「GJ部」の音楽から感じる「けいおん!」

 

 
アニメGJ部の感想に関するアレやコレやでエントリを簡易更新です!
 
 

■「たまこまーけっと」と「けいおん!

1月開始のアニメについて、Web上で感想やレビューを読んでいると、やはりたまこまーけっとは、参加スタッフや作品の文脈から、けいおん!を意識した上で語られていることが多いようです。確かに、"監督"山田尚子、"シリーズ構成"吉田玲子、"キャラクターデザイン"堀口悠紀子…という監督、構成、キャラデザの無敵の三本マイクならぬアニメ制作の三本柱が、かの「けいおん!」をクリエイトしたメンバーによる揃い踏みで、なおかつ京都アニメーションの新作アニメとくれば、「けいおん!」のネクストに「たまこまーけっと」をレイアウトし、アニメを観る、考えるという目線は非常に正統派で正しいように思います。
 
私自身、「たまこまーけっと」というアニメ作品を観ていて、堀口さんのキャラデザや山田監督による作品世界の空気感から、確かに「けいおん!」的なニュアンスを作品内に感じる瞬間、シークエンスはあります。あるのですが、私は「たまこまーけっと」というアニメを「けいおん!」とはある程度セパレートをして楽しんでいることにある時気が付いたんです。
それは、漫画原作のアニメ化作品である「けいおん!」とオリジナルアニメの「たまこまーけっと」、学校の部活動と商店街という舞台の違い…といった作品を形作るデティールの違いによるものなのかもしれませんが、個人的には「たまこまーけっと」を観ていて「けいおん!」をそこまで強く意識することってないんですよね。
 
それは、もうシンプルに自分のフィーリングによるところが大きいんですが、「たまこまーけっと」は「たまこまーけっと」、そして「けいおん!」(或いは、「けいおん!!」)は「けいおん!」として楽しんでいるな、と。
 
 

■「GJ部」から感じる「けいおん!」的なサウンド

一方で、今期のアニメの中で、観ていて強烈に「けいおん!」を意識する作品があります。それがGJ部なんですね。
GJ部」というアニメ作品に感じる「けいおん!」的なニュアンスがどこからきているのかというと、「けいおん!」と同じく、部員がやたらと部室で紅茶を飲むシーンがあるから…
 

 
なんていうのは、後付けの見立てでして、本当のところはGJ部」のBGMから受けるエモーション。これが最大の理由なんです。本作の音楽を手掛けているのは、百石元さん。「けいおん!」のBGMをクリエイトされた作曲家さんです。
 
実際、「GJ」部のBGMからは、「けいおん!」的な音のニュアンスを強く感じます。打ち込みの感覚やメロディーセンスは、もの凄くストレートに百石元さんっぽいというか、「けいおん!」のテイストを色濃く残したサウンドであり、「けいおん!」と同じく、日常ものの学園コメディに非常にマッチをした音に仕上がっている。
 
どうも、自分はアニメを観る時に強く"音"を意識して観ているようで、渋谷系のテイストを取り入れた「たまこまーけっと」の劇伴よりも「GJ部」にこそ「けいおん!」的な感覚を自分は覚えていたりします。勿論、前述の紅茶であるとか、"部活もの"というストーリーの構造も込みで。
 
また、「GJ部」自体が、凄く音楽的にも力を入れているアニメだと思うんですよね。例えば、マーケティングなんかの諸事情により、DVDやBDの特典とかでしかサウンドトラックが付かない、なかなかアニメのBGMというものをCDによるフルトラックで聴きづらい昨今のアニメ事情において、キチンとサントラを…しかも、2枚に分けてリリースするという"劇伴"に対する姿勢もそうですし、各キャラクター、声優さんによるキャラソンを起用したEDの趣向もおもしろい。
 
最新話である第3話からは、三森すずこさん演じる皇紫音のキャラソン「balance unbalance 〜ホント ノ ワタシ〜」がEDに起用されていましたが、アレなんか本当に素晴らしい曲ですよね。4つ打ちのビートを軸にしたPerfume…というか、capsule的な田中ヤスタカイズム溢れるテクノサウンド。三森さんの声質と皇紫音のキャラクターにも曲調がピッタリとフィットしている印象を受けますし、劇伴での百石元の起用同様、この音楽的センスは信頼が置けるし、間違いない。
 
サウンド的にも人脈的にも"渋谷系"の香りを色濃く残す「たまこまーけっと」同様に、「GJ部」も非常に音楽的に充実したアニメだと思います。で、その辺の音の楽しさっていうのが、百石元さんというクレジットと相まって、私に「『けいおん!』っぽい」という印象を与えているのかなぁ、と。
 
視覚的にも聴覚的にも、ひたすら楽しいアニメ「GJ部」。うん、「たまごまーけっと」と同じく、本当に毎回楽しませていただいていますね。