『人生』のオープニング曲と『白銀の意思 アルジェヴォルン』のエンディング曲






■『月刊少女野崎くん』主題歌「君じゃなきゃダメみたい」、ファンクなアニソンが素晴らしい!


前回のエントリで月刊少女野崎くんのオープニング曲について書かせていただいたのですが、今回も夏アニメの楽曲に関するエントリを。


今回、自分がピックアップをしたいのが、『人生』のオープニング曲である「凸凹解決せんせーしょん」白銀の意思 アルジェヴォルンエンディング曲の「フェイス」。そんなこんなで、この2曲についてのアレやコレやを!




■『人生』の「凸凹解決せんせーしょん」




夏アニメ主題歌の中でも「君じゃなきゃダメみたい」と同じくお気に入りの一曲になっているのが、『人生』のオープニング曲で、乙女新党のメンバーである高橋優里花さんと田尻あやめさんが歌う「凸凹解決せんせーしょん」。『GJ部』や『帰宅部活動記録』の主題歌も歌っていた乙女新党ですが、今回の新曲は『GJ部』に声優としても参加をされていた葵わかなさんと荒川ちかさんの"卒業"を受けてのデュエットという形態でのリリース。


葵さんのファンで乙女新党を追い掛けていた自分としては、果たして乙女新党はこれからどうなってしまうのか……といらぬ心配をしていたのですが、今回の「凸凹解決せんせーしょん」もこのグループらしい中毒性のあるポップ・フィーリングに溢れた楽曲で、川口敬一郎監督が手掛ける明るく楽しい『人生』の世界観にもピッタリ。『GJ部』ファンとしても葵さんと荒川さんの卒業は非常に寂しいんですが、新メンバー加入後の乙女新党の活動も応援していきたいなと改めて思った次第です。


そんな「凸凹解決せんせーしょん」。曲調としては、『GJ部』の「もうそう★こうかんにっき」にも通じるミクスチャーロックっぽいスピード感とノリの良さに、所謂"電波ソング"的なアニソン独自のポップ感覚を加えた様な楽曲となっています。カッティングがカッコ良いギターサウンドと突っ走るドラムを中心にしたバンドサウンドに、シンセの音やSE的なサウンドが被さる非常に多層的な音の構成がとてつもない爽快感を与えてくれる楽曲です!


これ、物凄く良く出来た曲だなと思うんですが、ビックリするのが、この曲を作った作曲家のy0c1eさんが、今期この『人生』と同じく『白銀の意思 アルジェヴォルン』のエンディング曲「フェイス」をクリエイトしているという事実です!




■『白銀の意思 アルジェヴォルン』の「フェイス」




勿論、売れっ子の作曲家さんや作詞家さんが同時期に複数のアニメ主題歌に関わること自体は決して珍しいことではありません。ただ、このy0c1eさんが作った夏アニメの「凸凹解決せんせーしょん」と「フェイス」という2曲。何が凄いかって、曲調が全然違うんですよ!


三澤紗千香 / フェイス>



前述した様に「凸凹解決せんせーしょん」は、アニソンらしいポップでハイテンションなミクスチャーソングですが、『アルジェヴォルン』の「フェイス」は、もっとグッとストレートなロックサウンドに寄っていて、この2曲を聴き比べてみた時の印象はかなり異なる……というか、大袈裟にいえば音に共通項がほとんど見えてきません。


敢えてポイントを挙げるとすれば、バンドサウンドを大事にしつつキーボードやピアノといった鍵盤楽器を印象的に使用している……ということぐらいでしょうか? もっと深い部分で、相通じるものがあるのかもしれませんが、自分の耳と感性では、その位しか汲み取れませんでした……。


普通、アニメの作曲家さんって、得意としている曲調や音のスタイルというのが各楽曲を聴いていると見えてくるものなんですが、y0c1eさんの場合はそれが全然見えてこない……それが、自分の中では非常におもしろくて、この2曲というのが強く印象に残ったわけです。y0c1eさん、凄いな! と。




■この2曲の作曲者さんについて調べてみれば……

そこで、y0c1eさんという作曲さんについて調べてみたんですが、ここでも個人的にビックリする事実があったんです。y0c1eさんは株式会社一二三という音楽プロダクションに所属をしていらしゃるんですが、その株式会社一二三というのが、y0c1eさんもメンバーとして活動をされているパジャマパーティーズであるとか、DJ WILDPARTYであるとか、mochilonさんであるとか……そういったインターネットとクラブシーンを股にかけて活動をされているクリエイターさんが数多く所属をされているプロダクションらしいんです。


そこで、「あーっ!」ってなったんですけど、この辺のアーティスト、クリエイターさんのお名前って、自分がBLOGを始めたばっかりの頃に主にはてなダイアリーで見聞きをしていた固有名詞でして、それっていうのは、今、Maltine Recordsを主催されているid:tomadさんのはてダ「DIG@BOOKOFF」(現在は、こちらの更新は止まっていますが……)で知った文化圏。


当時は、音楽とオタク文化をミックスさせて語るっていう切り口やテクノ、クラブミュージックというそれまで自分が知らないサウンドを紹介しているのは凄くおもしろくて、よくBLOGをチェックさせていただいていた(この「DIG@BOOKOFF」さんと、あとid:moistlyさんのBLOGが大好きでした)んですが、そこで紹介をされていたアーティストやクリエイターさんが今では音楽プロダクションにまとまって所属をしていて、アニメの主題歌を作られているとは知りませんでした……。


この辺りのアーティスト名を自分がWeb上で頻繁に目にしていたのは、初音ミクが爆発的なブームになるちょい前かちょい後ぐらいじゃないかと思うんですが、自分が同人音楽とかにもちょっと興味があった頃で、その後、「同人音楽とかインターネット上の音楽=初音ミク」みたいな感じになっちゃって、自分は離れてしまったんですが、まさか、こんな形で当時の先鋭的な同人音楽の作り手達と再会をすることになろうとは……。ホントに、音楽っておもしろいと思います。はい。




■まとめ

そんなこんなで、色々とおもしろい発見もあった「凸凹解決せんせーしょん」と「フェイス」という今期のアニメ主題歌2曲。繰り返しになってしまいますが、この2曲は作り手が同一人物にも関わらず、曲調やスタイルが全く異なっていておもしろい! これからも、y0c1eさんがどんな曲を作られるのか非常に楽しみですね。