2011年、各エピソードで選ぶベストアニメと、その他諸々

 

 
今年の締めに話数単位で選出をしたベストアニメ10本を。他のサイトさんも多数参加をされている本企画ですが、ちょっと自分の中でも"2011年"という年を振り返る意味も込めて参加をさせていただこうと思います。
ちなみに、私が選んだアニメ作品は、次の10本です。
 

Rio RainbowGate!』第13話「レインボーゲート」
SKET DANCE』第9話「円太やります!」
まよチキ!』第1話「エンド・オブ・アース」
猫神やおよろず』第2話「桜フロントオーバーチュア」
ジュエルペットサンシャイン』第7話「サンクスジュエルデーにイェイッ!」
TIGER & BUNNY』第1話「All's well that ends well.」
境界線上のホライゾン』第1話「境界線前の整列者達」
スイートプリキュア♪』第5話「ドタバタ! テレビレポーターに挑戦だニャ♪」
group_inou』PV「HEART」
WWE RAW』2011.06.27「CM PUNK's Speech」

 
以下、感想なんかをアレやコレやと!
 
 

■とにかく楽しかった「Rio」と川口敬一郎作品

先ず、2011年の個人的なベスト作品として語っておきたい、記憶に残しておきたいのがRio RainbowGate!」。このアニメ全体に漂うハッピーな世界観、アッパーなドライブ感は本当に素晴らしかったと思います。
そのディティールを細かく見ていけば、ツッコミどころとトンデモ描写が満載にも関わらず、そういう野暮な指摘を挟み込む余地がない程の圧倒的なパワーには、本当に元気をもらいました。
 
お色気とギャグと少年漫画的な熱さをミックスさせて極上の"エンターテインメント"としてアニメファンに提供をする。例え、そこに矛盾や綻びが生じても、"楽しさ"と"観ている人を喜ばす"ことを最優先にして押し通しちゃう! という意気込みと勢い。特に、最終話で描かれたハッピーエンド、"世界同時多発ラッキー"の突き抜け方は、本当に凄まじかった。私の中で、2011年、最も多幸感に満ち満ちていたアニメ作品です。
 

 
そういう"楽しさ""明るさ"に満ちたエンタメ精神に溢れたアニメ監督として、私が敬愛して止まない川口敬一郎監督が手掛けた二本のアニメ作品。SKET DANCEまよチキ!も、それぞれ一話ずつベスト10の中にセレクトをしておきたいと思います。
スケダンの第9話は、今のところ私の中での本アニメのベスト回。他のエピソードに比べても、抜群に早いギャグのテンポと、ゲストキャラである古谷徹さんの存在感、劇画タッチの顔のアップ&入射光…と、しつこい位に繰り返される出崎演出のパロディ(そう、今年は出崎さんが亡くなった年でもあるんですよね…)、何より白石涼子さん演じるヒメコが抜群に可愛い! と、ギャグ、声優ネタ、パロディ、可愛い女の娘、キュートなうりょっちさんという私の見たいものが全部盛り込まれていて、このエピソードは本当に何度も見返しましたね。
 
まよチキ!」も全話素晴らしかったんですが、序盤からマニアックなプロレス技が飛び出した第一話をベストに花澤香菜さんが「ソル・ナシエンテ」とか「トライアングル・ランサー」なんて技を叫ぶアニメなんて、コレが最初で最後でしょうし、花澤さんも「ソル・ナシエンテ」という単語を口にすることは二度とないと思います。あと、女の娘ともつれ合って転倒したら、次のカットでは女の娘のおっぱいが飛び出していて、気が付いたらおっぱいを揉んでいたという、「キング・クリムゾンスタンド能力で時間をすっ飛ばされたんじゃねぇか?」みたいなムチャな展開も良かったです。
 
正に、「観ている人を笑わせること」と「可愛い女の娘を描くこと」にフルスロットルで全力を注ぐ川口監督らしいアニメ2本。大変に楽しませていただきました。
 
 

■"楽しい"アニメに惹かれた2011年

そういう意味では、今年は本当に"楽しい"アニメに惹かれていたな、と思います。そして、自分自身の好きなアニメ作品の傾向も、よりハッキリしてきた。
 
猫神やおよろずも、自分にとってそういった"楽しい"作品の一本。桜井監督の遊び心たっぷりの演出と明るい色彩、可愛いキャラクターを毎週毎週楽しみにしていました。ベストには、本作の中心になっている人情話としての色合いも強く出た第2話を。それから、本作のOP曲である「神サマといっしょ」は、映像も含めて、本年度のアニメソングで一番好きな曲でした。この曲と同様の極上のチアフルなポップ感が、本編にも溢れていたな、と。
 
そんなポップ感とは、また違うフィーリングで毎回笑わせてもらっているのがジュエルペットサンシャイン。ねじ曲がりまくりのギャグに、脱臼感覚満載のストーリーとマッドなキャラクター。"既存の音楽を、そのまま使う"というアニメにおける音楽を使った新しいギャグの方向性を提示してくれたのも凄かった。数ある名(迷)エピソードの中から、エアロスミスの破壊力に敬意を表し、第7話に一票を。
 

