「Rio RainbowGate!」の独特なオーラ表現「ロールルーラー」のエンターテインメント感

 

 
今回は、Rio RainbowGate!に登場する独特のオーラ表現についてアレやコレやと書いてみたいと思います!
 
 

■リオのオーラ=ロールルーラーとは何ぞや?


 
Rio RainbowGate!」の劇中で度々登場する独特のオーラ表現。無駄に派手で大袈裟だったり、ビジュアルも意味があるんだかないんだかのナンセンスっぷりだったりで、コレもギャグでやってるのかな? なんて当初は思ってたんですが…。
 
■「Rio RainbowGate!」 特に読まなくても問題ないガイドブックがすばらしい(tatsu2)
 
id:tatsu2さんが書かれているエントリを読んで、即座に「Rio」の公式HPでガイドブックをダウンロード。かなりの情報量で持って構築をされているガイドブックから、キュートでセクシーなイラストやら舞台設定なんかの情報と一緒に、このオーラの詳細もついてきました。
以下、オフィシャルガイドブックの原尾宏次氏(「Rio」の原案監修・プロデューサー)のインタビューより。
 

第1話にも、リオの足元から光の波が広がるシーンがあるんですが、あれは実はロールルーラーという能力で、端的に言うと人心誘導術なんです。(中略)海外では、そういうギャンブルに関する心理学が大学で研究されている。それを個人レベルで身に付けている能力を、ロールルーラーと呼んでいるんですね。

 
これには、ビックリ。ちょっと事前に早く言っといてよ! という感じ。そりゃ、いきなりあんな強烈なビジュアルを見せられて、コレが人心誘導術とか心理学的な要素を多分に孕んだ駆け引きだとは思わないって!
とはいえ、そんな細かい設定や難しいことを考えなくても最大限に楽しめてしまうのが「Rio」というアニメの凄いところ。前述のインタビューでも、原尾さん自身が、
 

だから、表面的にはバカバカしい勝負なんだけど、実は高度な精神戦が繰り広げられているのだ、っていう(笑)

 
(笑)付きで答えられているように、あくまで作品が目指す方向性は極上のエンターテインメント路線。その裏で、如何に熾烈な神経戦が行われていようと、そのピリピリ感が楽しむために試合を見ているお客様に伝わっては「ショー」として元も子もない。
 
ギャンブル漫画やアニメの魅力って、本来ならばその辺の緊張感が醍醐味なんでしょうけど、幸運の女神であるリオが戦うフィールドはそこじゃない。あくまで、巨大ボーリング・ルーレットやら手羽先の蝙蝠が飛び出してくるカード勝負やら脱衣クレー射撃やらの、ショービジネス的なステージでファンを楽しませることこそが一番の目的であり見せ場なんでしょうね。
「っていう(笑)」という、やたらとライトな響きの中にも、シッカリと見せたいもの、やりたい事が、ポップな明るさと適度な脱力感でもってキチンと表現されているのが素晴らしい。ファン贔屓を抜きにしても、このガイドブックでのインタビューはおもしろいし、良い内容だと思います。
 
 

■ロールルーラーのユニークなビジュアル・センス

それにしたって、「ロールルーラー」の存在と名称を知った後で、アニメ本編を見返してみれば、おもしろいのがその表現方法。
単純に、最初は闘気とか運気とか、そういうのをド派手なビジュアルでもって表現したものなのかな〜くらいに軽く捉えて見ていてものが、その裏にあるキャラクター同志の心理戦という要素を念頭に置いてみてみれば、また異なるニュアンスとストーリーが見えてくるし、表現の技巧にも目が行き始めます。
 
美少女の裸体の周りをくるくるルーレットするナンバーや、飛び回る手羽先…といったロールルーラーもおもしろかったんですけど、自分が一番おもしろいと思ったロールルーラーが、第4話「シスターズ」に出てきた「風」を使ったロールルーラー
 
「風」を使った覇気やら闘気やら威圧感やら異常性やら、その他諸々のキャラクターの内的・外的なオーラの表現っていうのは、フィクションの世界で物凄くトラディショナルな表現方法というか、昔から色々な表現媒体で使われていますよね。
 
例えば、かの黒澤明だって「用心棒」で、仲代達也演じる新田の卯之助が登場する際に、スクリーンに風を吹かせて、この残忍で冷酷ながらも粋なゴロツキの魅力を最大限に表現しています。
 


 
つむじ風が吹き荒れる中、舞台となる宿場町に帰ってくる新田の卯之助。舶来モノのピストルを懐に、スカーフを首にまき、ギラギラとした目付きの異様な風体の男。狂言回しの男による「へっへっへ…空っ風まで、お出迎けえだ」という口上と、スクリーンに吹き渡る風の音も何とも印象的です。
 
巨匠、黒澤が新田の卯之助という、邦画界におけるきっての名悪役の色気と強さを最大限に演出するのに使った表現も、やはり「風」。
サイボーグ007だって「吹きすさぶ風が よく似合う」からサイボーグ戦士の哀しき宿命が観る者に伝わるわけだし、風はキャラクターの魅力を立てるのに非常にポピュラーな表現方法の一つなんですよね。
 
そして、そんな「Rio」のロールルーラーも風を使った演出を行っているんですが、コレがまたセンス抜群なんです。
 

 
リオとリナと脱衣射的勝負で、吹き荒れるロールルーラー、ピンク色の風。
ナイスバディな女の娘二人の裸体に対しての観客の鼻息を視覚化したようなロールルーラーですが、ポピュラーな表現法に一寸した工夫を施すことで、インパクトのある演出に仕上がっている。
エロ=ピンクという色のイメージ連鎖の単刀直入っぷりも素晴らしい。ところどころにセンスの良さを見せながらも、凄くシンプルにエンターテインメントをやってみせてくれるんですよね、「Rio」は。
 
 

■まとめ

そんな感じで、今回は「Rio」に登場するロールルーラーについてアレたコレやと。いや、おもしろいよ、ロールルーラー。これから、どんなロールルーラーが出てくるのか本当に楽しみですよ。…「ロールルーラー」ってキーワードの浸透してなさっぷりが悲しいので、さっきから「ロールルーラー」って連呼してるんですけど、どんなもんでしょ?
 
いや、「Rio」おもしろいです。こういう素直に楽しい、おもしろいアニメって、自分の嗜好の中で割と大きなウェイトを占めているんだな〜と、改めてリオの大きなおっぱいを眺めながら再認識しております。
 
とはいえ、今回のロールルーラーの一件みたいに、注視するとまた新しい発見、おもしろさのポイントってのが色々と出てくる作品なんじゃないかな、なんて思うんですよね。初見のインパクトで楽しんで、で、もうちょっと突っ込んでみたら、またおもしろいものが見えてくるんじゃないかっていう(笑)。
 
 
 

<関連エントリ>
■「Rio RainbowGate!」の楽しみ方 - Rio的エンターテインメントとWWEのススメ
 
<関連URL> 
■Rio RainbowGate! 「このシーンが凄い!」 (1から3話まで)(karimikarimi)