「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」…「俺修羅」のストーリーを分かりやすく解説する

 

<別冊宝島 プロレス「地獄変」 (宝島社) P.72>
 
俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる…通称「俺修羅」のストーリーを、未見の方の為に分かりやすく解説をしてみたいと思います。
アレ、三角関係の構図が何気にトリッキーで、人間関係とかをちゃんと把握しておかないと、作品の魅力が伝わりづらいところがありますからね。とはいえ、私も原作未読の人間で、現在放映中のアニメしか観ていないので、ちょいちょい間違いとかもあるかもしれないんですが、少しでも「俺修羅」未見の方の参考になれば!
 
そんなこんなで、今回のエントリでは、「俺修羅」についてのアレやコレやを!
 
 

■「俺修羅」を分かりやすく解説する


 
「俺修羅」の主人公は、季堂鋭太くんという男の子。彼には、春咲千和ちゃんという幼馴染がいるわけです。で、この二人が、全日本プロレスのリングで「龍原砲」というタッグを結成。ジャンボ鶴田や輪島といった同じ日本人選手をターゲットにすると、地方大会でも試合時間20分超えが当たり前の妥協を一切許さない全力ファイトを連日展開。そのハードな試合スタイルは、プロレスマスコミに「天龍革命」「レボリューション」と呼ばれ、プロレス界に一大ムーブメントを生み出します。これがファンから熱狂的な支持を受け、90年代の全日本プロレスで花開く四天王プロレスの哲学、ファイトスタイルの地盤を作りあげることになったのです。
 
後に、この二人に加えて、若手レスラーの川田利明サムソン冬木北原光騎らが合流。彼らは「天龍同盟」というユニットとなり、それまでの全日の試合スタイル、ひいては日本のプロレス全体にまで多大な影響を…
 

<週刊プロレス No.1604 (ベースボール・マガジン社) P.79>
 
…って、お前それ、「俺修羅」じゃなくて全日本プロレス天龍源一郎とタッグを組んでいた「阿修羅・原」の話やないか! 「俺修羅」やのうて「阿修羅・原」の話やないか! 長崎県諫早市出身のプロレスラー、阿修羅・原のエピソードやないか!!
 
 

■今度こそ、「俺修羅」を分かりやすく解説する


 
…スイマセン。「俺修羅」と「阿修羅・原」の響きが似ていたので、思わず間違えてしまいました。話を「俺修羅」に戻します。
"幼馴染"として、平和な日常を送っていた鋭太くんと千和ちゃんの前に、その均衡を破る女の娘が登場をすることになります。その娘の名前は、夏川真涼。美人で巨乳で声は田村ゆかりさんですが、性格は若干破綻をしていて、凄まじい恋愛嫌い。大のトラブルメーカーで、この娘のせいで鋭太くんは不良にボコボコに蹴られたりもしました。
 
そのボコボコさ加減たるや、当時、UWFを率いていた前田日明がその激しいキックを目の当たりにし、「こんなことをされたんじゃ、俺達の存在意義がなくなる!」と強い危機感を覚えたほどです。
 

<別冊宝島 プロレス「地獄変」 P.87>
 
…って、お前それは「俺修羅」やのうて、全日本プロレスで輪島を天龍源一郎と一緒にボコボコに蹴った時の「阿修羅・原」の話やないか! ボコボコに蹴られる元横綱の輪島の姿を見て、前田がビビった時のエピソードやないか! それ、「俺修羅」じゃなくて、ラグビー出身で、国際プロレスでデビュー後に全日に移籍をしてきた"流浪のヒットマン"阿修羅・原の話やないか!!
 
