督の「おにあい」でも主演を務められていたな…などと、川口監督の作品を通してのリンクも。こういった諸々の個人的な思い入れも込みで、そのカラフルな世界観には思わず惹かれてしまいます。
 
 

■ポップでカラフルな「帰宅部活動記録」の魅力

大ファンなもので、思わず川口監督の話ばかりになってしまいましたが、気になるのは本作に溢れるポップ・フィーリングが一体どこから生まれているのかということ。
 
前述の通り、私はその演出やイメージの数々に川口監督の影を見出してしまい、てっきり、川口監督が大きく本作に関わっているのかな、と思っていたのですが、第一話の絵コンテを描かれているのは本作の監督である佐藤光さんですし、この辺りは佐藤監督の意匠が強いのか…。私なんてアニメファンとしてはホントに半可通な人間ですので、なかなかスタッフクレジットからの因数分解というのが出来かねる部分があるんですが、それにしたって気になります。
 

 
個人的には、アニメで普遍的なポップのイメージ、カラフルなイメージを散りばめた結果、そうした画作りに強い川口監督の作品にも通じるフィーリングが生まれたのかな? なんて思っているんですが、まだまだ「帰宅部活動記録」というアニメは始まったばかり。もっとジックリと作品に向き合って、探っていきたいですね。取り敢えずは、私のちっぽけな感性と視界で想像する以上に、世界ってもっとポップでカラフルで色彩に満ちているんだな、と。
 
ベタ、メタ、萌え、パロディー…笑いの為ならあらゆるギャグを全力で放り込んでくるコメディー描写と同様に、あらゆるイメージ、演出を使ってポップな画面を作り上げる「帰宅部活動記録」。明るく、楽しく、そして可愛いものの為に全力投球をする姿勢は応援をしたくなります。
 
あと、応援をしたくなるといえば、やっぱりOP曲「2学期デビュー大作戦!!」を歌っている乙女新党! 彼女達の主題歌があれば、"ポップ"な作品としてはもう十分。余計な言葉はいらないという気も。「GJ部」の時もそうでしたが、この娘たちが醸し出す多幸感ってホントにハンパじゃないですよね。
 
<乙女新党 / 2学期デビュー大作戦!!>