"話数単位で選ぶ年度別アニメベスト10"企画に参加される人たちに知っておいて欲しいこと






先日、『ウレぴあ総研』様に私の新しい記事がアップをされました。


■ベビメタ、BiS、竹達彩奈…人気アイドル・アニソンを影で支える「パンクブーム」の影響力


今回は、90年代末〜2000年代前半に巻き起こったパンクブーム、インディーズブームに絡めて、現在のアイドルソングや声優ソングのアレやコレやを書かせていただきました。SCAFULL KINGのTGMXさん作曲による竹達彩奈さんの『週末シンデレラ』を最初に聴いた時は本当に衝撃でした……。


そんなこんなでアニメを観たり、アニメを観た感想をBLOGに書いたり、時にはライター業をやらせていただいたりしながら楽しく過ごしてきた2014年も12月の半ばを過ぎ、もうそろそろ終わろうとしています。


そして、毎年、この時期になるとアニメ好き、BLOG管理人として気になり始めるのが恒例のWEB企画"話数単位で選ぶ年度別アニメベスト10"。この企画、皆さんは御存知でしょうか? 簡単にいえば、その年に放送されたアニメ作品でおもしろかった話数10本を皆で選ぼう! という企画です。アニメ関係のブロガーさんを中心に、毎年、結構な数の参加者(私も毎年参加をしております)があり、その集計を行ってくれる『新米小僧の見習日記』というサイトさんもある程です。


そんな"話数単位で選ぶ年度別アニメベスト10"。今年はマイベスト10を選ぶ前に、ちょっと書いておきたいことがありましたので、今回のエントリでアレやコレやと!




■"話数単位で選ぶ年度別アニメベスト10"の原点

今では、アニメBLOGをやっているブロガーさんの中で、年末の恒例行事になっている感がある"話数単位で選ぶ年度別アニメベスト10"ですが、その元を辿れば一番初めにそれを始めたのは『karimikarimi』karimikarimiさん。2010年のクリスマスイヴにアップをされたエントリが、そのスタート地点。


■話数単位で選ぶ、2010年TVアニメ10 karimikarimi選


この記事に刺激を受けた他のアニメBLOGが同趣旨によるそれぞれのベスト10を次々にアップし、それがそのまま年末の恒例行事に。2010年から数えて、5年目、5回目の開催になるわけで、気が付けば息の長いWeb発の企画となりました。


これ以前にも、年度別のベストアニメみたいな内容のエントリは様々なBLOGで書かれていたのでしょうが、共通のルールを設けて同時多発的にベスト作品を選出する……という企画内容はよくよく考えてみればありそうでなかなか無かった新機軸。


とはいえ、実は、アニメブロガーを集めて同一のルールでベスト作品を選ぶ……という企画自体は、karimiさんが話数単位でのベスト10を選ぶ以前にも存在をしていたんです。それが、前年の2009年末に開催された"2009年ベスト/ワーストアニメ"はてなダイアリーのアニメ批評BLOG『EPISODE ZERO』管理人のエピゼロさんと同じくはてダのアニメ批評BLOG『反=アニメ批評』さん主催で行われた企画でした。


現在では、『EPISODE ZERO』が閉鎖された為、当時のエントリは散逸してしまっており、それらをまとめて読むことは少し難しくなっているのですが、企画の趣旨としてはタイトル通り2009年に放送をされたアニメ作品の中からベストとワーストをそれぞれ一作品ずつピックアップをする……というものでした。




■"話数単位で選ぶ年度別アニメベスト10"以前の年末ベスト企画

この企画は、"ワースト"も選ばなくてはならないというのがポイントで、今思い返してみれば、人文系、社会学的な視点からのアニメへのアプローチを得意としていたエピゼロさんや反アニさんのアイデアらしく、ちょっとシニカルな視点を含んでいたように思います。その時に、karimikarimiさんは、こんなエントリを書かれていました。


