今年のニチアサ作品に出てくる敵キャラ、メチャクチャマジですやん……






"ニチアサ"の新しい顔として、そのストーリーを紡ぎ始めた『動物戦隊ジュウオウジャー』と『魔法つかいプリキュア!』。


どちらも楽しんで観ているのですが、この2つの新番組について、一点だけ気になったことが……。


今回のエントリでは、『動物戦隊ジュウオウジャー』と『魔法つかいプリキュア!』について、アレやコレやと!




■敵組織が凶悪過ぎる、『動物戦隊ジュウオウジャー

スーパー戦隊シリーズの記念すべき第40作目としてスタートした『動物戦隊ジュウオウジャー』。タイトルの通り、動物をモチーフとした戦隊ヒーローで、モチーフを巧みに盛り込んだアクションや演出の数々、何より、獣人である"ジューマン"を主人公に据えるという設定が楽しい作品です。


まだまだ始まったばかりではありますが、今後の展開も非常に楽しみ。


しかしながら、この『動物戦隊ジュウオウジャー』、"動物"というポップな要素を用いながらも、敵対する悪の組織の設定はシリアスもシリアス。ジュウオウジャーの5人の前に立ち塞がる悪の軍団……その名も"デスガリアン"は、ゲーム感覚で他の生物を殲滅し、幾つもの星を滅ぼしてきたという凶暴極まりない設定が用いられています。





遊び感覚で生き物の生命を弄び、自然や都市を破壊する。そのヴァイオレンスさを象徴するように、第1話にして敵幹部の1人が直接地球に降り立ち、ジュウオウジャーと交戦するという、地球滅亡という目的に対してのアグレッシブ過ぎる姿勢を見せつけてくれました。


いきなり中ボスクラスの敵が出てくるって……デスガリアン、メチャクチャマジじゃないですか!




■デスガリアン……マジデスヤン

プレデター』に出てくる地球外生命体を更に残忍な性質にしたような、このデスガリアン。見た目も機械生命体のようなルックスで、無機質で冷酷な雰囲気が漂っています。


更に、その首領であるジニス役の声優さんは、井上和彦さん。強いよ〜、絶対、強いよ、コイツ。井上さんなんて、『ハピネスチャージプリキュア!』でラスボスだったレッドを演じていらっしゃった声優さんじゃないですか!


レッド、スゲー強かったのに、井上さん、今度のスーパー戦隊でもラスボスって……。また、他の幹部役も、中田譲治さんに岩田光央さんと声優陣も超豪華。女性幹部のナリア役には、寿美菜子さんも出演されています。


けいおん!』のムギちゃんやキュアダイヤモンドが地球侵略に来たと考えると、ちょっとだけおもしろい気もしますが、それ以上にデスガリアンの設定がえげつないです。


また、前作の『手裏剣戦隊ニンニンジャー』における敵組織だった牙鬼軍団が、ちょっとコミカルな描き方をされていたというか、悪の存在でありながら、どこかトボけた味のあるキャラクターが多かった為、その反動もあって、デスガリアンの残虐性がより一層映えます。


デスガリアンの目的である"ブラッドゲーム"っていう響きからして、もう結構にえげつないですからね……。


この強大な悪に、ジュウオウジャーがどう立ち向かっていくのか、これは要注目だと思います!




■『魔法つかいプリキュア!』も敵が怖過ぎる

続いて、『魔法つかいプリキュア!』に登場する敵組織、"闇の魔法つかい"について。一番最初に幹部キャラのバッティを目にした時に驚いたのが、そのデザインの凶暴さです。





単色で塗りつぶされた目に、蝙蝠の意匠を活かしたフリーキーなデザイン。見た目は、完全にモンスター。その怪物的な容姿は、子どもが本能的に嫌いそうなイーヴィル感に溢れた造型となっています。


様々な方が言及しているように、この敵幹部のキャラクターデザインは、初期のプリキュアシリーズに回帰した感がありますよね。


プリキュアの敵幹部って、シリーズの途中から見た目は人間とほぼ変わらなかったり、愛嬌を感じさせるデザインだったりで、悪役ながらもどこかしらに愛すべき要素があるキャラクターへと変化していったように思います。


そして、その内面も何かしら共感できる要素があり、好きになることができる親しみやすさがあるキャラクターが増えてきたように感じます。例えば、ウェスター、例えば、サソリーナ、例えば、ウルフルン、例えば、ナマケルダ。





前作の『Go! プリンセスプリキュア』でクローズもビジュアル面で強いインパクトがあったのですが、今回の幹部キャラは更に極悪なルックスで、クローズ初登場を上回る衝撃を受けました。


非常にシンプルに表現をさせていただければ、可愛さがなくて、不気味で怖い。ホラーテイストのあるモンスター路線への回帰ですよね。




■スパルダ……マジ過ぎる!




