「ゆゆ式」の笑いの安心感、"トリオ"という編成の安定感

 

 
テレビアニメゆゆ式を観ていて、ふと思い付いたアレやコレやでエントリを簡易更新!
 
 

■「ゆゆ式」仲良し三人組の役回りを見てみれば…

原作漫画は飛び飛びでしか読んでおらず、腰を据えてのアプローチとしてはアニメ版がほぼ最初の導入部、入り口となった自分にとっての「ゆゆ式」。そんな半端者の自分でも先行して原作を読みかじっていた身として、作中のあの独特の間、ボケとツッコミの空気感をアニメで再現するのは非常に難しいのではないかと思っていた。ところが、いざ放送がスタートをしてみれば当初の不安もどこへやら。主演声優さん達の好演も相まって、良質なコメディ作品に仕上がっているように思う。ギャグアニメ、コメディアニメとして安心をして楽しめる、エンジョイをして観ることができる安定感。はて、この笑いの安定感がどこからきているのか…?
 
アニメをジックリと観ていて、気付いた。「ゆゆ式」って、主人公である仲良し三人組の役回りというのがカッチリ決まっているのだ。で、それぞれの配置というのは「大ボケ、中ボケ、ツッコミ」という演芸、お笑いにおける三人組…所謂"トリオ"の黄金率。例えば、ネプチューン、例えば、インスタントジョンソン森三中にロバート、東京03…といった今をときめく人気トリオも、その構成はそのほとんどが「ボケが2人にツッコミが1人」というフォーメーション。大御所のダチョウ倶楽部だって、コントを舞台でやっていた頃は、竜ちゃんがツッコミでリーダーとジモンさんの2人がボケ。「大ボケ、中ボケ、ツッコミ」は、トリオの鉄壁のチーム編成。
 
<インスタントジョンソン / 応援団>

 
 

■"安心"を生み出すトリオという編成


 
ゆずこと縁がボケて、そこに唯がツッコミを入れる。ゆずこと縁の掛け合いによってボケがどんどんエスカレートをし、笑いのグルーヴが加速をしていく…という「ゆゆ式」のスタイルはボケが二人いるというトリオによる構成ならでは。唯が徹底的にツッコミに専念をしているのも良いですよね。「ゆゆ式」では、登場人物達が意識的にボケとツッコミのポジショニングを行なっているという様子が劇中で自己言及的に描写をされますが、確かに、ゆずこ、縁、唯という三人組のレイアウトはお笑い的である。

時にトリッキーなボケやシュールな笑いを組み込んでくる「ゆゆ式」ですが、常に安心をして見ることができる、"アニメ"というメディアにその笑いの場を移しても楽しめるのは、やはりこの三人組の役回りがシッカリとしていること。そして、トリオ編成による笑いのスタイルを忠実に守っているからではないかなぁ、と。何というか、"トリオ"という編成について色々と考えさせられる作品ですね「ゆゆ式」は。