■2009年ベスト/ワーストアニメ karimikarimi選


ベストとワースト、それぞれに獣の奏者 エリンを選ぶことで、巧妙にワースト作品を選出することを忌避したチョイス。思えば、この時点でkarimiさんにはシニカルな視点を排して、もっと純粋にその年のベストアニメを決めたいという思いがあったのかな、なんて私は勝手に思っているんですが、その真相はどうあれ次の年にkarimiさんがアップをしたのが前述のエントリ。そこから様々なアニメブロガーに拡散をしていったわけで。


また、毎年投票の集計を行ってくれる『新米小僧の見習日記』さんというレフェリー的な存在が登場したことも、本企画が定番化し広がりを見せていく中で、非常に有意義な出来事だったと思います。新米小僧さんのBLOGを読んで、この企画の存在を知った人も凄く多いんじゃないでしょうか? でも、実はその原点はkarimiさん。しかも、それは他の人に呼びかけて、賛同者を募るようなものではなく、極々個人的で純朴なエントリだった。それが、ここまで広がりを見せたのだから、やっぱりBLOGって面白い。と、同時に、そんなグレートな企画の創始者が『karimikarimi』というBLOGだったということは皆さんにも知っておいていただきたいな、と私は思うのです。




■"話数単位で選ぶ年度別アニメベスト10"のここが好き!

何で、この"話数単位で選ぶ年度別アニメベスト10"がアニメブロガーの間で定着をしたかというと、やっぱりコンセプトが秀逸だったからだと思うんです。"ベスト"と"ワースト"というネガポジの両極端をピックアップするのではなくて、アニメファンとしての気持ちから素晴らしいと思ったアニメ作品のエピソードを10本選ぶ。そして、その選出した10本にも順位は付けない。上下、優劣の無い10本。改めて考えてみても、凄く優しくてポジティブな企画です。


また"話数単位"というコンセプトも良いです。1クール、半年間、通年……という各作品毎の放送期間の枠組みを超えて作品を語ることが出来ますし、アニメは演出や絵コンテ、脚本に参加をしたスタッフによってエピソード単位で大きく顔を変える表現文化ですから、そこに着目することで、選出者の好みやアニメの観方が浮き彫りになってきます


"短距離走"的なアプローチから選出者のキャラクターも見えてくる、それが"話数単位で選ぶ年度別アニメベスト10"。私も、毎年様々なアニメブロガーさんが選んだベスト10を見るのを楽しみにしております(新米さん、毎年お疲れ様です! 今年もよろしくお願いします!!)。勿論、参加するのもとても楽しい。今年も、きっと本年度のベストエピソードを10本、あーでもない、こーでもないとギリギリまで悩みながらチョイスをすることでしょう。




■最後に

そんなこんなで、今回のエントリでは年末の恒例企画"話数単位で選ぶ年度別アニメベスト10"についてアレやコレやと。今はSNS全盛の時代で、本企画がスタートした5年前に比べてもアニメブログの数も随分減ったことかと思います。初年度に参加していたアニメBLOGの中でも、閉鎖や更新停止をしてしまったところは多いです。


それでも、本企画が来年も再来年も、そのまた次の年もその次の次の年も……この"話数単位で選ぶ年度別アニメベスト10"が開催し続けられることを切に願います。




■追記

上記の記事をアップロードした後、twitterにて『mike_nekoのアニメ雑感』id:mike_nekoさんが、karimiさんよりも先に同趣旨のエントリを書かれていたというご指摘を受けました。そちらのエントリがコチラです。


■話数単位で選ぶ、2010年TVアニメ10選


確かに、karimiさんよりも日付が一日早い……。mike_nekoさんゴメンなさい! ただ、同企画を広めたkarimiさんに対する敬意を表する為にも、本文はこのまま残させていただければ幸いです。改めて、こんな素敵な企画を考えてくれたkarimiさんとmike_nekoさんに感謝とリスペクトを。