The Adicts JAPAN TOUR 2010@LIQUIDROOM

 

 
先日、恵比寿のリキッド・ルームで行われた、イギリスが誇る最高にファンでポップでパンクなバンド、The Adictsのライヴに行って参りました!
そんなわけで、その思い出日記&参加レポです〜。
 
 
この日は仕事だった上に、最近はライヴを頭から観るのが体力的にシンドくなってきた(悲しい…)ために、共演のラフィン・ノーズやSAは泣く泣く諦め、メインのアディクツ一本に絞ってやや遅めの会場入り。
フロアは想像以上にパンッパンの大入りで、しかも客はハットやワイシャツでメンバーのコスプレをしたり、顔を白塗りしたり、原色の髪をツンツンにおっ立てたりと、アディクツのライヴを最高に楽しむために、思い思いにパンクスなりの「正装」に身を包んでいて、とにかく華やかで楽しい雰囲気。
 
もう、この会場入りの時点でテンションが上がってしまったのだけれど、中に入ればDJヒカルのプレイをバックに、暗闇の中アディクツのサウンドチェックの音が聞こえるというこれまた最高のシチュエーション&タイミングで、嫌が応にも期待に胸が高鳴ってしまう。
 
しばらくすると、彼らがインスパイアされまくったキューブリックの映画「時計じかけのオレンジ」のメインテーマをSEにしてメンバーがステージに登場。ジャケット写真や雑誌で見たのと同様に、メンバーは「時計じかけのオレンジ」のドルーグのコスチューム、そしてヴォーカルのモンキーは顔面ピエロメイクの白塗りという出で立ちに思わず「うわ〜! 超アディクツ!」とか馬鹿だけど凄く素直で率直な感動を抱いてしまった。
 
ジョーカーのコスチュームで登場したモンキーがトランプを客席にばら撒きながら歌う「Joker In The Pack」で幕を開けたステージは、とにかくファンな精神に溢れていて、大量の紙吹雪や紙テープに始まり、シャボン玉や巨大なビーチバレーボールまでもが飛び交い、降り注ぐステージとフロアは、ショーが進むごとに極彩色の色彩に包まれて煌びやかな輝きを放ち、観客もそれに合わせてどんどんヒートアップしていく。
Viva La Revolution」や「Chinise Take Away」といったパンク・クラシック&名曲に合わせて大合唱をするフロアを見ているだけでも、もう自分は本当に幸せな気持ちになってしまって、幸せ過ぎて途中でちょっと泣いてしまった。
 
The Adictsのライヴを生で体験してみて改めて思ったのが、やっぱり彼らが作り出す曲のキャチーさ。もう、知らない曲でも一度サビやコーラスを聴いてしまえば、すぐに周りと一緒に大合唱をできてしまう。コレってやっぱり凄いことだ!
そのサウンドを支えるメンバーも、結成から35年間(!)「キューブリックの映画をイメージ・コンセプトにパンクロックを演奏する」というワンアイデアを貫き通しているのも凄まじい。
 
The Adictsは、35年間ずっとThe Adictsだったし、恐らくこの後もずっとThe Adictsであり続けるんだろう。ドルーグのコスチュームで、顔を白塗りにして、ステージを紙吹雪やテープでグチャグチャにしながら。
 
やっぱり、何かを貫き通す、やり続けるというのは、それだけで人間の感情を動かすエネルギーを持っているんだと思う。
ブラック・ジョークやシニカルな視線を交えた歌詞を隠し味にしつつ、35年間ポップなパンク・ロックをやり続けるThe Adictsを観て、尋常じゃない多幸感に包まれると同時に、ポップとかエンターテインメントについても色々と考え、感じさせられた夜だった。