「のんのんびより」のBGMとエレクトリックなサウンドの使い方

 

 
テレビアニメのんのんびよりが相変わらずおもしろ過ぎて大好き過ぎます。物語も折り返し地点を過ぎて、残り数話…というのが本当に惜しい! まだ最終回前にも関わらず、フライング気味の意見で申し訳ないのですが、是非とも本作は2期、3期…と続けていって欲しいなと思います。
 
さて、そんな「のんのんびより」。ちょっと劇中での音楽の使い方がおもしろく感じたので、今回のエントリではその辺りについてアレやコレやと書いてみたいと思います。
 
 

■アコースティックな楽曲が魅力の「のんのんびより」のBGM


 
れんちょんが登校中に吹いているリコーダーの音で幕を開けたアニメ「のんのんびより」。その冒頭のシーンに象徴をされるように、このアニメの中では、全編に渡ってアコースティックな楽器によって奏でられる音楽がBGMに使用をされています
 
リコーダーやピアノといった楽器によって奏でられる楽曲の数々は、長閑でゆったりとしたアニメの世界観にピッタリ。アコースティックらしい温もりと人間味のあるBGMは、「のんのんびより」の世界観、空気感を形作るのにも大きく貢献をしているように思います。また、トラックの数も多く、例えば劇中で童謡のメロディーを使用したりと遊び心もタップリ。この辺は本作の音楽を手掛けられている水谷広実さんと音響スタッフさんのセンスの良さがキラリと光っているな、と。
 
 

■「のんのんびより」でのエレクトリックな楽器の使い方

そんな「のんのんびより」のBGMで、おもしろいのが時々顔を出すエレクトリックな楽器の使い方。アコースティック楽器がメインのBGMの中で、不意にエレクトリックな音が挿入をされるシーンがあるのですが、その使い方がなかなかにユニークなのです。
 

 
例えば、「のんのんびより」の劇中で初めて打ち込みによるメロディーが出てきたシーンというのが、第7話「せんべいがカレーになった」でれんちょんが夢中になって観ていた特撮番組「グレートマン」のBGM。…珍しくエレクトリックな楽器、メロディーが画面に登場をしたかと思ったら、使うのそこかい! という物凄い飛び道具的な使用の仕方です。劇中劇の劇伴ですからね。
 
また、第8話「学校でごはんを炊いた」でもエレクトリックな楽器を使ったサウンドが顔を出すのですが、それというのがコマちゃんがポータブルCDプレイヤーで音楽を聴いているシーンとお兄ちゃんがエレキギターを弾くシーン。
 

 
この2つの場面では、それぞれ「コマちゃんが聴いているJ-POPのCD」と「お兄ちゃんが弾いているエレキの音」で、BGMのアコースティックなメロディーとはニュアンスが異なる音が使われています。
 
こうして観てみると、「のんのんびより」ではエレキギターや打ち込みの音って、あくまで劇中で物理的に流れている音、"リアルタイム"な音として使われていることに気付かされます。所謂"BGM"的な使い方じゃないんですよね。イメージではなく、オンタイムな音のみにその使用が限定されている。あくまで、"サウンドトラック"として使用をされているのはアコースティックなサウンド
 
このように、「のんのんびより」は音楽の使い方一つとっても凄くこだわりがあるというか、おもしろさと発見があるように思います。劇伴のメロディーもいずれも素晴らしいですし、DVDやBDの映像ソフトと併せてサントラのリリースも楽しみな作品ですね。
 
 
 
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