 
そして、"楽しい"込みの様々な感情を喚起させてくれたアニメが、TIGER & BUNNYなんですけど、2クールの中に名エピソードを詰め込んだ本作の中でも、第一話、スタート地点でのドキドキ感は、やっぱり凄かった!
"テレビ放送"による凶悪犯の追跡、拿捕というギミックを使って各キャラクターを一気に画面に登場させ、各ヒーローのビジュアルと特殊能力を描写、そして、その後に描かれる主人公の哀愁…と、とにかく見せ方が抜群に巧かったんですよね。
 
そういう見せ方としての巧さでは、境界線上のホライゾンのプロローグ、第1話も素晴らしかった。コッチでは、クラスメイトの担任教師とのド派手で過激な鬼ごっこを用いていましたが、あれだけ多くのキャラクターを一遍に登場させ、しかも、各キャラクターの個性を立てる技術っていうのは、結構なインパクトがありました。
中盤から後半に掛けてのバトル展開も良かったんですが、個人的にはあの賑やかで濃いクラスメイト達と過ごす学園生活…というものに自分は強く惹かれていて、そういう意味ではSFではあるんですが、本作も"楽しい"作品に入るのかな、と。
 
キャラクターを立てる…というので、ちょっと記憶に留めておきたいのが、スイートプリキュア♪のテレビ取材回。ここで、セイレーンがギャグキャラみたいな立ち回りをすることで、悪役としては凄く残念な感じの娘になっちゃうんですけど、このエピソードで当初、悪役としてストーリーにレイアウトをされていたマイナーランドの人たちが、実はいい人達なんだっていうのが、自分の中で既定路線に入った。そこから、キュアビート登場までの流れっていうのが、やっぱり非常に気持ちがよくて、このエピソードっていうのは本作の中でも特に気に入っている回なんですよね。
フレッシュプリキュア!」におけるカツラ回のギャグ感覚と、アレでウェスターに好感を持てた、あの時と同じ感じ。
 
 

■その他、諸々!

素晴らしかったテレビアニメと並んで、2011年のマイベストとして記録しておきたいのが、日本のエレクトロ・ヒップホップ(?)ユニット、group_inouによる「HEART」のPV。
 


 
コレは、スケダンの第9話と同じくらい何度も観たアニメーション。最初に観た&聴いた時は、「何じゃ、コリャ!?」って思いましたからね。でも、観返す度にドンドンハマってきた。今では、CDも買い揃えてgroup_inouファンになっています!
この超個性的なアニメーションを作ったのは、AC部というクリエイターさん。このPVで名前を知って、group_inou同様に、以降も追い掛けていきたいな、と。こういうテレビアニメ以外のアニメーションは自分は全然知らないジャンルなんで、来年はもっとキャッチアップしていきたいと思います! あと、コレは完全に人づてに知ったので、そういう縁も来年も大事にしていきたいですね。人からのおススメ情報って、やっぱり大事!
 
ラストの一本は、プロレスから。そのストーリー性から、私はアニメと同じくらいプロレスが大好きなんですが、今年一番のトピック、シークエンスといえば、やっぱりCMパンクWWEにおける革命、生放送での体制批判
 


 
全編英語&WWEという状況を知っていないと、この革新性が分かりづらいと思うんですが、要約すると、このCMパンクというレスラーは、自身のレスラーとしてポテンシャルを認めず、チャンスを与えない団体やその団体の方向性に従う同業のレスラー、ファンを強烈に批判したわけです。
誰しもが心に思っていても口に出せない不平、不満を生放送の場で代弁し、アジテーションすることで、カリスマ性と熱狂的な支持を得たCMパンクは、やや停滞状態に陥っていたWWEというプロレス団体の"物語"に強烈なインパクトを与え、風穴を空けてみせた
 
コレが"台本"に従ってクリエイトされたものなのか、それともCMパンク自身のオリジナルな"言葉"によって紡がれたものなのかは、最早誰にも分かりません。ただ、この事件によって、パンクはエースレスラーとして認められ、チャンピオンになり、そして、王者として日本へのショーにも参加をした。その劇的な物語に、私は、アニメと同様のストーリー性を見出し、感情を揺さぶられるわけです。
 
新日本が再び勢いを取り戻し、Noahは各選手が危機感を持ち、それぞれが己と"プロレス"と向き合い、全日本で、ああいった"事件"が起き、一方で震災後に「ALL TOGETHER」という合同興業を通してプロレス界全体が一つになって力を合わせ、WWEは"日本を元気に"する為に横浜でツーデイズの興業を行い、インディー団体に目を向ければ、SMASHDDTはファンタジー色の強いプロレスで業界で独自の地位を築いてライジングし、大日本では関本と岡林が、その鍛え上げられた肉体による真っ向勝負のプロレスでメジャー団体に戦いを挑み、結果も出してみせた。
 
これから、プロレスはどんなストーリーをリングの上で描いていくのか、そして、何ができるのか? そんなことをこの年の瀬に強く思います。
 
 

■まとめ

2011年を振り返って、大好きなアニメと大好きなものについてアレやコレやと。来年も最高に楽しいアニメと音楽やプロレス、映画…様々な"楽しいい"に出会えればいいなと思います!
 
 
 
<関連エントリ>
■2009年アニメベスト/ワースト あるいは、おっぱいとお尻から考える、川口敬一郎監督の作家性のようなもの
■話数単位で選ぶ、2010年TVアニメ10
 
<関連URL>
■「話数単位で選ぶ、2011年TVアニメ10選」参加サイト一覧