「スペース☆ダンディ」とアイドル、その組み合わせの妙

 

 
現在好評放送中のアニメスペース☆ダンディについて、ちょっと気になるポイントがあったのでBLOGを簡易更新。
 
 

■「スペース☆ダンディ」に出てきた方言

スペース☆ダンディ」第6話「パンツとチョッキの戦争じゃんよ」を観た。それぞれ、パンツとチョッキしか身に着けない異星人同士が延々戦争を繰り広げている惑星を舞台に、主人公のダンディたちがその諍いに巻き込まれる…というちょっとシニカルなSFストーリーだ。
 
おもしろかったのが、この戦争中の宇宙人…パンツしか着ないパンツ星人とチョッキしか着ないチョッキ星人…が劇中で何故か九州弁で喋るところ。九州の福岡県出身である自分としては思わず注目をして観てしまうポイントで、公式twitterでの情報によるとそれぞれ八代弁(熊本弁)と北九州弁を喋っていたようだ。
 
本エピソードでは異星人が何故か方言を喋る…という設定が何ともいえないシュールさとおかしみを生み出しているのだけれど、アニメや漫画で異星人が方言を喋るという設定は「うる星やつら」のラムちゃんの語尾における「だっちゃ」という仙台弁や、「ケロロ軍曹」で主人公のケロロが喋る熊本弁…といった具合に他の作品でも沢山観ることが出来るし、それ単独ならば特別珍しい表現ではない。
 
それでも、自分が「スペース☆ダンディ」の九州弁に強く興味を覚えたのは、エンディングで台詞の監修として福岡のローカルアイドルLinQのメンバーの名前がクレジットをされていたからだ。
 
 

■「スペース☆ダンディ」とアイドル

 
LinQは、九州の福岡市を拠点に活動をするアイドル集団で、所謂"ロコドル"と呼ばれるグループだ。こういった地域密着型のアイドルグループの中では注目株の一つであり、その活動は歌謡曲のカテゴリーを乗り越え、近頃では人気インディープロレス団体DDTの興行にメンバーが参戦をしたりと様々なポップカルチャーにも意欲的に進出をしているようだ。
 
LinQ / カラフルデイズ>

 
アイドルとアニメのクロスオーヴァーは、近年、様々な作品内で行われており、アイドルグループによる楽曲のタイアップは勿論、アイドルが声優としてアニメ作品に参加…という事例もどんどん増えてきている。例えば、アイドルグループ乙女新党の楽曲をオープニングナンバーに用い、メンバーを声優としてもアニメの美少女キャラクターに起用をしたGJ部なんかは、こういったアイドルとアニメのミクスチャー的な作品として自分の中で非常に印象深い。
 
そういう視点で観てみると「スペース☆ダンディ」という作品もアイドルカルチャーと結び付きが強くあって、作品中の主要キャラでありマスコット的な存在であるロボットのQT役には、アイドルグループ9nine佐武宇綺さんがキャスティングをされている。QTのキュートの容姿と言動も相まって、非常にチャーミングな声で魅せてくれる佐武さんだが、余りにもアニメ声優としての演技が自然なので本職がアイドルの方だとは思わず、「スペース☆ダンディ」鑑賞後にそのお名前をWebで検索をして本当にビックリしたものだ。
 
9nine / SHINING☆STAR

 
アイドルを主要キャラの配役に抜擢したり、ロコドルを方言の指導に用いたりしている「スペース☆ダンディ」。渡辺信一郎総監督発信であろうロックや映画のエッセンスがタップリと詰まった本作で、ちょっと奇妙で尚且つ興味深いエッセンスになっているのがこういったアイドルの登場。これは一体どういった繋がりなのか? どなたのアイデアなのか? と非常に好奇心をそそられている。何でも、今月発売の「月刊ニュータイプ」では本作の"監督"である夏目真悟監督と佐武さんの対談が掲載をされているそうで、その辺りから何か読め取れたりするのだろうか?
 
いずれにせよ、個人的には"ハードボイルド"のイメージが強かった渡辺監督の作品に不意に登場をした"アイドル"というコンテンツ。その取り合わせの"妙"には今後も注目をしていきたいと思う。…というか、「スペース☆ダンディ」にアイドルが取り入れられている理由。ご存知の方がいらっしゃいましたら、どなたかご教授ください!
 
 
 
<関連エントリ>
■「スペース☆ダンディ」の映画リスペクトと映画音楽へのオマージュ