「Rio RainbowGate!」で描かれた"興行"としてのバトルと、そこから生まれる楽しさと

 

 
Rio RainbowGate!の最終回を観ました!
いや〜何というか、最後の最後まで、ハイテンションなエンターテインメント感に満ちたアニメだったな、と。で、そのエンターテインメントとしての「楽しさ」っていうのが、どこから来ているのか? ってことを、今回のエントリでは改めて自分なりに考えてみたいと思います!
 
 

■ゲートバトル=興行という世界観

Rio RainbowGate!」では、"ゲートバトル"というギャンブルによるバトルロイヤル的な戦いが、劇中でのストーリーの主軸になっていましたが、もうこのバトルの存在と描き方自体が、そもそも"エンタメ"そのものだったと言ってもいいでしょう。
 

 
巨大なスクリーン、大規模なステージ、リオのお色気たっぷりのステージ衣装にそれを見守る大勢の観客…と、もうバトルそのものが劇中で「興行」として成立しているし、それを盛り上げる要素で満ち満ちているわけです。
 
一応、ゲートバトルには「ゲートの保持者(ゲートホルダー)が、それぞれのゲートを奪い合う」というテーマ…というか大義名分が設けられているのですが、一番重要なのは、この「Rio」の世界の中ではゲートバトルが最高の娯楽として成立し、オーディエンスに熱狂的に支持されているという事実だと思うんです。
バトルものなんですけど、その戦いっていうのが決して悲壮感のあるものじゃないんですよね。ボクシングやプロレス、あるいはその他の多くのプロスポーツなんかと同様に、そこにあるのはあくまでエンターテインメントとしての戦い。ショービジネスとしてバトルが成り立っている、描かれているのが「Rio」のおもしろいところ。
 
あくまで、ゲートバトルは「興行」なんです。もう、潔いまでに徹底された、エンターテインメントであり、ガチンコの強さは必須項目ですが、それと同時に人を魅せる、楽しませる能力こそが最重要項目となるショービズの世界
 
それを考えてみると、「Rio RainbowGate!」という作品が持つ「楽しさ」も、何となく見えてくるような気がします。
 

 
中盤以降は、リオとリナの愛憎劇へとメインのストーリーラインが移行したことで、シリアスな空気も漂いましたが、それだって終わってみればハッピーエンド。リオの敗北も、そこからの復活からラストの逆転劇、そしてリナとの和解というクライマックスへと繋がる、あくまでストーリー性、発展性を含ませた上での"負け"だった。
憎悪や敗北といったネガティブな要素を、その後の「勝利」のカタルシスへと昇華させるストーリー展開は、シンプルでベーシックでありながらも非常にエンタメとして効果的な作劇です。それを真っ直ぐにやれちゃう辺りが「Rio」というアニメの強さであり、大きな魅力だったように思います。
 
そして、やっぱりヒロインのリオ! 人を楽しませる為ならば、「タハハッ」と困った笑みを浮かべつつも、ゲートバトルの会場に集まった観客とテレビの前の視聴者の両方を楽しませるためならば、コスプレして胸やケツも晒すし、愛する義妹とのシュートファイトで、内面の弱い部分も強い部分も曝け出す。言うなれば、心身丸裸のスッポンポン。それでも、それもこれも全て「お客様がお望みなら!」の一言でやり切っちゃうんだから、やっぱりこの娘さんは本当に凄いよなぁ〜と。
 
エンターテインメントで最も重用なのは、その精神を最後まで貫き通せる演者の存在なわけで、リオは本当に優れたエンターテイナーとしての存在だったと。この勝利の女神による、何が起きてもショーを最後までやり通す「ショー・マスト・ゴー・オン」の精神なくして、本作の「楽しさ」は決して成立しないものでしたよね。
 


 
 

■「Rio RainbowGate!」の影の主役? トム・ハワードについて


 
最後に、個人的にこの人にも触れておきたい! と思うのが、カジノ・オーナーのトム・ハワード
当初は、リオに過激なお色気やムチャなバトルを無理強いする、豪快だけどスケベなおっさん、物語上の役割で言えば、ややヒールよりのキャラクターといったイメージしかなかったのですが、これがストーリーが進む毎にドンドン印象が変わってきて、自分の中でリオやイル(双子のバニーガールのおしゃべらない方。私、何故だかこの娘さんが大変に好きでした!)と同じくらい好きなキャラクターになっちゃいました。
 
もう、この人の何が凄いって、リオのゲートバトルに自分の全財産を賭けてしまうっていう賭博師としての漢気と、散々セクハラを働きつつも自分の部下を徹底的に信じぬくっていう漢気、その二つの漢気ですよね。
 
この男が持っている莫大な規模を誇るハワード・リゾートというカジノ施設。その財と商売道具の全てを、ハイリスク、ハイリターンな勝負に投じるというロマンと強さ。本来ならば、カジノ・オーナーであるトム・ハワードは胴元の立場ですが、ゲートバトルにおいては、そういった自身の有利な立場が一切通用しない一人の賭博師としてリオを送り出しているわけで、ある意味でこの人こそ、最強のギャンブラーだったのかな、と。
 
劇中の「楽しさ」と同様に、コチラもクセがありつつも妙に忘れられない、印象深いキャラクターとなりました。
 
 

■まとめ

そんなわけで、「Rio RainbowGate!」についてアレやコレやと。個人的には、本作は春アニメの中で一番楽しめた作品でした!
最終回では、二期の存在を匂わす"to be continued"な描写もありましたし、またこの幸せなエンタメの続きは是非観てみたいですね。
 
 
 
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