特撮ヒーローファンから観た『魔法つかいプリキュア!』雑感、アレコレ






先日、放送をスタートした『プリキュア』シリーズ最新作『魔法つかいプリキュア!』。


ストーリーや世界観については、これから徐々に明らかになるにつれて色々と語りたいことが増えていくのでしょうが、先ず大きなファーストインパクを受けたのがオープニング曲『Dokkin魔法つかいプリキュア!』。


シリーズにおけるキーワードになりそうな魔法の呪文「キュアップラパパ」を筆頭に、「ズキズキときめき」「Dokkin-Dokkin」といったラブリーな歌詞が満載の楽曲なれど、何とこの曲の詞を書いたのは大ベテラン作詞家の森雪之丞先生。
御年62歳、歌謡曲界の重鎮がこんなピュアでキュートな言葉を紡いだのかと思うと、コクと味わい深さが一気に増しますよね。


我々世代のオッサンアニメファンなんて、子どもの頃に『キン肉マンGo Fight!』や『CHA-LA HEAD-CHA-LA』、『お料理行進曲』といった森雪之丞アニソンによって、音楽的感性を育まれたようなもの。キャラクターや作品性を歌詞へと昇華させる巧みさは、今回の『Dokkin魔法つかいプリキュア!』でもキレッキレで、ただただ圧倒されます。


さて、そんな超ベテラン作詞家のテレビシリーズ主題歌への起用というサプライズも楽しい『魔法つかいプリキュア!』ですが、今の内から書き記しておきたいことが色々と。


そこで、まだまだ物語は始まったばかりながらも、今回は新しいプリキュアについてアレやコレやと!




■魔法をモチーフにしたニチアサ作品を思わず連想

素晴らしいフィナーレを迎えた『Go! プリンセスプリキュア』の後に続く新シリーズ『魔法つかいプリキュア!』。何はなくとも、目を引くのが"魔法"というモチーフです。


思えば、『魔法戦隊マジレンジャー』に『仮面ライダーウィザード』と、プリキュアシリーズと同じく"ニチアサ"枠として併映されているスーパー戦隊仮面ライダーシリーズでは、既にメインテーマとして登場していた魔法。


魔法、それは聖なる力。魔法、それは未知への冒険。魔法、そしてそれは、勇気の証! 今を生きる魔法使いはその輝きを両手に宿し、「絶望」を「希望」に変える。さぁ、ショータイムだ! ……というわけで、『魔法つかいプリキュア!』の登場によって、魔法モチーフはニチアサ3作品全てに登場することに。





個人的には、メインの魔法に加えて、宝石の変身アイテム、そして、コミカルなSEを使った演出術といった『魔法つかいプリキュア!』を構成する要素の数々には、思わず『仮面ライダーウィザード』を思い出してしまったりも(ちょっと無理やりなこじつけかもしれませんが、共通するアイテムが多いもので、思わず……)。題材が共通する『マジレンジャー』や『ウィザード』と見比べてみるのもおもしろいかもしれませんね。


あと、そこで、"スッ"と『おジャ魔女どれみ』シリーズじゃなくて、特撮ヒーローを連想する辺りに自分の特撮ファンっぷりを痛感します。非常に個人的な話なのですが……。




■"イーヴィル"なモチーフも取り込む新しいプリキュア

また、主人公たちのコスチュームやアクションシーンなど、各所にレイアウトされている"魔法"ですが、その描き方もとてもユニークに思えます。





魔法といっても、登場するアイテムは、空飛ぶ箒にローブ、まるで蝙蝠のようなキュアマジカルの髪型……といった具合いに、完全に"魔女"のイメージに合わせてデザインと意匠が施されている印象を受けます。ファンタジーというよりは、ちょっとオカルト寄りとしての"魔法"の描き方というか。


思えば、『スマイルプリキュア!』のマジョリーナにしろ、『Go! プリンセスプリキュア』のディスピアにしろ、10年以上に渡るシリーズの歴史を振り返ってみれば、魔女は常に正義のヒロインであるプリキュアの敵となる存在だったハズ。いわば、悪の象徴そのもの。


そんな魔女をモチーフとする『魔法つかいプリキュア!』は、サタニックなものすら、体内に取り込むことに成功したわけで、これはかなり画期的なコンセプトなのかもしれません。


この辺りは、鬼や西洋の怪物や幽霊といった本来ならば、主人公の前に立ちはだかる敵役となるべきイーヴィルなものすら取り入れて、次々にフリーダムかつフリーキーなヒーロー像を送り出してくる平成仮面ライダーシリーズにも通ずるものがあるのかな、と。




■男の子にもアプローチできる"魔法"というモチーフ

思えば、"魔法"というコンセプトは本当に絶妙で、所謂"魔法少女アニメ"のメインテーマとして女の子にとっての永遠のテーマであると同時に、男の子にもアプローチできるギミックでもあると思うのです。


それこそ、各時代毎に東映ぴえろの変身魔法少女アニメが女の子にとって憧れのヒロインであり続けた一方で、男の子にとっては、『ドラゴンクエスト』や『スレイヤーズ』があって、それこそ、『マジレンジャー』や『仮面ライダーウィザード』もある。


そんなわけで、ちょっと無理やりかもですが、『魔法つかいプリキュア!』を観ていて、男の子が大好きな特撮ヒーローを連想するのもやむ無しだと私は思うわけです。


特撮ファンにも是非とも観ていただきたい作品だと思います、『魔法つかいプリキュア!』は。特に、『仮面ライダーウィザード』が好きな方は必見!


また、偶然にも、今シリーズのニチアサで併映されている新番組『動物戦隊ジュウオウジャー』のメインライターは、『仮面ライダーウィザード』の主要脚本家だった香村純子さんですし、指輪の魔法使いの活躍に胸踊らせた経験のある方には、今期のニチアサは要注目かな、と。


……なんて、第1話の時点では終始、『ウィザード』を連想(=こじつけ)しながら『魔法つかいプリキュア!』を観ていたのですが……。





最後の最後で、いきなり『烈車戦隊トッキュウジャー』になったのでビックリしました(異世界の扉になっている改札機とパス)。


本来の元ネタは、『ハリー・ポッター』だと分かっているけれど! 分かってはいるけれど!!