「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」を、英語圏はどう訳したか?

 
今年、最も話題になったテレビアニメといえば、「ストライクウィッチーズ」。
 
この作品における印象的なキャッチコピーといえば、パンツじゃないから恥ずかしくないもん!です。
 
時としてネタとして語られがちなこのキーワードですが、こちらのエントリーこちらのエントリーをご覧になっていただければ分かるように、実はとてつもなく含蓄を含んだキーワードなのです。
 
えぇ、それはもう、作品世界やアニメ自体の出来の良し悪しから一旦離れて議論ができてしまう程に。
 
ストライクウィッチーズ」は、登場する女性キャラクター達が、下半身にどう見ても下着(もしくは水着)にしか見えない衣服を着て「ネウロイ」と呼ばれる謎の敵と戦う、というストーリーです。
 
ズボンやスカートをはかずに、下着(らしきモノを)丸出しで戦うキャラクターの姿に、初めて見た視聴者は度肝を抜かれますが、ほどなくして始まった角川書店のキャンペーンパンツじゃないから恥ずかしくないもん!というコピーが、ファンの心をガッチリと掴み、良くも悪くも作品を象徴する言葉として認識されていきます。
 
さて、「ストライクウィッチーズ」は、GONZOによるyoutubeでの海外配信により、英語圏でも視聴をされていたハズです。
我々日本人は、角川のキャンペーンのお陰で(?)早い段階から「あぁ、そうかアレはパンツじゃないんだ…」という認識を持つことが出来、「パンツ丸出しで戦う」という不条理からの呪縛を解き放たれたわけですが、角川のキャンペーンが行われず、「パンツじゃないから恥ずかしくないもん!」というコピーに触れることがなかった外国のアニメファンは、あの世界観をどのように解釈したのでしょうか?
 
Wikipediaで「Strike Witches」について調べてみましょう。
ストライカー・ユニットの解説で、それらしいことが書いてあります。
 

Striker Unit
 
A pair of hybrid mechanical/magical propeller devices used by Witches for flight and worn over their legs. They are rigid, preventing movement of the knees and require close contact with the pilot's skin to activate, but can be disengaged on the field if needed. This is part of the reason the Witches do not wear pants while on standby (providing a vehicle for much of the series' fanservice.)

 
以下、私の稚拙な英語力を用いた変訳です。*1
 

ストライカー・ユニット
 
ウィッチーズが飛行のために脚に装着する、魔法と機械の融合による、対になった推進装置です。ストライカー・ユニットは頑丈で、膝から下を守る効果があり、また編成の際にはパイロットの肌への装着を必要とします、しかし、戦場でも必要な時には外すことができます。これこそが、ウィッチーズが待機時にズボンを履かない理由です(お陰で、多くのサーヴィス・カットを我々に与えてくれます。)

 
  
「ズボンはいてない」=「サーヴィス・カット」
 
 
それを言っちゃあ、おしめぇだよ!(渥美清調)
 
さすがは、西洋合理主義の国。情緒もヘッタクレもなく、バッサリと切り捨てられてしまいました。
 
禅や気といった東洋神秘主義に科学のメスを入れて、脳波がどーだとか言い出したり、
ロック・ミュージックを合理的に解体していって、「どうやら人は低音で興奮するらしい」ということが分かるや、徹底的に無駄を省いてテクノやハウス・ミュージックを創生してビンスコ踊ったり、
映画製作を恐ろしく効率化、システム化した結果、ハリウッドの大作映画のほとんが似たり寄ったりな内容になったりする、
 
あの辺の「味気のなさ」みたいなものを感じてしまうのは、自分だけでしょうか?*2
 
う〜ん……これはぜひ、米国でのDVD発売の際には、マグリットよろしく「これはパンツではない」みたいなメタ的なキャッチコピーを付けて、西洋圏のアニメファンを思考の渦に巻き込んで欲しいものですね。
 
 
 
 
 

*1:本当に、ド下手かつ、いい加減な訳ですいません。間違い、勘違いがあれば、コメント欄などでご連絡いただければさいわいです。

*2:嘘です。筆者は本当はUnderground Resistanceとか「ダイ・ハード」とか大好きです。