ラノベ原作のアニメ作品に、サブミッションがやたらと出てくる理由を考える(妄想注意!)
ライトノベル原作のテレビアニメ、『俺、ツインテールになります。』。毎週、楽しんで観ているんですが、個人的に気になるポイントがあったので、今回のエントリではその部分にフォーカスしながらアレやコレやと書いてみたいと思います。
■『俺、ツインテールになります。』のサブミッション
自分が気になったポイントというのが、第二話で、本作のメインヒロインである津辺愛香が、トゥアールの腕関節を"極め"る場面です。大のプロレス好きであり、格闘技ファンでもある自分としては、コレが何とも気になる場面でして、この時に愛香はトゥアールの腕を腕ひしぎ逆十字固めに捕らえようとしていることが分かります。腕ひしぎ逆十字固めについては下記の動画を観ていただけると、どんな技か分かりやすいかと思います。
<美木航のはじめての総合格闘技 / 腕十字固の決め方>
やや"変形"気味のそのフォームに、武術をやっているという愛香のキャラクターと、腕力だけで相手の腕を持っていこうとする馬鹿力っぷりがよく伝わってくる良い場面なんですが、一つ気になるのが、『俺、ツインテールになります。』にかぎらず、「ライトノベル原作のアニメでは、やたらとサブミッションが出てくるシーンが多くないか?」ということ。
■ラノベ原作アニメヒロインズでグラップリング最強トーナメントをやって欲しい
上記のエントリでも言及をさせていただいたのですが、例えば『龍ヶ嬢七々々の埋蔵金』では、第一話からヒロインの七々々が、主人公の腕を飛びつき腕ひしぎ逆十字で破壊するシーンがありますし、同じくライトノベル原作の『人生相談TVアニメーション「人生」』では、やはりヒロインの一人である鈴木いくみが男子生徒に腕ひしぎ逆十字固めを極めるシーンがあります。
ただの偶然といってしまえば、それだけかもしれませんが、私達は、(自分が知る限りでも)今年放送をされたライトノベル原作のテレビアニメで、三度もヒロインが腕関節を極める場面を観ているのです。
■何故、ライトノベル原作のアニメには、サブミッションが数多く登場をするのか?
これは、単なるシンクロニシティなのか……ただ、自分はこんな仮説を考えたりするのです。ライトノベル原作のテレビアニメで、サブミッションがやたらと出てくる理由……それっていうのは、原作者であるライトノベルの作家さん達が世代的にPRIDEを始めとする総合格闘技ブームをリアルタイムで経験をしているからではないか? と。1997年の高田延彦vs.ヒクソン・グレイシーをメインイベントに第一回の大会が開始され、2007年に完全に活動を停止するまで…10年に渡って興行を続けた総合格闘技イベント、PRIDE。中でも特に人気が高かったのが、フジテレビが地上波で試合を中継し、ミルコ・クロコップ、エメリヤーエンコ・ヒョードル、アントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ、桜庭和志といった人気選手が大活躍をし、当時、"日本人最強""プロレス最後の砦"と評されていた、オリンピック銀メダリストの柔道家でプロレスラーの小川直也がPRIDEのリングに再登場を果たした2000年台前半ではないかと思います。また、そのPRIDE人気に刺激を受ける形で、いくつかの総合格闘技イベントが勃興をしたのもこの時代で。
そして、この時代の総合格闘技ブームを経験した世代の人間が、後に作家となり、ライトノベルデビュー、その作品が人気となりアニメ化したとしたら……? 残念ながら、ここまでで挙げた作品を書いた作家さん達が、今現在おいくつなのかを調べることは出来なかったのですが、ライトノベルは若い作家さん達が活躍をしているシーンで、あの頃の総合格闘技ブームをリアルタイムを経験した世代とも被ると思うんです。
そう考えてみると、そうした作品の中で総合格闘技に押されて元気が無かったプロレスよりも、総合格闘技流のサブミッションが、ライトノベル作品の中に頻繁に登場することにも何だか繋がってくる気もします。
真相は分かりませんが……ただ、かつて、この日本で総合格闘技が一大ブームとなり、中高校生の頃にPRIDEをテレビで観ていて、その影響を受けた人が今では2000年代後半から始まったラノベブームの波に乗り、今では作家となっている……なんて考えると、かなり妄想染みた仮説ではありますが、格闘技の妙なロマンを感じたりもしるんです。
何はともあれ、そのセオリー無視な腕関節で魅せてくれた『俺、ツインテールになります。』の津辺愛香。ラノベ原作アニメヒロインによるグラップラー最強トーナメントが開催をされたあかつきには、是非とも参戦をして欲しいと思います!