 

■三度目の正直で、「俺修羅」を分かりやすく解説する


 
…どうも「俺修羅」と「阿修羅・原」の響きが似ているので、2010年代のラノベ原作のアニメ作品と80年代終盤〜90年代前半の全日本プロレスが、私の中で混同をしてしまっているようです。
再度、話を「俺修羅」に戻すと、千和ちゃんは鋭太くんに自身の好意を上手く伝えられないわけです。そんな中で、真涼と鋭太くんは偽装カップルとして付き合い始めることに。この三人の関係はますますややこしくなった上に、校内で「自らを演出する乙女の会」という新しい部活動を旗揚げ。行動を共にすることになります。
 
で、この「自らを演出する乙女の会」…通称「自演乙会」の酒の飲み方というのがハンパじゃなくて、毎晩毎晩、試合後に銀座や六本木の高級クラブにプロレスマスコミと一緒に繰り出しては、豪快な酒の飲み方と遊び方を披露。勿論、プロレス記者たちの飲み代も、全額自分たち持ちです。そこで、ブランデーだ焼酎だウィスキーだ日本酒だをバケツに一気に空けて飲み干す、通称"天龍カクテル"という伝説が…
 


<別冊宝島 プロレス「地獄変」 P.79、80>
 
…いや、お前、それはだから「天龍革命」当時、天龍源一郎と一緒に豪快な夜遊びを繰り広げていた阿修羅・原のエピソードやないか! 天龍と一緒に世界タッグのチャンピオンになったこともあるプロレスラー、阿修羅・原の話やないか!!
 

<週刊プロレス No.1604 P.80>
 
「俺修羅」ちゃうやん! 「阿修羅・原」の話やん!!
 
 

■ホントのホントに「俺修羅」を分かりやすく解説する


 
話が何度も脱線をしてしまってスイマセン…。今度こそ、「俺修羅」のストーリーをちゃんと説明しましょう。
「自演乙会」っていうのは、早い話が、モテる為に努力をする部活動なわけです。で、その部員たる千和ちゃんは、モテる為にギターケースを持ってみたりだとか、中二病的な発言を繰り広げてみたりだとか、色んな努力を…勘違い気味ではなりますが…続けるわけですよ。本当は、鋭太くんという意中の人がいるにも関わらず。だけど、そこで自分磨きの為にお金を使い過ぎて、莫大な額の借金を背負い、全日本プロレスの会場にまで借金取りがくることに。結果、千和ちゃんは、巡業中に高輪プリンスホテルから失踪。そのまま全日本プロレスを解雇されることになります。
 
<全日本プロレス / ジャイアント馬場の緊急記者会見>

 
しかし、その後、男気溢れる鋭太くんの説得によりプロレスへの復帰を決意。鋭太が立ち上げた新しいプロレス団体、SWS(メガネスーパー・ワールド・スポーツ)で、第二次龍原砲がスタートして…
 

<別冊宝島 プロレス「地獄変」 P.96>
 
だから、お前、それは「俺修羅」やなくて「阿修羅・原」のエピソードやないか! 面倒見が良すぎたのと見栄っ張りな性格のせいで、若手レスラーと長与千種なんかの女子プロレスラーの飲食代や生活費を奢りまくり、多額の借金を抱えて失踪するも、天龍との再会によって再びプロレスの世界に戻ってきた時の阿修羅・原の感動的なエピソードやないか!!
 

<別冊宝島 プロレス「地獄変」 P.97>
 
プロレス引退後は、母校の諫早高校に舞い戻り、ラグビー部の指導員として勤務。廃れていたラグビー部を全国大会出場へと導いた阿修羅・原の話やないか!
 
 

■最後くらいは、ちゃんと「俺修羅」を分かりやすく解説する

申し訳ない…。「俺修羅」のストーリーを解説するつもりが、字面がよく似ていたもので「阿修羅・原」のプロレス人生の話ばかりを語ってしまいました。でも、昨年末に腰の怪我での長期欠場、手術、復帰を果たした天龍源一郎と同じく、「俺修羅」の千和ちゃんも腰に爆弾を抱えていますし、「俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる」と天龍源一郎、阿修羅・原の二人が天龍革命を起こしていた頃の全日本プロレスは、やはりどこか相通じる部分があるんだと思います。
 
まぁ、とはいえ、せめて最後の最後くらいはキチンと「俺修羅」の話をして締めたいな、と。そんなわけで、「俺修羅」のOP曲である「Girlish Lover」の動画を貼ってこのエントリの末尾とさせていただきます。
 
<ミノタウロス / ASHURA>

 
…お前、コレ、「俺修羅」オープニングの「Girlish Lover」ちゃうくて、「阿修羅・原」のテーマ曲「ASHURA」やないか!!