シリーズのお約束である女幹部ポジションのスパルダにしても、このエッジの効いたデザインです。


更に、このスパルダ、驚くべきことに第3話の初登場にして「変身アイテムを奪って、プリキュアを戦闘不能に追い込む」という戦法を取ってきました。


相手を変身不能にする賢い作戦、序盤も序盤で使ってきた! そこは、プリキュアの見せ場なのに、見せ場を奪っちゃダメですよ! 我が強いな〜コイツ!!


というか、特撮ヒーローや変身魔法モノのシリーズで、「変身アイテムを奪って、ヒーローを無力化させる」って、通常は中盤とかに持ってくる作戦なのでは……。


参考までに書いておくと、前作にあたる『Go! プリンセスプリキュア』では、第28話の『心は一緒! プリキュアを照らす太陽の光!』で、『手裏剣戦隊ニンニンジャー』では、第14話の『助けてサギにご用心!』で、敵の幹部が繰り出してきた賢い作戦ですからね。


序盤の序盤で、賢い作戦を存分に駆使してくるなよ〜! 本気過ぎるよ、コイツ〜! 相手は、未だ幼気な女子中学生2人と喋る変なぬいぐるみやぞ!!


大人気なさ過ぎるくらい、最初からマジもマジなスパルダ。前述のキャラクターデザインも含めて、マジ過ぎると思うのです。




■ヨクバールの設定がヤバ過ぎる!

また、そんな敵幹部が生み出す各エピソード毎の悪役キャラ、ヨクバールもヤバイです。何がヤバイって、元になる物体を2つ組み合わせることで生まれるという設定がヤバイ!


プリキュアシリーズでは、日用品や生き物を怪物化した悪役キャラが各シリーズに登場しますが、今回の敵であるヨクバールは、怪物の元になるアイテムを2つ同時に使用しているわけで、つまりは、それだけ強力な怪物が作れるし、尚且つ、攻撃のバリエーションも増えているということになるのでしょう。


これ、『仮面ライダー』でいったら、一番最初のショッカーを飛ばして、ゲルショッカーとか『仮面ライダーV3』のデストロンが出てきたようなものです。


蜘蛛男とか蜂女とか、そういう生物単体モチーフのシンプルな怪人をすっ飛ばして、キメラ的な特性を持つゲルショッカー怪人や、生物に武器を組み合わせたデストロン怪人のような強力な力を持つ合成怪人がいきなる立ちはだかるという。


最初から、ガニコウモルとかヒルカメレオンとかカメバズーカとかカニレーザーみたいなヤツが敵として出てくるわけですからね。強いよ〜! それは、強いよ〜! 絶対、強いやん、ヨクバール! お前ら、何してくれてんねん!!


「魔法、入りました!」って、入れるなよ、そんな極悪な魔法。出せ! 今すぐに入った魔法を出せ! もう一回言うけど、こっちは女子中学生2人と齋藤彩夏さんの声で喋るぬいぐるみやぞ! 中学生とぬいぐるみ相手に本気過ぎるよ〜!!




■最後に

動物戦隊ジュウオウジャー』も『魔法つかいプリキュア!』も敵組織が非常に強大ですし、凶悪だと思うのです。


こんな絶対的な"悪"に対して、ヒーローたちがどう立ち向かっていくのかが、両作品にとって、一つの大きな見どころになるのかな、と。


あと、デスガリアンも闇の魔法つかいも、こんな感じなので、相対的に『仮面ライダーゴースト』の敵役が、ちょっとだけ愛嬌が増して見えるようになりました。


イゴールとか、山本浩司さんの好演も相まって、非常に魅力的。こう言ってはなんですが、やってることは怪人のスーツを再利用している(所謂"再生怪人")だけなのに、"敵怪人に変身できる"というギミックが、これ以上ないくらいに物語の中で上手く機能していて、観ていてとても楽しいです。


イゴールが使ってるプロトタイプ・メガウルオウダーの玩具、欲しい……。